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トヨタのメーカーポイントタイトル獲得はなるのか。
世界的な新型コロナ大流行のため、本年のWRCシーズンは当初の14戦から、中止や延期のイベントが続出し、FIAは10月初旬に第7戦ベルギー、第8戦モンツァを加えたカレンダーを発表しました。ところがベルギーもその後中止を発表、その結果12月4日のモンツァが最終戦として残ることになりました。私にとって残念なのはベルギーの中止です。1960年代後半から10年間首都ブリュッセルに住み込んでいましたので久しぶりに何回も訪れたイープル(Ypres)ラリーが楽しめると思っていましたのに。ベルギーは数多くの一流ドライバーを輩出しています。デ・メビウス、スナイヤー。そして現在はヌーヴィルなど。異例の世界的混乱のため、今年注目のカレンダーの中でサファリの復活、久しぶりのジャパンなどが吹っ飛びました。今年の後半のラリーはピンチヒッターでERC(ヨーロッパ選手権)から選ばれましたのでSS距離が短く、WRC参加者としてはスプリント戦になりました。その結果車両故障やクラッシュ多発し、リーダーボードは意外な形になっています。最終戦直前のポイントはエヴァンス(トヨタ)111、オジェ(トヨタ)97、ヌーヴィル、(ヒュンダイ)87、タナク(ヒュンダイ)83、ロヴァンペラ(トヨタ)70となっており最終戦の結果で入れ替わる可能性のあるポジションに各ドライバーがいます。メーカーポイントではヒュンダイ208、トヨタ201、フォード117となっておりヒュンダイとトヨタはダブルタイトル狙いです。
ドライバーランキング3位のヌーヴィル(ヒュンダイ)。
さて、最後のピンチヒッターであるACI Rally MONZA2020はイタリー北部のモンツァサーキットを利用したユニークなラリーでSS距離240キロ程度のショートバージョンで開催されます。お祭り的イベントとして知られ、バイクの王者バレンティノ・ロッシ(7回優勝)やWRCレジェンドドライバーなどが好んで参加し、好成績を上げています。既存のWRCとかなりコース設定が異なりますが、初日と最終日はサーキット主体、2日目はサーキットを離れモンツァに近いロンバルディア地方の公道を使用します。ターマックなので発送順の有利・不利は少なく、ポイントリーダーのエヴァンスには救いかもしれません。
エントリーは最大級の95台。トヨタはエヴァンス、オジェ、ロヴァンペラ、勝田の4台。
ヒュンダイはヌーヴィル、タナクに加えこのところ作戦大当たりのソルドです。
ラリー概要は次のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1(12/3-4) | 6 | 68.99 km | 74.97 km | 74.97 km |
L-2(12/5) | 7 | 129.99 km | 254.33 km | 384.32 km |
L-3(12/6) | 3 | 40.37 km | 3.00 km | 43.37 km |
Total | 16 | 239.35 km | 263.31 km | 502.66 km |
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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