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モータースポーツにおいて採点競技はドリフト以外難しい?
もう、8月ですね。暑中お見舞い申し上げます。
前回の東京オリンピック(1964年)で流行った言葉、「ウルトラC」。
体操競技の難度を示す表現ですが、「C」に「ウルトラ」をつけたのは、NHKのアナウンサーさんらしい。
TOKYO2020オリンピックをテレビ観戦していて驚きました。最新の採点方法は、Dスコア(難度)とEスコア(出来栄え)の総合ポイントで争われて、難度に関しては、FやGは当たり前。昨晩見た競技で『H難度』という表現を聞いてブッたまげましたね。しかし、Hが現在の上限かと思ったら、なんと、なんと。【J難度】が存在するらしい。体操女子の床でアメリカの選手が、後方抱え込み2回宙返り+3回捻りという技を成功させて、これがJ難度だそうです。ストレッチのつもりで軽く腰を捻っただけで<ウッ>と痛みを感じてうずくまってしまう老人には全く不可能な技。世界のトップと自らを比べること自体馬鹿げていました。すいません。
モータースポーツ競技に関してポイントというものは、競技結果によって与えられる得点、そして、競技中の違反によるペナルティポイントくらいですね。オリンピックをテレビ観戦しながら酔った勢いでモータースポーツにも<技>の難度でポイントが与えられるという規定を設けることは可能かどうか考えました。
もし、それが実現したなら、モータースポーツ、サーキットレースの中継はこんな具合。
「ただいまのレートブレーキからコーナーイン側への切り込みは、F難度でしたので、2.5ポイントが加算されます」
また、
「この3ワイドのイン側に位置してコーナーをクリアー、順位アップしたのは、G難度ですので3.7ポイントが与えられ、アウト側の1台のフェアーなライン取りにDスコア、0.5ポイントが与えられますが、もう一台はあわや接触というシーンがあったのでEスコアによって0.5ポイントの減点となります」
なかなか、面白いアイデアかなと思いつつ、夢の中へ・・・。
一夜あけて、昨晩考えた画期的なモータースポーツスコアリング規定!?を思い返してみた。
馬鹿でした。
いったい誰が、どのような基準で、公明正大に判断して、参加台数全てのドライビングを監視してポイントを与え、減点するのか。そんなの不可能。ドリフト競技では、2台のドライビングの差を比較して結果を示す方法を取っているようですが、それ以外の競技は無理だと考え直しました。
実際、コクピットのドライバーさんたちは、J難度以上の難しい技を駆使、それも何度も行いレーシングマシンを操って順位を競い、ゴールを目指しているのですから・・・。
目覚めの悪い、暑い夏の朝・・・。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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