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モーター スポーツ コラム 2020年9月29日

【スーパーバイク世界選手権 第7戦:プレビュー】レイが6連覇に向けて王手をかけるか?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ジョナサン・レイ(カワサキ)

ジョナサン・レイ(カワサキ)

残り2ラウンドとなった「FIMスーパーバイク世界選手権」は第7戦をフランスのマニクールサーキットで開催します。コロナ禍で大きくスケジュールが変わった2020年ですが、今回は当初からスケジュールに入っていたサーキットでのレースになります。「J SPORTS」では10月3日〜4日に開催となる第7戦の模様をオンエアします。

初開催となったカタロニアサーキットでの第6戦は非常に見応えのある面白いレースになりました。カタロニアは走り慣れているグランプリ出身のライダーとプロダクションバイクレース出身のライダーが入り乱れる「スーパーバイク世界選手権」ですが、今回は初開催サーキットならではの伏兵登場のレースでした。

ウイナーもジョナサン・レイ(カワサキ)、マイケル・ファンデルマーク(ヤマハ)、そしてチャズ・デイビス(ドゥカティ)とまたもや3レース共に異なるウイナーとなりましたが、元グランプリライダーでカタロニアは走り慣れているはずのスコット・レディング(ドゥカティ)は優勝を飾れずじまい。

これでランキング首位のジョナサン・レイ(カワサキ)と2位のスコット・レディング(ドゥカティ)のポイント差は36点からさらに広がり、51点差となりました。1ラウンドで得られる最大得点は62点ですから、レイはレディングとの差をあと12点広げれば、最終戦・エストリルを待たずにチャンピオンが決定することになります。

負けられない戦いとなるスコット・レディング(ドゥカティ)ですが、2年前までグランプリライダーだった彼はおそらくマニクールでのレース経験はないと思います。フランスGPではMoto2時代に優勝経験がありますが、サーキットはル・マン。崖っぷちの状態で、スーパーバイク世界選手権のレギュラーサーキットでのレースというのは心理的にも楽ではありませんね。

フランスでチャンピオンが決定する可能性は非常に高くなってきていますが、レースはカタロニア同様に面白くなると思います。ここ数年、スコット・レディング(ドゥカティ)やアルバロ・バウティスタ(ホンダ)など元MotoGPライダーを例外にすれば、上位争いをするライダーがほぼ同じ面々で固まっていたスーパーバイク世界選手権。近年で伏兵といえば、トプラック・ラズガットリオーグル(ヤマハ)が無名の状態から躍進したくらいで、なかなか変化を起こしづらいレースでもありました。

しかし、今季は第5戦・アラゴンでマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)が初優勝。そして第6戦・アラゴンではルーキーのアメリカ人、ギャレット・ゲルロフ(ヤマハ)がレース2で初の3位表彰台を獲得するなど、若手の活躍が目立っています。

特にギャレット・ゲルロフ(ヤマハ)の表彰台は驚きましたね。今季、ヤマハのジュニアチーム「GRT Yamaha World SBK Junior Team」からスーパーバイク世界選手権にデビューしたゲルロフですが、彼は最近では珍しいアメリカのレースからの転向です。かつてのAMAスーパーバイク(現モト・アメリカ・スーパーバイク)で昨年ランキング3位を獲得し、その才能を認められて世界選手権にやってきました。

とはいえ、近年はアメリカ人ライダー自体の参戦が少ないですし、AMAからスーパーバイク世界選手権に来てチャンピオンになったのはコーリン・エドワーズ(2000年、2002年王者)、ベン・スピーズ(2009年王者)を思い出す人もいると思います。アメリカから世界選手権に来て、大暴れしてグランプリ(MotoGP)へというアメリカ人ライダーのサクセスストーリーはここ最近はあまり例がありません。

ただ、ギャレット・ゲルロフ(ヤマハ)の今回の3位表彰台獲得はかつてスーパーバイク世界選手権のスタンダードだったストーリーをまた再現してくれそうな素晴らしい快挙でした。アメリカ人ライダーの表彰台は2016年のニッキー・ヘイデン以来4年ぶり。ゲルロフ自身、ヘイデンとトレーニングをした経験があるそうで、初表彰台は2017年に交通事故で命を落としたヘイデンのことを思い出すエモーショナルなものになりました。

やっぱりこういうイキの良いライダーが出てくるのはファンとしては嬉しいもの。今回のマニクールでも要注目のライダーと言えるでしょう。

そのマニクールでは昨年、トプラック・ラズガットリオーグル(ヤマハ)が2勝を飾っているのですが、ラズガットリオーグルは第6戦・アラゴンのウォームアップで転倒。そのあとのレースは欠場しましたが、マニクールには出場の見込み。ヤマハ移籍後いきなり優勝した開幕戦以来の優勝にも期待しましょう。

ただ、マニクールはジョナサン・レイ(カワサキ)も強いサーキット。2017年から2019年は3年連続でレイがここマニクールでワールドチャンピオンを決めています。またもレイに風が吹くことになるのでしょうか?

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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