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モーター スポーツ コラム 2020年10月22日

メーカーの威信をかけたGTカー頂上決戦。トタル・スパ24時間は今年も見逃せない!

モータースポーツコラム by J SPORTS 編集部
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スパ24時間

深い深い森の中にこだまする、さまざまな音色のエキゾーストノート。そして世界屈指のGTカー使いたちが一昼夜に渡って繰り広げる至高のバトル。ベルギー王家から与えられる“クープ・ド・ロワ”のトロフィーをかけて争われるトタル・スパ24時間がいよいよ10月22〜25日にベルギーのスパ・フランコルシャンで開催される。

スパ・フランコルシャン

ドイツに近いスタブローに存在するスパ・フランコルシャンは、F1など多くのレースでも愛される世界屈指のドライバーコース。メインストレートから1コーナーのラ・スルスを曲がり、ゆるやかな下り坂から一気に強烈な登りS字のオー・ルージュを駆け上がると、長い長いケメルストレートへ。そこからレ・コーム、ブリュッセル、プーオンと駆け下りるとスタブローなどのコーナーを経て、高速のブランシモンへ。どのコーナーも特徴的で、周囲を包む森に反響したエキゾーストノートが心地良く響く。

そんなスパを舞台に1924年からスタートしたスパ24時間は非常に長い伝統をもつが、もともとはツーリングカーで争われていた。1991年にはアンデルス・オロフソン/デイビッド・ブラバム/服部尚貴組ニッサン・スカイラインGT-R(R32)がレースを制し日本車として初優勝を飾ったが、当時もやはりツーリングカーのレースであった。

2001年からは、現在もシリーズを運営するSROモータースポーツ・グループによりGTカーが主体のレースに改められ、2011年からは現在同様のGT3カーが主体のものに。高い人気を誇るブランパンGTシリーズ(現GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ)、さらに五大陸の耐久レースに冠をかけたインターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)の一戦としても数えられ、メーカーのバックアップを受けた強力なチームにより、毎年熾烈な争いが展開されている。特に力を入れているのは、隣国ドイツのメーカーで、ここ10年はチームは別として、すべてドイツ車が優勝している。

今季に向けては、タイトなスケジュールの中ながら、56台ものエントリーを集めることになった。車種も11種類で、非常に豊富。また、プロ、プロ-アマ、シルバーカップ、アマカップとドライバーの構成により複数のクラス分けがあるが、プロドライバー3人で構成されるプロクラスは半数近い28台がエントリー。これらの中からウイナーが生まれることになるだろう。

スパ24時間

戦いの主力とも言えるのは、やはり今季もドイツメーカーか。2019年のレースを制したポルシェは、GPXレーシング。KCMG、フライカデリ・レーシングなど強力なチームにワークスドライバーを送り込む。またWRT、アテンプト、サンテロック・レーシングなどを擁するアウディ、アッカASP、HRTなどを走らせるメルセデスAMGとこちらも強力。またワーケンホルスト、ローヴェを擁するBMWも優勝候補の一角だ。

K-Paxレーシング ベントレー・コンチネンタルGT3

これに対するは、ベントレー・コンチネンタルGT3を走らせるK-PaxやCMR、ランボルギーニ・ウラカンGT3のエミール・フレイ、FFFレーシングチーム、またフェラーリを走らせるAFコルセといったところも超強力。そして1台体制ながら見逃せないのが、ホンダNSX GT3を走らせるチーム・ホンダ・レーシングだ。このチームはIGTCを転戦しておりタイトなスケジュールだが、2019年も粘りの走りで上位入賞を果たしているだけに期待度が高い。日本車ではもう1台、テック1・レーシングからはレクサスRC F GT3がシルバーカップにエントリーする。

そして、新型コロナウイルスの影響でなかなか日本からは遠征することができず、昨年に比べやや人数は減ってしまったが、今年はふたりの日本人ドライバーがGT3最高峰に挑むことになった。フェラーリを走らせる台湾のハブオート・レーシングからは、小林可夢偉が参戦。可夢偉はもちろんスパの経験も豊富で、スパ24時間参戦経験もある。その際はやはり元F1ドライバーということで注目度も非常に高かった。

またオレンジ1・FFFレーシングチームからはランボルギーニ・ウラカンGT3で濱口弘が参戦する。SUPER GTでも活躍した経験をもつ濱口は、ジェントルマンドライバーらしからぬ強烈なスピードの持ち主で、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの経験もある。ランボルギーニはふだんからドライブしているマシンで、こちらも期待が大きい。

スパ24時間

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、例年7月開催だったものが10月に開催されることになった。当然ながら日照時間は短くなり、夜の走行が多くなる。加えて他の多くの24時間レース以上にこのレースに関わるのは、いわゆる“スパ・ウェザー”と呼ばれる不安定な天候だ。ただ、実際に現地でレースを観ると、悪天候だろうが路面が滑ろうがお構いなしの“本場”のドライバーたちによる非常にアグレッシブなバトルが楽しめるレースだ。スパの光景、そしてレイアウトが殊更にその魅力を演出する。

新型コロナウイルスの影響で最終的に無観客での開催となってしまった今季のスパ24時間だが、メーカーの威信をかけた戦いは、ファンがいない寂しさを吹き飛ばしてくれるはずだ(もともとニュルブルクリンク24時間等と比べてもファンはそれほど多くない)。そのレースの様子は、J SPORTSの映像を通じて楽しもう。

J SPORTS編集部

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