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モーター スポーツ コラム 2021年6月10日

【スーパーバイク世界選手権 第3戦 ミサノ:プレビュー】レイがリードを拡大!ライバルは差を埋められるか?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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スーパーバイク世界選手権

第3戦の舞台はイタリア・ミサノ

5月に開幕した「FIMスーパーバイク世界選手権」は2戦6レースを終了し、6月11日〜13日にイタリアのミサノ・サーキットで第3戦を迎えます。6月開催のレースはこの1戦のみですが、7月からは月2戦〜3戦の忙しいスケジュールが待っていますので、まずここまでの3戦が序盤戦と言える戦いです。

2戦を終えてシーズンのスタートダッシュを決めたのは今年もジョナサン・レイ(カワサキ)です。開幕戦・アラゴンで2勝、第2戦エストリルでも2勝、さらには6レース全てで表彰台を獲得という相変わらずの安定ぶりです。以前のようなレイが独走というパターンは少なく、非常にスリリングな戦いが最後まで展開される中で、レイは絶対に転ばないですし、とにかく最後まで優勝へのチャンスを伺いつつも、表彰台でフィニッシュしています。毎回、本当にすごい走りですね。

そんなレイに今季アグレッシブに仕掛けていっているのが、トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)です。エストリルでは3レースともに表彰台を獲得するファイティングスピリットあふれる走りを見せてくれました。ヤマハに移籍した昨年は開幕で優勝したものの、シーズン途中は表彰台からも遠ざかってしまうくらいに苦しいレースが続いていたラズガットリオーグルでしたが、昨年2勝するなど速さを示したエストリルでは期待通りのパフォーマンスを披露してくれました。

エストリルでの活躍でトプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)はランキング2位に浮上。レイとの差は35点と1レース分広がっているということで、次のミサノでは何としても優勝して、7月からのレースに備えたいところです。

実は昨年コロナ禍のスケジュール変更で消滅していたイタリアでのレース。ミサノでのレースも2年ぶりです。そんなミサノでトプラック・ラズガットリオーグル(ヤマハ)は2019年に2位表彰台を獲得。当時はカワサキのサテライトチームのライダーでしたが、ファクトリーライダーのレイ達と熱いバトルを展開し、存在感を示したレースでした。そういう意味でもミサノはやはりレイvsラズガットリオグルの構図になっていきそうです。

しかし、レイ以外で今季2勝を飾っているのはランキング3位のスコット・レディング(ドゥカティ)です。2019年当時は英国スーパーバイク選手権に参戦していたため、前回のミサノには参戦していませんが、ミサノはMotoGPでサンマリノGPの舞台。実はレディングは2015年のサンマリノGPで3位フィニッシュし、MotoGPクラスでの初表彰台を獲得しているのです。

そういう意味ではレディングにとっては相性の良いサーキットといえますし、ドゥカティにとっては地元イタリアでのレースということで、ここは勝ちにいかなくてはいけません。2019年はスーパーポールレースで当時のライダー、アルバロ・バウティスタが優勝を飾っています。

そしてドゥカティではワークスチームからは離れたチャズ・デイビス(ドゥカティ)が好調。第2戦のレース2ではなんとレディングの転倒も影響し、2位表彰台を獲得。ベテランとしての落ち着いたレースという意味でもデイビスが開幕戦から大きな存在感を示しています。デイビスは同じイタリアでもイモラサーキットを得意としており、ミサノは苦戦気味なコース。ここで開幕からの勢いを示せるなら、かなり今のチーム体制との相性が良いと言うことになるでしょう。

また、スーパーバイク世界選手権にステップアップして3戦目を迎える野左根航汰(ヤマハ)はここまで6レース中5レースでポイントを獲得。ぶっつけ本番のエストリルでは苦戦。「コースは単純だったが、タイムを出すのが難しかった。金曜日に転倒し、マシンをクラッシュさせてしまいました。痛み止めを飲んだりしながらレースに挑みました」とコメント。順位はアラゴンの開幕戦の方が良かったものの、本人は様々な収穫があったレースになった模様。ミサノはコースもよく知っているコースであり、テスト走行も経験済みとのことでポジティブな結果を期待できそうです。

グランプリが開催され、多くのライダーが走り込んでいるミサノ。そういった意味でも今季の勢力図がハッキリ分かり、流れが作られるレースになるでしょう。チャンピオン争いはレイが流れを掴むのか、ラズガットリオーグルやレディングが一矢報いてレイの勢いを止めにかかるのか、要注目のレースです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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