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GTNET MOTORSPORTSは堅実な走りで逆転を掴んだ。
昨年から2018年と2019年の富士24時間覇者であるGTNET MOTORSPORTSとDAISHINがコラボを組み、マシンのカラーリングもオレンジに変更。さらに今年は青木孝行が加わり、2001年の全日本GT選手権にてGT300王者となった大八木信行との“ダイシンシルビア コンビ”が復活し、大きな話題となったチームだ。
序盤はライバルたちが激しいトップ争いを繰り広げていた一方で、81号車は後方から淡々と周回を重ねている印象だった。だが、ここでの“無理をしない走り”が、総合優勝を掴む大きなきっかけとなったのだ。
「周りのチームはプラチナドライバーをスタートで起用してくる雰囲気でした。そこで僕たちはプラチナとか、プラチナと戦えるドライバーを入れたくなかったんですよ。そこで戦ってしまうとマシンへの負担が増えてしまいますからね」
そう語るのは、GTNET MOTOR SPORTSの尾本直史代表。2018年、2019年の総合優勝時も彼が指揮をとったのだが、そこでの経験が今回も存分に活かされた。
「(スタート時刻である)午後3時って、けっこう暑い時じゃないですか。そして、その時ドライコンディションだったら、マシンへの負担がけっこう大きくなるだろうなと思いました。夜のパートは青木選手や藤波(清斗)選手をメインにして、最初はAドライバーの大八木選手に行ってもらうというのを説明して、理解をしてもらってスタートに臨みました」
そんな中でスタートを務めた大八木は、トップ集団に大きく引き離されることなく最初のスティントを終えられたことも、後々の逆転劇への大きな原動力となった。また序盤からチーム全体でマシンを労わる走りに徹したことも後半に向けて余裕を生むこととなった。
多くのライバルチームはレースの折り返しを迎える深夜の時間帯に義務付けられている10分間のメンテナンスタイムを行っていたが、81号車は夜明けまで引っ張っていた。31号車のマシン炎上によりセーフティカーが導入されたタイミング、つまり周りのペースが落ちてタイムロスを少なくできる時にメンテナンスタイムを消化した。こういった動きもライバルにプレッシャーをかける要素となったのかもしれない。
こうして、土曜日の夜間走行に突入する時点では総合5番手を走行していたのだが、そこから徐々に順位を上げていき、日曜日の早朝にはトップを独走する形となった。
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