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今年は開催110年の記念大会となるモンテカルロ
2020年最終戦モンツァではトヨタのエヴァンスが一瞬のコースオフで自らのドライバーチャンピオンを失い、メーカーチャンピオンも同時に失うという劇的な結果に終わりました。終わってみればシーズン全般を通じてオジェの巧妙な試合運びがヌーヴィルやタナクの様な速いドライバーを上手いドライバーが制したことになりました。
21年のカレンダーは新型コロナの影響をうけ再三にわたり変更されモンテだけがどうしてもやるとの強い意志を表明していますが、恒例のスウェーデンとGBが早くも中止を決めいわゆる老舗(しにせ)のラリーと新入りのラリーが乱立する異例のカレンダーとなります。新入りといっても古くからヨーロッパ選手権開催の経験のあるクラブですから多少スケールが小型になりSS距離が規定の300キロに満たない以外には開催経験に特段の問題がないと考えられます。12戦のうちレギュラーはモンテ、ポルトガル、イタリア、フィンランド、スペイン、チリで残りは格上げ組の新規と復活組です。コロナ騒ぎはまだ収束の兆しが不明ですから現在のカレンダーがそのまま維持される保証はありませんが1月13日現在では次のとおりです。(日付はラリー最終日)
Jan 24 Monte Carlo Feb 28 Arctic Rally Finland
Apr 25 Rally Croatia May 23 Rally Portugal
Jun 06 Rally Italy Jun 27 Safari Rally Kenya
Jul 18 Rally Estonia Aug 1 Finland
August Yres Rally Belgium Sep 12 Rally Chile
Oct 17 Rally Spain N0v 14 Rally Japan
今シーズンも最終戦に設定されたラリー・ジャパン。ファンは開催を待ち望んでいる。写真は2012年大会 セバスチャン・ローブ
22年からの車両技術規則変更のためチームには技術開発やテストのための負担を考慮し年前半にヨーロッパ内転戦を考慮してあります。
本年から実施の主な規則上の変更点は以下のとおりです。
1. ピレリをメーカーチームに対するタイヤのワンメイクサプライヤーとすること。
2. パワーステージのボーナスポイントをメーカーポイントにも加算する。またこれをWRC2、WRC3にも適用する。
3. WRC2部門は2台体制で7戦を戦うことを義務付けうち1戦はヨーロッパ以外とする。エントリーは5戦終了までに行うこと。ポイントは7戦中ベスト6戦が有効。
4. WRC3は選手権数7戦出場義務。ベスト5戦が有効。
5. ジュニアーは5戦出場義務付け。
6. 世界選手権としての価値を確保するためタイトルを授受するためには年間予定数の半分を開催しなければならない。これより少ない場合FIAは何らかの調整をする可能性がある。
今シーズンからピレリがワンメイクさんプライヤーとなる。開幕戦からタイヤウォーズとなることが予想される。
前置きが長くなりましたがモンテカルロの話をします。ご承知のとおりWRC最古参のグレートラリーで今年は110年記念、開催回数は89回目となります。コンセントレーション・ランと称するヨーロッパや北アフリカなどの都市を出発する方式はとっくに取りやめており今では普通のラリーになってしまいましたが、それでも冬のフランス・アルプスのターマック、スノー、アイス条件での競技はその環境や風景は大ラリーにふさわしいものです。
今年の出発点はガップ(Gap)始まりますが例年のモナコ・カジノ前のお披露目式はやりません。木曜日・金曜日はGap―Gap. 土曜日にはGapからSSをこなしながらモナコのパーク・フェルメに入ります。最終の日曜日はモナコの背中の山岳地帯で4本のSSをノンサービスで行い、これでフィニシュとなります。道路の状況変化が著しくタイア勝負になるでしょうが、ピレリの久方ぶりの登場でどうなることでしょう。ここ5年以上暖冬で殆どターマック戦でしたが今年は事前の情報では久しぶりの雪・アイス路面が期待出来ます。
昨年は暖冬の影響で全く雪が無かったモンテカルロ。今年は“らしい”風景が期待できる予報だ。
話はちょっとそれますが私のTTE時代に主としてテストドライバーとして働いてくれたベルギー人でレース・ラリー両面をこなすマーク・デュエ(Marc Duez)選手と最近交信したところ、彼は今年のモンテのゼロカーを運転するとのこと。昔の友人の活躍は嬉しいことです。
ラリー概要は次のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
Day 1 (1/21) | 2 | 41.36 km | 90.26 km | 131.62 km |
Day 2(1/22) | 6 | 126.94 km | 394.52 km | 521.48 km |
Day 3(1/23) | 3 | 57.10 km | 433.02 km | 490.12 km |
Day 4(1/24) | 4 | 54.48 km | 218.15 km | 272.63 km |
Total | 15 | 279.88 km | 1135.97 km | 1415.85 km |
エントリー:トヨタ はオジェ、エヴァンス、ロバンペラ、勝田
ヒュンダイはタナク、ヌーヴィル、ソルド
フォードはスニネン、グリーンスミス、フルモー
日本人初のWRCフル参戦ドライバーとなる勝田貴元。昨年の最終戦のような走りをシーズン通して見せて欲しい。
勝田選手は今シーズン全戦出場と伝えられています。確実に成長していると思いますので今年は飛躍の年になればと願っています。
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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