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改修されたスポーツランドSUGOではどのようなバトルが繰り広げられるのか!?
シーズンの折り返しとなる第4戦を迎える2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。舞台となるのはスポーツランドSUGOだ。昨年末からピットおよびパドックエリアの大規模改修が行われ、ピットレーンが2m拡張されたほか、最終コーナー側のピットビルが新しくなった。ピット出口のコース合流部分も変わり、車検場やメディカルセンターの場所が変更され、パドックも広くなっている。
昨年は、このコースでスーパーフォーミュラデビューを迎えたセルジオ・セッテ・カマラがいきなりポールポジションを獲得する走りを見せ話題となった。今年も開幕戦からルーキーをはじめとした若手ドライバーの活躍が目覚ましく、今回も新たなヒーローが誕生しそうな雰囲気がある。
若手勢の中でも優勝候補として名前が挙がってくるのは、やはり前戦の第3戦オートポリスで悪天候の中ポール・トゥ・ウィンを果たしたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)だろう。今回も中嶋一貴に代わって36号車をドライブすることになる。レースごとに課題を見つけて、次の走行機会までにはしっかりと克服してくるアレジ。このSUGOでも台風の目となるかもしれない。
ジュリアーノ・アレジは、引き続き“代役”参戦ではあるが、虎視眈々と連勝を狙っている
そんな中でも一番の注目は、ランキングリーダーの野尻智紀(TEAM MUGEN)だ。第1戦富士、第2戦鈴鹿と2連勝を飾り、第3戦オートポリスでは決勝スタート直後に起きた多重アクシデントに巻き込まれ、一時はポイント圏外まで順位を落としたが、そこから次々と前のマシンを追い抜いていき5位入賞を果たした。目標としていた優勝や表彰台には届かなかったものの、“今年の野尻はどんなコンディションでも速い”ということと強く感じさせられた1戦だった。
悪天候のため赤旗で途中終了となったが、もし最後までレースが行われていたとしたら……“開幕3連勝”ということも十分にあったかもしれない。
実際、ランキング3番手につけ、オートポリスでも野尻とポジション争いを繰り広げた大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)も「オーバーテイクにも余裕がある感じで、16号車はちょっと強すぎるな……という感じでした。僕たちも色々と改善して何とか追いつかなければいけません」と、より一層の危機感を持っていた。
今シーズン圧倒的な速さを見せている野尻智紀。
完全に頭ひとつ抜け出た感のある野尻だが、今回のSUGOは自身のスーパーフォーミュラ初優勝を飾った場所であるほか、その他のシーズンをみても表彰台獲得など常に上位争いを繰り広げてきた相性の良いコースである。
さらに今大会は、ランキング2番手の平川亮(carenex TEAM IMPUL)がWECのテスト参加に伴い欠場となる。これらの点を考慮すると、野尻はライバルとのポイント差をさらに広げる1戦になりそうな予感だ。
しかし、ライバルたちも野尻の独走をこのまま許すはずがない。特にSUGOを得意としており、この1戦で巻き返しを狙っているのが山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)と関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)だ。
山本は2018年と2019年のSUGO大会を制しており、昨年も3位表彰台を獲得。思えばこの1戦から自身3度目のチャンピオンへの反撃を開始していった。今年はチームを移籍し、ここまで思うような成績が残せていないが、山本もSUGOでは毎回強さをみせているのは確か。それが今回も発揮されれば、野尻の前に立ちはだかる存在になってきそうだ。
一方の関口も2016年と2017年にSUGOを制した経験がある。特に2016年はセーフティカー導入の影響でピットストップのタイミングを逸してしまい、一時は優勝争いから脱落かと思われたが、セーフティカー先導が解除されると、ライバルを置き去りにするようなハイペースで周回し、自力でピットストップに必要なロスタイムを稼いで、優勝を果たした。あのレースは今でも多くのファンに語り継がれているほどインパクトのあるものだった。
今季も上位に食い込むパフォーマンスは見せているが、表彰台はまだない。山本と同じように、ここSUGOで勝利し、上位争いに本格復帰したいと考えていることだろう。
16年、17年と2年連続でSUGOを制した関口雄飛(中央)。17年はピエール・ガスリー(左)を0.243差で逃げ切って勝利を掴んだ。
野尻が、初のチャンピオン獲得に向けて、ポイント差をさらに広げるのか。それともライバルが快進撃を食い止めるのか。もしかすると、後半戦のチャンピオン争いの流れを左右する1戦になるかもしれない。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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