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モーター スポーツ コラム 2021年5月20日

【スーパーバイク世界選手権 開幕戦アラゴン:プレビュー】全日本王者、野左根航汰がいよいよデビュー!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ジョナサン・レイ

ジョナサン・レイ

「FIMスーパーバイク世界選手権」の2021年シーズンがようやく始まります。開幕戦の舞台はスペインのモーターランド・アラゴン。J SPORTSでは今シーズンもスーパーバイク世界選手権を全戦放送。5月21日〜23日に開催される開幕戦は決勝レース1、スーパーポールレース、決勝レース2を生中継でお届けします。

ジョナサン・レイ(カワサキ)の6連覇達成で幕を閉じた2020年シーズンから約半年。やっと開幕を迎える2021年シーズンですが、今季はまだコロナ禍が続いていて渡航制限も厳しいということでヨーロッパを中心に転戦した後、南米アルゼンチン、最終戦は東南アジアのインドネシアへと転戦するスケジュールが組まれています。

今年も決勝レース1、スーパーポールレース、決勝レース2の3レース制であることは変わりなく、予定では全13ラウンド39レースが開催予定。昨年の8ラウンド24レースに比べるとかなりレース数が増加しているのが特徴です。

さて、そんな過密スケジュールのシーズンでも連覇街道を突き進むのでしょうか、カワサキワークス「Kawasaki Racing Team WorldSBK」は今季もジョナサン・レイ(カワサキ)とアレックス・ロウズ(カワサキ)のラインナップに変更はありませんが、レイが11勝したのに対し、カワサキ移籍初年度のロウズは開幕ラウンドのオーストラリアで1勝したのみ。ロウズはロックダウン解除後にシーズンが再開してからは勢いがなくなり、表彰台にもほとんど上がれない苦しいシーズンを過ごしました。

昨年のロウズの苦戦により、バイクメーカーのマニュファクチャーラーズ選手権では、カワサキはあわやドゥカティに逆転されそうな危機的状況に。なんと僅か1ポイント差でカワサキが同選手権でもワールドタイトルを獲得することになったのです。ドゥカティ勢の躍進は凄まじく、カワサキが今年もチャンピオンの座を守りきれるのか、メーカー間の戦いにも注目ですね。

追いかける方のドゥカティはワークスチーム「Aruba.it Racing Ducati」のライダーラインナップを変更しました。ランキング2位を獲得したスコット・レディング(ドゥカティ)のチームメイトに、昨年サテライトチームのTeam GoElevenから出場して優勝したイタリア人、マイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)をワークスライダーに昇格させ、長年ドゥカティワークスのエース的存在だったチャズ・デイビスはTeam GoElevenに移籍しました。

新型パニガーレV4Rが導入されてから苦戦を強いられていたデイビスはシーズン後半には2勝をマークしたものの、25歳の若手リナルディにワークスシートを譲ることに。ドゥカティの未来を担う逸材として白羽の矢を立てられたリナルディのパフォーマンスは今季の注目どころの一つでしょう。

メーカー間の移籍としてはヤマハトップチームの「Pata Yamaha WorldSBK Team」を離脱し、BMWに移籍したのがマイケル・ファン・デル・マーク(BMW)です。BMWのワークスチーム「BMW Motorrad World SBK Team」はトム・サイクス(BMW)とファン・デル・マーク(BMW)という最強コンビで参戦することになりました。しかも今季から完全に新型のマシン、M1000RRを投入。各メーカーのスーパーバイクモデルがどんどんとパフォーマンスアップしていく中、BMWは2輪車としては初めてのMモデルをリリースしました。

ついにBMWがスーパーバイク世界選手権に本腰を入れてきたわけです。BMWは2009年に同社初のスーパーバイク、S1000RRをリリースし、スーパーバイク世界選手権にも参戦。2012年にはマルコ・メランドリがタイトルを争いましたが、ランキング3位どまりでチャンピオン獲得ならず。しかし、今季は分かりません。アラゴンの事前テストではトム・サイクスが4番手のタイムをマークしていますし、ドゥカティ・パニガーレV4R登場時もそうでしたが、ニューマシンのデビュー時は驚きのパフォーマンスを見せる可能性もありますから、侮れない存在と言えます。

一方でヤマハは「Pata Yamaha WorldSBK Team」に昨年、スーパースポーツ世界選手権(600cc)で圧勝したアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)がステップアップ。トプラック・ラズガットリオーグル(ヤマハ)との若手コンビとなりますが、ヤマハはテストから好調です。

そしてジュニアチームの「GRT Yamaha WorldSBK Junior Team」から昨年の全日本ロードレース選手権JSB1000クラスの王者、野左根航汰(ヤマハ)がデビューします。昨年は日本のトップに君臨する中須賀克行を凌駕するパフォーマンスを見せた野左根がスーパーバイク世界選手権でどれだけのパフォーマンスを見せるかは非常に興味深いトピックス。開幕戦からアグレッシブな走りを期待したいところです。

とはいえ、今季はジョナス・フォルガー(BMW)、ティト・ラバト(ドゥカティ)など元MotoGPライダー達が参戦。サテライトチームからの参戦ながらもテストではしっかり上位に入り込んでいるだけに、今年はある意味、ルーキーじゃないくらい経験値の高いルーキー達で群雄割拠状態。まずは勢力図が明らかになる開幕戦をじっくり楽しんでいきましょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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