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モーター スポーツ コラム 2021年3月25日

チャンピオンの移籍、注目ルーキーの加入……2021年も目が離せないSFドライバーラインナップ

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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全日本スーパーフォーミュラ選手権

日本最速のドライバーを決める戦いとして、年々注目を集めている全日本スーパーフォーミュラ選手権。2021年も開幕に向けてテストが始まっている。

新型コロナウイルスの影響で変則的なスケジュールとなった2020シーズン。例年より遅い12月に行われた最終戦では、山本尚貴と平川亮が同ポイントで迎え“日本一”の座をかけて、激しい直接対決が繰り広げられ、山本が3度目のSFドライバーズタイトルを勝ち取った。

あれから3ヶ月……各チームの体制も明らかとなり、新シーズンに向けて始動している。

ホンダ/M-TECエンジン勢:王者山本尚貴がナカジマレーシングに移籍!

4度目のタイトルを狙う山本は、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGからTCS NAKAJIMA RACINGヘ移籍を決断。2010年のデビューイヤー以来の“古巣復帰”となる。昨年の最終戦後に行われたルーキー・合同テストでも、早速同チームのマシンをドライブし、大きな話題となった。

3月に鈴鹿サーキットと富士スピードウェイで行われた公式テストでは、苦戦を強いられていたようだが、チームとともに問題解決に向けて全力で取り組んでいる様子。出遅れ気味の状況から、どう巻き返してくるのか……王者の真価が試される1年となりそうだ。

チームメイトは昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した大湯都史樹。公式テストでもトップタイムを記録するなど、その速さにライバルも警戒している。

初日総合1位を獲得した大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

一方、昨年までTCS NAKAJIMA RACINGに在籍していた牧野任祐はDOCOMO TEAM DANDELION RACINGに移籍し、福住仁嶺とともにフル参戦3年目を迎える。昨年の第6戦鈴鹿後に発症した髄膜炎の影響がまだ残っているのか、体調が万全ではないため、鈴鹿と富士のテストを欠席した牧野。まずは、1日も早く元気な姿で、サーキットに帰ってきてくれることを願うばかりだ。

注目のルーキー大津弘樹(Red Bull TEAM MUGEN Team Goh)

またTEAM MUGENの15号車は今年もレッドブルカラーとなり「Red Bull TEAM MUGEN Team Goh」として参戦。ドライバーには、昨年の最終戦でデビューを果たした大津弘樹が起用されることとなった。大津はこれまでに2017年、2019年にルーキーテストに参加するもレギュラーシートを獲得することができず。それでも、トップフォーミュラ参戦のチャンスを模索して、昨年も積極的に活動していた。開幕前のテストでも、時より上位に食い込む速さをみせ、今季注目のルーキーのひとりとなりそうだ。

16号車は引き続き野尻智紀がドライブ。今年はマシンのカラーリングを一新し、コロナ禍で頑張っている医療従事者への感謝のメッセージを車体に大きく描いたデザインとなり、テストから大きな注目を集めた。その野尻も、好タイムを連発しており、調子は悪くなさそう。昨年あと一歩のところで逃したチャンピオン獲得に向けて、新シーズンに臨む。

この他、唯一の女性ドライバーとして昨年注目を集めたタチアナ・カルデロンもThreeBond Drago CORSEから継続参戦が決定。彼女自身、レースキャリアの中で同じチームで2年目を迎えるのが初めてとのこと。さらなる活躍に期待がかかる。さらにB-Max Racing Teamからデビュー予定のイヴ・バルタスも注目だ。アメリカ出身のドライバーで、フォーミュラカーの初体験はなんと13歳。そこから、イギリスF4やヨーロピアンF3、フォーミュラ・ルノーを参戦し、若干18歳ながら、フォーミュラカーの経験は豊富。開幕前のテストには参加できなかったが、日本のトップフォーミュラをどう操るのか、デビュー戦から目が離せない。

トヨタ/TRDエンジン勢:宮田莉朋、阪口晴南が満を持してフル参戦】

トヨタ/TRDエンジン陣営は、チーム移籍など大きな変更はないが、注目の若手2人がフル参戦を果たす。

まずは、昨年のスーパーフォーミュラ・ライツでシリーズチャンピオンに輝いた宮田莉朋。昨年もコロナ禍の影響で途中欠場を余儀なくされた中嶋一貴の代役として、第2戦岡山と第4戦オートポリスにスポット参戦したが、予選ではいきなりポールポジション争いに加わるなど、関係者を驚かせるような素晴らしいパフォーマンスを見せた。その活躍も評価され、今年はKuo VANTELIN TEAM TOM’Sのレギュラーシートを獲得。開幕戦から昨年を上回る走りに期待だ。

昨シーズン、スーパーフォーミュラ・ライツでしのぎを削った宮田莉朋(中央)と阪口晴南(左)が満を持してスーパーフォーミュラへフル参戦する。

もう1人は、宮田とスーパーフォーミュラ・ライツでチャンピオンを争った阪口晴南。昨年いっぱいでスーパーフォーミュラを卒業した石浦宏明の後任として、レギュラーシートを獲得した。

阪口は2018年の第2戦オートポリスでTEAM MUGENからスポット参戦したが、決勝は悪天候で中止。昨年もル・マン24時間参戦の関係で欠場を余儀なくされた山下健太の代役としてKONDO RACINGから第2戦岡山に参戦したが、フォーメーションラップ中にクラッシュを喫してしまうど、スーパーフォーミュラのレースをしっかりと戦えていない。開幕前のテストでもコツコツと走り込んでいた印象で、フルシーズンで挑む初戦で、どのようなパフォーマンスをみせるのか、注目だ。

この他は基本的に昨年から変更はないのだが、TEAM IMPULはマシンのカラーリングを一新し、黒を基調としたデザインにゴールドのラインが入ったマシンとなった。ドライバーは関口雄飛と平川亮で変更はなし。昨年は山本との直接対決に敗れ、ランキング2位に終わった平川は、開幕前のテストでは毎回のように上位につけるタイムを記録し、順調な走りをみせている。昨年のリベンジを果たすことができるか……開幕戦から一気にスパートをかけていきたいところだ。

マシンカラーをチェンジ。装いも新たに王者獲得を目指す平川亮(TEAM IMPUL)。

こうしてラインナップが出揃ったのだが、若干の心配事もある。コロナ禍の入国規制等の関係で、来日が難しくなっているサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)は2回の公式テストをいずれも欠席し、中山雄一がテストでは代役を務めた。現段階で正式発表はないが、開幕戦までにフェネストラズが入国できる可能性は厳しい状況にあるようだ。

また、今年もWECに参戦する中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、小林可夢偉(KCMG)も、海外との行き来があるため、昨年のように全戦出られるかどうか、微妙なところのようだ。

コロナ禍ということで、例年よりも海外のドライバーが少ない状況にある2021年のドライバーズラインナップ。それでも、公式テストの様子を見ていると、例年をかなり上回るほど拮抗した戦いになりそう。昨年にも増して、1戦たりとも見逃すことができない、激しく、熱いシーズンが、もう間も無く開幕しようとしている。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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