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モーター スポーツ コラム 2021年7月14日

【SUPER GT チームの舞台裏にお邪魔してみました】12号車 TEAM IMPUL 平峰一貴選手&松下信治選手

SUPER GT by 島村 元子
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12号車 TEAM IMPUL 平峰一貴選手&松下信治選手

12号車 TEAM IMPUL 平峰一貴選手&松下信治選手

レースウィーク中のサーキットは、ドライバーはじめエンジニアや監督、スタッフ全員が”戦闘モード”全開で勝負に挑んでいる。普段、現場でチームスタッフ同士がどのようなコミュニケーションを取っているのか、気になったことはないだろうか?
そこで、zoomでの会話をその”舞台裏”に見立ててご紹介! 第2弾は、TEAM IMPUL。今シーズンから新コンビとなったとは思えない平峰一貴、松下信治両選手選手のフランクな会話をファンの皆さんにお届けしよう!

12号車 TEAM IMPUL 平峰一貴選手&松下信治選手

──第1戦、第2戦を振り返る
平峰一貴(以下、H):開幕戦(岡山)は大変だったね。
松下信治(以下、M):岡山ね。テストで結構調子良くて、イケるかなって思ってて。でもフタ開けて見たら少し戦力差があったって感じ。個人的には、自分がファーストスティントを担当して、カズキン(名称の由来は後の会話で明らかに)先輩がセカンドスティントで。あまり抜けずに何個か(ポジションが)上がって、3号車の前には出られたんだけど、(ルーティンの)ピットでちょっと手こずっちゃって……。(34周目の)セーフティカーだっけ!? になって、まぁ順位はあんま変わらず。そのまま最後まで行って、最後ちょっと接触があったからもったいなかったけど、って感じだね。(※1)

H:うん。俺に交代して結構ごちゃごちゃになって、ピットアウトしたらなんかいくつか(ポジションが)下がっちゃってたのかな。で、抜きに行こうと思ったら巻き込まれちゃって俺もスピンしちゃったけど、これはマズいなぁと思って。とりあえずポイント圏内は狙わないと……っていう感じでなんとか追い上げて1ポイントは取れたけど、結構思ったよりは大変な週末だったかな。

M:ウチのチームはつねに全力。別に出し惜しみも三味線(を弾く)とかもなくて。一発目から全力で行くんですけど、(第2戦)富士もまだ(サクセス)ウェイトが少ないっていう部分で戦力差が少しあって。でもやれることはやろうよという感じでやって、でもやっぱり予選が結構厳しくて、僕が走ったんですけどQ1が通れなくて……。それでも(ポジションを)上げて行くしかなかった。レースではあんまり抜けなかったけど、どんどん前がペナルティとか故障とかで、どんどん上がっていった感じ。途中、セカンドスティントのカズキンがめちゃめちゃペース良くって、少し前とのギャップが開いてそんときにポジションアップしたのかな? で、そのまま最後引き継いでゴールって感じだったね。

H:そういえば、松下が最後のスティントを走ってるときに、BS(ブリヂストンタイヤ)のみんなとすげぇ応援してた。後ろから追い上げてきてたから、『あっ! やべぇ』とか言って(笑)。なんとかそのままゴールしてくれたからすごい良かった。

M:そうね。(タイヤの)ピックアップとかがやっぱ難しかったね。最後のほうは、100Rとか結構ゴミが溜まってて。それをうまく処理しないとペースが上がんないっていう……。まだまだだね。

H:あの辺はすごいゴミが溜まってきやすいから、なかなかピックアップしやすいけど、でもノーポイントは免れているからすごい良かったと思う。ほんとはもっと上(の順位に)行きたいけどね。

M:いや、もう勝たなきゃダメなんだからさ。もっと頑張んないと。チームも頑張ってくれてるんで。(次のレースまで)しばらく開いてるから気温も変わってまた(タイヤの)キャラクターも変わると思う。もてぎに向けてシミュレーターも結構やってるんで、ガンガン行きたいと思ってます!

──気遣い無用のふたり、お互いを語る
M:(平峰のことは)「カズキン」って呼んでます。星野一樹さん(の通称)が「カズキング」なんで、”キング”はちょっとダメでしょうってことで、「カズキン」になりました。あ、でも最近、新たしいあだ名できたね。なんだっけ?「コマミネ」、だっけ!?

H:あぁ、なんかね(笑)。このあいだ、トレーナーさんのところでトレーニングしてたんですよ。で、トレーナーさんが写真を撮ろうとしたときに僕が”コマネチ”(のポーズ)をしてて。実は一緒に(GT)300(クラス)に乗ってる松井(孝允)君がいるんです。松井君の横で俺は、コマネチをしてるっていう……。その姿をトレーナーさんが(写真に)撮ってたんですよ。それを僕が僕がインスタグラムのストーリーに上げたんですよ。そしたら、その僕の姿を絵に描いてくれるファンの人がいるみたいで。それをツイッターに上げてるらしいんですね。で、「こんなの、上がってるよ」って教えてもらって。かわいいんですけど(とスマートフォン越しにその絵を松下にお披露目)。

M:似てるわ。

H:似てるのかな? 描いてくれた人がいて、しかも僕が前にラクダと一緒に遊んで居た時の写真もあって、それも絵を描いてくれている人がいるんですよ、これとか……(と別の絵も見せる)。

M:いいなぁ、俺も描いて欲しいわ。

H:今度、描いてもらおうよ。

12号車 カルソニック IMPUL GT-R

12号車 カルソニック IMPUL GT-R

M:(今季初コンビを組むふたりだが)まぁ、お互いあまり気を遣わないんで。歳はちょっと違うけど、ほぼ同世代ですし(※2)。気を遣ってたら言いたいことも言えないんだから。『やめようぜ』っていう話をして、それを(平峰が)受け入れてくれているからありがたいっていうか。そんな感じっすね。

H:結構、松下はズバズバ言ってくれるから。逆に僕も気を遣われるとわかんない。そうやって一緒に協力しあってできるっていうのは、僕にとってはいい勉強になるからうれしいね。そのほうが一緒に戦っている感じがするから。フォーミュラだとそういうわけにはいかないんだろうけど、やっぱりGTは「ニコイチ」なんで、そこで一緒に協力して戦って、いろいろ走り方とか色んな情報っていうのを共有してやれるっていうのは、色んなチームメイトと組んできても、なかなかできることじゃないと僕は思ってるんですけどね。

M:チームの雰囲気がすごく良くって。(監督の)星野(一義)さんとあと高橋紳一郎(工場長)さんっていう2トップがいるんですけど、まだ残念ながら結果を返せて(残せて)いないんで、そこは頑張りたいんですけど。でも雰囲気はすごく良くて楽しいよね。

H:ヤバいね。

M:それで結果がついてくれば、すごい多分喜んでくれるし、もっといい雰囲気になると思うんで、そこはもっと頑張っていこうね、っていう話をしてます。

H:ミーティング終わったら面白い話とか、結構監督と松下と3人でしてるけど、そういう雰囲気があるからやっぱいいよね。

M:面白い話というか、全部下ネタだけどね(爆)。

H:うん、そうだね。これ、J SPORTSで流せるんですか!?(笑)。流せるなら、流しちゃえって思ってるんですけど。責任は取れませんけど。

H:大丈夫、インパルはそんなことでNGを出すチームじゃないです(笑)。

H:たまに、星野さんが現役時代の話とかレースの話とかしてくれるんだけど、そいういうのがすごく面白い。例えば、昔はCMの契約金がすごかったとか、そういうバブリーな話って僕らは知らないから。そういうのを聞いてるとホント面白いよね。スケールが違った時代だから。

H:今じゃありえないね、とかっていう。監督のネタはスゴすぎるよね。もう尽きないからね。

M:確かに。でもいつも聞いてて思うのは、俺たちの世代もそうやって頑張っていかないとな、って。レースを盛り上げていくのは現役の人たちだから、いい子ちゃんでしゃべるのもいいけど、やっぱりキャラクターとかそういうのも重視してやっていきたいなとも思う。昔の人、っていう言い方は失礼ですけど、レジェンドたちってやっぱキャラクターが強かったでしょ!? 星野さんなんて特に。だから、(平峰と松下の)ふたりともキャラが濃いほうだと思うんで、それを隠さずにあえて出して、それを知ってもらって……。だから素(ありのまま)、ですよ。今、F1とかもそうですけど、世界的にもあんまり言っちゃいけないこと──どんどんNGワードみたいなものが増えてて。もちろん、NGワードは言わないけど、悔しい!とか、そういう感情をあらわにして人間味出したほうが、見てる人には『あ、悔しそうだな』とか『うれしそうだな』ってわかりやすいと僕は勝手に思ってて。だからいいのか悪いのか別として、やってます。本山(哲)さんにも星野さんたちの時代の人達の話を聞いたりするんですけど、(昔は)レースで悔しかったらヘルメットを投げたとか。(自分は)そんなことはしないんですけど、それだけレースに熱いんだっていうのをファンの人が見たら、『わぁ、すげぇ悔しがってる」ってなるじゃないですか。絶対こっちのほうがいいんじゃないかなって思うんですけど。もしそれで叩かれたら叩かれたで別にいいよって感じの性格だから、俺は気にしない。そのほうがいいよね!?

H:うん。やっぱスポーツなんで。勝負してるのに、ファンの人たちに見てもらって、一緒にこう勝負してくれてるっていう__松下も言ってくれてるように、僕らも感情をあらわにして戦うっていう……。そういうところが走りにも絶対出てくると思うんで。走ってるドライバーも、ドライビングでもそうだけど色んなキャラクターがあるし。そういうのもファンに見せていきたいですよね。松下は、ズバズバ言うと事はあったとしても、感情もあるし芯があるから話してて面白いんですよね。俺のくだらない話も聞いてくれるし、だからいつもふたりでいるときも、一緒にメシ食ったりするときもくだらない話を聞いてくれるから。みんななんかね、松下がトゲトゲしてるって思っている人もいるんですけど、結構優しいんですよね。

M:でも最近、良く言われる。全然違う人からも。『もっと、取っ付きにくい人かなとか思ってました』とかって。「そんな知らねぇよ、勝手に言ってんじゃねぇ」っていう話だよね、こっちからしたら(笑)。

H:それを言う! (笑)だから、そう思われるんだよ!(笑)

M:そっか(笑)。

H:俺は前から知ってるけど、普通に話してると『いいやつだなぁ』、『あ、優しいなぁ』って思ったりする一面がある。だからモテるんだろうね。

M:(照れ笑い)うん、まぁ……。あまりモテてないけどね(笑)。僕から(見た平峰)は、めちゃハングリーで。性格は気にしてないですけど、なんかすごい素直。例えば、ここが足りないとか、こうしたほうが良くなるってなったら、速攻それを直しに行くような。なんかピュアっていうか、真面目だなって。だから、例えば僕が気づいたことは気付いたらすぐシェアして、『ああ、じゃあこれもやるわ』みたいな。チームメイト初年とか、あんまりオープンにしない人も多分いると思うんですけど、(平峰は)そうじゃなくて。さっき(平峰が)「ニコイチ」って言ってたけど、そういう風になりやすいっていうか。ほんと気を遣わなくていいっていうのが楽でいいかなって思います。ハンブル──要は謙虚で、ハングリーにやるっていう。レースに対してそういうのは大事だと思います。

H:ありがとうございます!

M:いえいえ、事実だから! でもまだ俺ら、結果出してないから全然ダメだけど。

H:自分たちにプレシャーもかけて、つねに限界探っていかないとやっぱ結果はついてこないと思うし、いっしょに頑張っていきたいっすね。

M:僕、(レーシングカートを始めた)4歳のときから変わらないっていうのが、自分のいいとこ(と思っている)。大人になっていくとガマンすることとか増えてくるんですけど、僕の強みはそこ。変わらず、レースがずっと好きで、勝ちたくてやってるんで。ただ、やっぱりF1を目指して『もう一回ヨーロッパへ戻るんだ』ってときは、ほんとプレッシャーもあったんで、もしかしたら周りの人には顔の表情が違っ(て見え)たのかもしれない。でもそういうことでこっちも損をしたくないので、そういう(取っ付きにくい)ふうに思われているんだってことを知ることは大事。やっぱり楽しくやってたほうがいいんで。カズキンがすごく楽しい人なんで、それはすごく助かってます。

H:俺も結構楽しい。(笑)

M:まぁでも結果が出ないとね、やっぱり。それが軸だからね、プロとしては。やっぱりまだ開幕戦と2回目で苦戦してますから、ちょっともどかしい気持ちが大きいですけどなんとか頑張って結果出したいです。

12号車 カルソニック IMPUL GT-R

12号車 カルソニック IMPUL GT-R

──"監督あるある"、どんなこと?
H:どっかで優勝して、監督担ぎ上げたいよね。

M:絶対うれしいよね、そんなことでたらね。スーパーフォーミュラのときは(チームが)優勝争いしてるから,星野さんもすごい熱い感じて怒ったりしてるけど、GTでトップ争いしないとそういう一面は見れないと思うし、テレビにも映らないから。そこはやっぱり僕らの仕事で。ウチの大駅(俊臣)さんていう名エンジニアもいるんで、3人と一生懸命クルマ作って、今やってるから! まぁどんどん良くはなってると思う。

H:監督って、(走行中は)ずっとピットとかトラックの中でセクタータイムを見て、調子がいいときも悪いときもずーっと僕らを見てくれてるんです。例えば、なんかちょっと伸び悩んでいるなっていうときに、『俺のときはこういうこともあったぞ』って色んなアドバイスをくれるんです。監督はもともとドライバーだったんで、ドライバーの立場になって、『今、平峰こうなんじゃないか』とか『こうしてみらたどうか』とかそういうのをすごい言ってくれるんですよ。そのアドバイスを聞いて、結構うまくハマって行ってることがあるんですごく助かってます。それから、松下も言ってたくだらない下ネタとかの話で盛り上げてくれたりとか。すごい助かってます。なんか僕らのことをドライバーとしてでもそうですし、何を言うにしても愛情をすごく感じるんですよ。だから僕らもほんとに『監督のためなら命張って思い切って攻めにいってやる』っていう気持ちになれるんですよね。俺は(チーム)2年目になってあれ(慣れた)だけど、1年目の松下はなんかない?『これ、ちょっと他のチームではありえないな』みたいな。

M:ヨーロッパ(のチーム)もああいう感じなんですよね。星野さんって結構結果を重視(する人)なんで、別に(人格的に)いくらいいやつだろうが礼儀正しい人だろうが、結果出さないやつには興味はないっていうようなスタンスで、チームの空気もそんな感じだなっていう印象を今持ってて……。その代わり、速さ持ってるやつとか結果出してくるやつに対しては、すごい興味を持ってくれる。僕、あまり日本で走ってないからわからないですけど、なんかそれをすごく感じます。ムードを作りやすいっていうか、要は速く走ったらすごくチームが明るくなって、遅いとすごくチームが暗い。そんな感じがするかな。

H:大元(星野監督のこと)がすげぇ(笑)。

M:だから去年(のチームの雰囲気)がどうだったかわからないし、去年の結果だけしか知らないですけど、すごく苦戦してる中でどういうなんだろなぁ……。星野さんとかチームの雰囲気がどうだったのかっていうのを聞く必要はないんだろうけど、今年はその逆を行きたいって僕は思ってます。

H:確かに、去年も前半苦戦してて、前半4戦ノーポイントだったんじゃないかな、そんときは結構つらかったね。『インパル、どうした?』って周りにも言われてたし、辛い時期でもあった。一番俺らも辛いけど、監督も結構辛かったと思うんだよね。やっぱ監督って絶対色んなものを背負ってるし、俺ら以上に背負っているものはデカいと思うから。もしかしたら、変に僕らにいらないプレッシャーをかけないようにしてるのかなっていう一面もちょっと見えたってのがあったね。

M:今年もなんかあるよ。コロナで結構チームを運営していく上でみんな大変だけど、その中でドライバーには一切心配かけたくないって言うし。実際それを行動でやってくれてるんで。だからこそ、愛情も含めてこんなにしてもらってるのに、結果がまだ出せてないっていうのはすっごい悔しいですよね。個人的には。だからまだ終わってないし始まったばかりだから、絶対結果だして、思いっきり盛り上がるレースを絶対したいよね。早くね。

H:ちょうどね、2、3日前に監督から電話あった。

M:あぁそうなの!?

H:うん。なんか『おぅ、元気か?』って言われて(笑)。『相変わらずやってるか』みたいな。(笑)それに、今、松下が言ってくれてたみたいに監督にも言われた。『今ドライバーふたりが頑張ってくれてて、いいクルマを用意してやれなくて申し訳ない』みたいな。『いや、そんなことないっすよ。全然俺も足らないところがいっぱいあるし。だからまた思いっきりもてぎで全力で戦いに行くから、見とってください』って言ってたんやけど。やっぱそういうのを監督は心の底からいろいろ言ってくれるんで、すごいいいなと思うね。

M:スーパーフォーミュラのSUGOで(6月19、20日)、僕(決勝)4位だったんです。で、インパルの関口(雄飛)選手が3位でゴールして。たまたま帰るときの新幹線で星野さんが一緒だったんですけど『(関口を)抜いてたら、後からしばいてたぞ』とか言われて(笑)。でも『おめでとう!』とか言われて。もちろん(関口は)ポールスタートだったし、星野さん的には爆発にはうれしいわけじゃなかっただろうけど、でも喜んでた。なんか1個1個のリザルトにすごい一喜一憂する人っていうか。経営者の人ってあんまり顔に出さないじゃないですか、チームのオーナーとかってね。

──大阪出身の平峰選手、関西弁が出ないのは?
M:いやいや、全然全然。ネコ被ってるだけ! もうバリバリの関西弁ですから、ほんとに。『いてこますぞぉ、こら〜っ』って言ってんもんな(笑)。あはは(爆)。

H:しーっ(爆)。ん、松下とふたりで居るときは結構(関西弁が)出てるかもしれないですね(笑)。素で。

M:なにカッコつけてんの。

H:でもやっぱり、素では関西弁が出ますね。興奮してくると、特に。

M:でも結構関西弁しゃべってるときのほうが好きかも。なんか。

H:ほんと!?

M:うん。逆にやわらかく聞こえる。

H:おおきに(笑)。

──久々のレースとなるもてぎ戦について
M:もてぎは得意なサーキットではあるんで。結果出したいよね。

H:出したい。

M:去年とかどうだったの?

熱い意気込みを語る平峰選手

熱い意気込みを語る平峰選手

H:もてぎ……。結果がダメだったね(苦笑)。良くなかったんだけど、でもいいバトルが出来たりとかもあった。きっと我々ならもっとガツガツ行って、しっかり優勝狙って行くのはもちろんだし、あとはブレーキングのサーキットだから、とにかく戦いに行って思いっきりバトルしたいなって思ってる。

M:GTでもてぎは多分ブレーキ、ブレーキ、ブレーキ……だから、多分結構いろいろとタイヤにも負担がかかるだろうし、そういう部分で未知だけど、まぁ(平峰)先輩と(エンジニアの)大駅さんといろいろ話を聞きながら、自分たちが持っているベストを尽くすっていうのがまず第一の目標かな。で、やっぱりここ2戦、Q2にもまだ行けてないから、個人的な目標としてはQ2に行きたいなぁって。前(のポジション)からレースをスタートできればそれだけ楽できるし。それを目標としてまずは第一に自分たちのベストを出す。ミスせずっていうのが、個人的に思ってるとこかな。

──ほぼ脱線モードの中、再び"星野監督あるある"
M:多分僕もまだ名前を覚えてられてないっすよ、いやほんとに。あるよね!? 『平、平、平川じゃなくて、平峰』とか『松、松……』とか言われて、覚えられてないです。でもこれ、本山さんが言ってたんですけど、なんか本山さんがインパルで走ってて、3年ぐらい勝ちまくってて走ってて……。で、食事を星野さんとしてるときにふと言われた、っておっしゃってたんですけど、『お前、名前なんだっけ!?』って言われたって。『本気で言われた』って言ってました。『星野さんはスーパースターだから、いちいち名前とか覚えないから』って本山さんから言われた。チームでたまに(監督と)話すと、そしたら、『松、松、…』とかって。『あぁっ、この人まだほんとに覚えてないんだ』って(笑)。ほんと多分覚えてない。

<一日も早く”ノブ”って言ってもらわないと……>
M:そうですね。そこまで行けたら『認められた!』となるんでしょうけど、まだまだ僕は認められてないと思ってるんで。自分では結果も出してないし。なんとかそれを残り(のレースで)頑張りたいなと思っています。

H:僕は息子さんの一樹さんと同じ名前なんで。たまに『おぅ、カズキ』って言われるんすけど、これは”平峰一貴”としてじゃなくて(苦笑)、息子さんの”一樹”さんだと思って呼んでる呼び方だなぁって。なんか、違うんですよ(笑)。最初(チームに)入ったとき、(星野監督から)『あぁ、そっち(一樹でなく一貴)かぁ』って言われたんすよ。でもたまに「平川」(※3)って呼ばれるときもあるし、平川も「たまに俺、平峰って呼ばれる」って(爆)。

H:ところで松下はゴルフしないの?

M:ゴルフは1回やった。1回目でラウンドして初めて(グラブを)握って、そんときにプロと一緒に回らしてもらって。いろいろ教えて頂いたんですけど、全然やっぱ初めてでわかんなかったんですよね。で、それ以来やれてないです。でもすごいおもしろかったです。え?ゴルフ、今やってんの?

H:いや、監督から去年(ゴルフ)クラブ一式もらったの。今度、一緒に打ちっぱなしに行こう! タマ打つの、すげぇ楽しいから!

M:(平峰とは)こないだ一緒に自転車でトレーニングしたりして、三浦半島1周とかして……。走りながらしゃべってとかしてるんで、交流も結構運動交えて今してるんで、そういうチームメイトって今まであまりなかったっていうか、気軽に来る人っていなかったんで。趣味じゃないけど、普段の生活でも結構会ってるよね。そういう部分でもやりやすいっていうか。そんな感じでやらしてもらってます。

H:中華料理屋も食いに行ったしね。

M:そうそう、行ったね中華街ね。僕も結構食べるのが好きで、色んな食べ歩きしたいんで、でもひとりはイヤで。無理やり誘って無理やり割り勘って。ほとんど俺が食べてんのに(笑)

H:いいんだよ(笑)。

M:一回、18歳くらいのときに、マカオに一緒に行ったよね!? で、そのときお家にお邪魔させてもらって、すごい立派なお家だったっす。

H:うち、来たっけ!?

M:一回行ったじゃん。行ったよ、マカオ行って、マカオでF3見て。そんとき、俺FCJやってたから。懐かしい。あれもう18のときだから、ほぼ10年前。

H:10年前だね、あんとき、だって俺、松下と一緒にインパルで走るだなんて、誰も想像してないだろうけど、思ってもみなかった。

M:人生、わからないね。でもすごい楽しくやれてるんで、結果出しましょう、がんばって、ね!

H:やりましょう!

文:島村元子

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【SUPER GT チームの舞台裏にお邪魔してみました】12号車 TEAM IMPUL 平峰一貴選手 & 松下信治選手

【注釈】
※1:32周終わりでピットイン、ピット作業で他車に逆転され12位で復帰。50周目にはGT300を含む多重接触が発生。平峰選手もリボルバーコーナーで他車と接触、スピン。13位に後退したが、終盤にはバトルを繰り広げて最終的に10位入賞を果たした。
※2:平峰選手が1992年1月7日生まれ、松下選手は1993年10月13日生まれで、2学年差。
※3:スーパーフォーミュラでは、平川亮がチームドライバーとして在籍中

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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