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モーター スポーツ コラム 2021年7月1日

【スーパーバイク世界選手権 第4戦ドニントン:プレビュー】ラズガットリオグルが追いついてきた!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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スーパーバイク世界選手権

ラズガットリオグルが追いついてきた!

排気量1000ccのスポーツバイクで争う「FIMスーパーバイク世界選手権」の第4戦がイギリスのドニントンパークサーキットで開催されます。今季は開幕が新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり5月にズレ込み、まだ3戦6レースを終えたのみ、ただ、7月からは月2戦〜3戦のペースでレースが行われていきます。

第4戦の舞台、イギリスのドニントンパークはかつてMotoGPイギリスGPを開催していたサーキットで、アップダウンが激しいコースレイアウトは2輪レース向き。アグレッシブすぎるライダー達の闘争本能に火をつけるコースといえます。

イギリスは高橋巧や水野涼が参戦するブリティッシュ・スーパーバイク選手権が高い人気を誇っており、マン島などの公道で開催されるロードレースも含めてオートバイレースの人気が非常に高いことでも知られています。毎年、熱いファンが来場するドニントンのレースではホームレースとなるイギリス人ライダー達が熱いバトルを見せてくれそうです。

大英帝国のヒーローといえばやはりジョナサン・レイ(カワサキ)。昨年6回目のスーパーバイク世界選手権王者に輝き、レジェンドの領域を超えて神の域に達しつつあるレイですが、英国と言っても彼は北アイルランドの出身。イングランドのライダーではありませんが、チャンピオンに手がとどく域にいなかったホンダ時代からイギリスで絶大な人気を誇ります。なぜなら彼もブリティッシュ・スーパーバイク選手権の出身だからです。

そんなレイは前戦ミサノでは3レース全て3位表彰台でのフィニッシュ。開幕戦から全戦ポディウムに乗り、堂々のランキング首位をキープしてドニントンのレースに挑みます。しかしながら、レイはこれまで100回以上の優勝を飾っているにも関わらず、そのうちドニントンの優勝は4回のみ。ドニントンでの初優勝は2017年であることからも、意外に得意コースではないことがわかります。ただ、現行の3レース制になった2019年はドニントンパークで堂々の3連勝を飾っています。

さらに英国人ではスコット・レディング(ドゥカティ)もMotoGPのキャリアの後、2019年にブリティッシュ・スーパーバイク選手権に参戦したライダーですし、そのキャリアからもホームヒーローと言える存在です。

レディングはドニントンが大の得意。2008年には125cccクラスでグランプリ初優勝を飾っていますし(この年唯一の表彰台がドニントンでの優勝)、2019年にはブリティッシュ・スーパーバイク選手権に参戦し、ドゥカティ・パニガーレV4Rで初優勝したのもドニントンでした(この年、ドニントンは5レース全て優勝)。スーパーバイク世界選手権に参戦した昨年はドニントンでの開催がキャンセルされたため、スーパーバイク世界選手権としては初ですが、過去の戦績を考えても大本命と言えるでしょう。

ランキング4位のアレックス・ロウズ(カワサキ)はドニントンパークから80kmほどしか離れていない街、リンカンの出身で、2013年にはブリティッシュ・スーパーバイク選手権でチャンピオンに輝き、スーパーバイク世界選手権に参戦したライダーです。ドニントンでの表彰台獲得は僅か2回となっていますが、ホームコースとも言えるドニントンで何とか今季初優勝を飾りたいところでしょう。

そんなイギリス人ライダー達の強敵と言えるのがトルコ人ライダーのトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)、そしてイタリア人ライダーのマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)です。前戦ミサノではリナルディが2勝、ラズガットリオーグルが1勝し、共に今季初優勝。ラズガットリオーグルはランキング2位につけ、レイとの差は20点差とギャップを一気に縮めてきました。

ラズガットリオーグルはトルコ人ライダー、ケナン・ソフォーグルの秘蔵っ子として2018年にカワサキでデビュー。プライベーターでありながら2位に入り、初表彰台を獲得してファンや関係者を驚かせたのがドニントンパークのレースでした。2019年の3レース制のレースでもカワサキZX−10RRのワークスマシンに乗るジョナサン・レイに果敢に挑み2位表彰台を2回獲得と、ラズガットリオーグルのアグレッシブなレースを楽しめるのがドニントンパークです。

また地元イタリアで今季初優勝を飾ったマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)は一気にランキング5位に浮上。ドニントンでは目立った成績がありませんが、ワークスマシンに乗る今年、イギリス人ライダー達を相手にどんな走りを見せるか楽しみですし、ラズガットリオーグルとリナルディがミサノのように優勝争いを展開するならば、彼らの存在は次のスーパーバイク世界選手権のコアとなっていくでしょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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