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モーター スポーツ コラム 2021年5月26日

【スーパースポーツ世界選手権 第2戦 エストリル:プレビュー】オデンダールがまずは2勝し、次のウイナーは?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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エガーターとの接戦を制して1位フィニッシュしたオデンダール

エガーターとの接戦を制して1位フィニッシュしたオデンダール

600ccのスポーツバイクで争う「FIMスーパースポーツ世界選手権」はスペインのモーターランド・アラゴンで開幕したばかりですが、2週連続のレース開催です。第2戦の舞台はポルトガルにある1周約4.2kmのコース、エストリル。かつてはF1やMotoGPを開催していたクラシックコースでの戦いです。今回は開幕戦を振り返りつつ第2戦をプレビューしましょう。

メインカテゴリーである「FIMスーパーバイク世界選手権」(排気量1000cc)に前年チャンピオンのアンドレア・ロカテッリとランキング2位のルーカス・マヒアスがステップアップしたため、新しいヒーロー誕生が期待されていた「FIMスーパースポーツ世界選手権」の開幕戦、アラゴン。早速、シリーズの流れを掴んだのは2連勝を飾ったスティーブン・オデンダール(ヤマハ)でした。

オデンダールは南アフリカ、ヨハネスブルグ出身の28歳。Moto2(当時600cc)のスペイン選手権でチャンピオンを獲得した後、2018年にロードレース世界選手権(グランプリ)のMoto2にフル参戦を果たしました。2019年の途中まで同レースに参戦していましたが、ポイント獲得は僅かに2回。グランプリでは結果を残せずでしたが、2020年に市販車ベースのスーパースポーツ世界選手権にチャンスを求めました。

最初のシーズンはヤマハYZF−R6を走らせる名門「テンケイト」からの参戦。表彰台にこそ届かなかったものの、多くのレースでシングルフィニッシュを果たす安定ぶりで、全15レース中入賞14回で、ルーキーながらシリーズランキング5位を獲得しました。

オデンダールの安定感抜群の走りは2019年にランディ・クルメナッハー、2020年にアンドレア・ロカテッリがそれぞれ圧勝でシーズンを制した最強チーム「Evan Bros WorldSSP Team」に認められ、今季チームを移籍。なんとその初陣で自身初のスーパースポーツ表彰台、初優勝を達成することになったのです。

とはいえ、その内容はレース1ではドミニク・エガーター(ヤマハ)のビッグバトルを最終コーナーで制しての優勝。レース2はラファエル・デローサ(カワサキ)との最終ラップバトルの末、これまた最終コーナーでの逆転優勝とオデンダールの勝ちっぷりは劇的なものでした。

逆に言うとブッチギリの優勝とはならず、レース2では最後尾からトップ争いに加わったジュール・クルーゼル(ヤマハ)、スーパースポーツ世界選手権のデビューレースでいきなり優勝争いをしたドミニク・エガーター(ヤマハ)など元グランプリライダーのベテランも速いですし、ヤマハ勢の最大のライバルとみられるフィリップ・エッテル(カワサキ)、レース2で優勝を争ったラファエル・デローサ(カワサキ)と群雄割拠なメンバーが揃ったシーズンと言えるでしょう。

第2戦の舞台はポルトガルのエストリル。昨年はロカテッリがポールポジションを獲得し、優勝と2位という結果になりました。表彰台の一角を占めたのはマヒアス、フィリップ・エッテル(カワサキ)、ラファエル・デローサ(カワサキ/当時MVアグスタ)、そしてハンス・スーマー(ヤマハ)でした。

ヤマハYZF−R6を走らせる「Kallio Racing」から参戦するエストニア人ライダーのハンス・スーマーは昨年終盤に3戦連続の表彰台を獲得する活躍を見せましたが、今季も調子が良さそう。レース2ではトップ争いの末に4位でフィニッシュを果たしました。23歳という若さながら、スーマーは2018年からスーパースポーツ世界選手権に参戦しており、すでに50戦以上のレースキャリアを持ちます。その才能が昨年終盤、突如開花した形で、今季は初優勝も期待できます。

アラゴンではスティーブン・オデンダール(ヤマハ)が2連勝し、チャンピオンシップをリードした形になってはいますが、ヤマハとカワサキの差も極端に大きくはなさそうですし、混戦模様になりそうな予感がする開幕戦でした。

日本人ライダーとして唯一参戦する川崎祥吾(カワサキ)は600ccバイクのデビューレースとなったアラゴンではレース1が18位、レースが20位とポイント獲得ならず。2週連続のレースで得られることはきっと多いでしょうから、エストリルでも集中して頑張って欲しいですね。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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