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モーター スポーツ コラム 2020年9月30日

SUPER GT第5戦プレビュー|今年のGT500は、まったく予測不能!

SUPER GT by 秦 直之
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SUPER GT第5戦プレビュー

前回のツインリングもてぎでは、ストップ&ゴーの繰り返されるレイアウトゆえに、ウエイトハンデに苦しんでいない車両が圧倒的に有利だと予想したが、それは予選までの話。ZENT CERUMO GR Supraの立川祐路/石浦宏明組がポールポジションを奪ったものの、決勝では46kgを積んで我慢のレースを強いられるかと思われた、KEIHIN NSX-GTの塚越広大/ベルトラン・バゲット組が2勝目を挙げることとなった。エンジニアの努力によって、重さを苦にせぬシャシーバランスが見つかったのが、絶好調の理由とも……。

第1戦以来のGR Supra祭りになるか?

現在ドライバーランキング2位の36号車 (au TOM’S GR Supra)。第4戦で逆転されたが、1位の17号車(KEIHIN NSX-GT)とのポイント差は僅か1。

さて、第5戦の舞台は三度の開催となる、富士スピードウェイである。今度は86kgとなり、実際には燃料リストリクターでの調整があるため、さすがにKEIHIN NSX-GTは苦戦を免れまい。特にストレートの長いコースで、エンジンパワーを規制されては! どれだけポイントを獲得できるか、お手並み拝見といったところである。

ここまで2戦、富士でのレースがあり、第2戦はそのKEIHIN NSX-GTが勝っているが、やはりまだ記憶の中にある、第1戦のGR Supra祭り。それからすると、やはりトヨタGR Supra勢が有利なのではないかというのが、大方の予想ではあるまいか。

その上で、軽さが武器になってきそうだ。GR Supra勢で富士といえば、ZENT CERUMO GR Supraである。前回は敗れたとはいえ、2位につけて一時の勢いを取り戻しているのは間違いない。鍵となるのは、56kgにまで達したウエイトだ。第2戦ではKeePer TOM’S GR Supraの平川亮/ニック・キャシディ組が42kg積んで4位ということもあり、優勝は難しくても表彰台は狙ってきそう。

第4戦では予選ポール、決勝では2位の38号車(ZENT CERUMO GR Supra)。得意の富士で勢いそのままに初勝利なるか!?

一方、KeePer TOM’S GR Supraにせよ、au TOM’S GR Supraの関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組も、燃料リストリクターでパワーが絞られているため、やはり苦戦は必至。この2台もまた、我慢のレースを強いられるだろうが、前回のチームメイト同士の接触、あれがどうにも気になるところ。変に「負」のオーラを背負っていなければいいのだが。

前回に続いて「推し」としたいのが、WedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資/宮田莉朋組だ。序盤に不運なアクシデントがあってリタイアを喫したものの、予選までの様子ではトンネルから脱出したのは間違いない。ハンデは6kgでしかないのだから、ここは絶対に勝負に討って出るはずだ。

次いで可能性があるのが、DENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネン/中山雄一組で、ハンデ38kgはぎりぎり勝負圏と予想される。コンスタントにポイントは獲得しているだけに、昨年の第6戦・オートポリス以来の勝利が望まれるところだ。

Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが前回に続いて大暴れ!?

16号車(RedBull MOTUL MUGEN NSX-GT)は第4戦で3位と念願の表彰台を獲得。ホンダNSX-GTとヨコハマタイヤのパッケージでの表彰台は4年目にして初めてだった。

第3戦・鈴鹿を制した時に、今年はテクニカルコース重視のエアロだと明言されたこともあり、ニッサンGT-R勢にとって今回も厳しい戦いを強いられそう。逆にいえば、MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生/ロニー・クインタレッリ組は、前回のレースで8位に留まったのが、シリーズを通して言うと大いに痛い。もう少し高得点を狙っていたはずだ。

ホンダNSX-GT勢で、前回に引き続き活躍が期待できそうなのが、Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの武藤英紀/笹原右京組。TEAM MUGENがGT500に復帰して4年、ようやく表彰台に立ってムードは上々、ウエイトハンデ24kgはまだまだ勝負できる重さである。

未だ無得点と苦しい展開が続く12号車(カルソニックIMPUL GT-R)の佐々木と平峯。だが第4戦で平峯が見せた怒濤の追い上げは、次戦に期待がもてる走りだった。

ならば軽さでいえば、ARTA NSX-GTの野尻智紀/福住仁嶺組はどうなのだ、という話で8kg。しかし、速さはあるにも関わらず、決勝ではどうにも歯車の噛み合わぬ展開が続いている。同じようなことが、GT-R勢ではあるが、カルソニックIMPUL GT-Rの佐々木大樹/平峰一貴組にも当てはまる。こちらは未だ無得点。いずれにせよ、シリーズはようやく折り返しを迎えたこともあり、まだ巻き返しのチャンスはある。一度波に乗れば、それだけの力はあるチームではあるだけに!

前回のもてぎでは、GT300でLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟が予選13番手から優勝を飾り、抜けないコースと言われていた定説を覆したが、このチームとコースの相性は抜群で、昨年も最終ラップのガス欠がなければ、もてぎで3年連続勝利、今年と合わせて4年連続となるはずだった。最大の勝因となったのは、タイヤ無交換作戦をきっちり決めたこと。

同じような作戦に討って出たチームもあったが、成功しなかったのはタイヤの硬さに違いがあり、LEON PYRAMID AMGはよりハードなタイヤを履いていたという。これにより、ランキングトップを行く、GAINER TANAX GT-Rの平中克幸/安田裕信組に1ポイント差にまで肉薄することに。

ただし、この2チームに加え、SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人/山内英輝組は、もはやウエイト100kgとなっており、しばらくは我慢のレースを強いられそうだ。とはいえ、SUBARU BRZ R&D SPORTはここまでの3戦、異なるサーキットであっても上位入賞を果たしており、今までのようなコーナーでは速いけれど……という印象ではなく、オールマイティに速くなってきた。これが重さを苦にしないほどバランスに優れる、ということであれば、まだまだ大暴れの可能性もある。

第4戦ではウォームアップ走行中のエンジントラブルからグリッドスタートとなった61号車 (SUBARU BRZ R&D SPORT)だが、波乱の展開を乗り越え3位を獲得した。

歯車がしっかり噛み合えば、前回に続いて推したいのがTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの嵯峨宏紀/中山友貴だ。すでに速さは第3戦・鈴鹿のポールポジション獲得で実証済だが、どうにも決勝の展開に恵まれず。そこが、歯車が……とした理由ではある。また、GT-Rと富士の相性も良さそうとあって、TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-Rの星野一樹/石川京侍組が、まだ39kgということもあり、注目の存在だ。

そして、そろそろ来なければ、もう後がないのがグッドスマイル初音ミクAMGの谷口信輝/片岡龍也組。3年周期でのチャンピオン獲得を、声を大に語っていたが、未だ表彰台にさえ立てぬ展開となっている。残りはたかが4戦、されど4戦だけに、いったん勢いづけば巻き返しも不可能ではなかろう。

4号車(グッドスマイル初音ミクAMG)の復活をファンは待ち望んでいる。

さて、この第5戦から、いよいよ観客を入れての開催となる。きっとファンの熱い声援が、ドライバーたちを奮い立たせるだろう。とはいえ、5,000人程度ということで、見たい人すべてが見られるわけでもなく……。引き続きJ SPORTSでの放映にも注目していただきたい。

文:秦 直之

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

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