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モーター スポーツ コラム 2020年8月11日

【フォーミュラE第10戦&11戦・ベルリン:プレビュー】日産は今季まだ未勝利、メーカー苦戦の波乱のシーズン

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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アントニオ・フェリックス・ダコスタ

アントニオ・フェリックス・ダコスタ

電気自動車レースの「FIAフォーミュラE選手権」のシーズン6(2019年〜2020年)がいよいよシーズンエンドを迎えます。新型コロナウィルス感染拡大でストップしていた第6戦以降のレースは8月のベルリン開催で集約されることになり、6戦分のレースを同じコースでやってしまおうという超ウルトラCのスケジュールになっています。

J SPORTSでは8月12日(水)13日(木)に行われるシーズンエンド戦、第10戦、第11戦の模様を生放送でお届けします。

8月5日、6日、8日、9日とドイツ・ベルリンで連続開催されてきた第6戦以降のレース。ベルリンの会場はかつての国際空港、テンペルホーフ空港の跡地で、いわゆる街のど真ん中を走る市街地コースではないことで、6レース連続開催が実現しました。

残すところ2レースとなりましたが、8月9日に開催された第9戦でアントニオ・フェリックス・ダコスタ(DSテチータ)がチャンピオンを確定させました。そしてチームチャンピオンもダコスタが乗る「DSテチータ」に決定しています。

え?そんなに早くチャンピオンが決まっちゃうほどDSテチータの独走劇だったっけ?と再開した第6戦以降を見逃してしまった方は首を傾げてしまうかもしれませんが、DSテチータが早くもチャンピオンを決めた理由はいくつかあります。

まず、今季の序盤5戦が昨年同様に毎回ウイナーが変わる大混戦のレースだったことです。開幕戦・ディルイーヤはサム・バード(ヴァージン)、第2戦・ディルイーヤはアレクサンダー・シムス(BMW)、第3戦・サンティアゴはマキシミリアン・ギュンター(BMW)、第4戦・メキシコシティがミッチ・エバンス(ジャガー)、そして第5戦・マラケシュがアントニオ・フェリックス・ダコスタ(DSテチータ)がそれぞれ優勝し、シーズンが中断しました。

このラインアップを見てわかる通り、今季の序盤はジャン・エリック・ベルニュ(DSテチータ)、ルーカス・ディグラッシ(アウディ)、セバスチャン・ブエミ(日産)らチャンピオン経験者が一度も優勝飾ることができなかったのです。ポルシェ、メルセデスの本格参戦で勢力図が変わったシーズンでしたが、序盤はかなり意外な展開だったのです。

勝者、獲得ポイントがバラけることでシーズンは大混戦になりました。こうなるとシーズン途中から勢い付いたドライバーが大量にポイントを獲得し、一気に王手をかけるというパターンですね。

全6レース開催され、2レース毎にレイアウトを変えている今回のベルリン戦では、とにかくそのコースに合わせた最適なセットを見つけ出したチームとドライバーが有利になります。そこで最初の2レース、第6戦、第7戦を勝利したアントニオ・フェリックス・ダコスタ(DSテチータ)はここでチャンピオンに一気に近づきました。

ダコスタは第5戦・マラケシュでも勝っていますし、第3戦・サンティアゴ、第4戦・マラケシュでも2位表彰台。波乱の展開が多く、コンスタントにポイントを取るのが難しい「フォーミュラE」で着実に上位フィニッシュを続けてきました。

アントニオ・フェリックス・ダコスタ(DSテチータ)は初年度から参戦しているドライバーですから、6年目にして悲願の王者獲得。そして、これまで元F1ドライバーたちがチャンピオンを獲得してきた「フォーミュラE」で初のF1未経験ドライバーのよるチャンピオン獲得となりました。

さて、チャンピオンは決まってしまい、ドイツ・ベルリンからはコースレイアウトが変われど、「DSテチータ」の勢いが止まりませんが、残りはあと2戦。結果を求められるのはやはり巨大自動車メーカーです。

「DSテチータ」もいわばプジョー・シトロエン系の巨大メーカーチームの一つと言えますが、今季はポルシェ、メルセデスが参戦するなど自動車メーカーの台頭が目立っています。そんな中でBMWは今季3勝を飾る好調なシーズンを送っていますが、ポルシェ、メルセデス、アウディ、日産は未だ勝利なし。

「フォーミュラE」は次世代モビリティのレースということで、将来的な展望は明るいレースと言えますが、自動車メーカーにとってはいくらコロナ禍で想定外のシーズンになっているとはいえ、未勝利は避けたいところです。

そんな中、日本期待の「日産」ですが、第10戦開始を前にランキング2位につけています。これは好調と言えるのでしょうか。いや、今季はセバスチャン・ブエミが2回表彰台に上がっただけで、オリバー・ロウランドと共にコンスタントにポイントを取り続けてきたことが要因です。

今後に向けて着実にフィニッシュし、データを取ることは重要ですが、今季はポールポジションもありませんし、最後に欲しいのはやはり優勝というインパクトが大きいニュースでしょう。去年も日産は最終戦で優勝していますしね。ぜひ応援しましょう。

来季、シーズン7は2021年1月末のチリ・サンチアゴで開幕することがアナウンスされていますが、新型コロナウィルスの現状を考えるとまだまだ先行きは不透明。来季のドライバーラインナップについても決まっているチームはごく僅かということですから、ドライバー心理的にもここは結果に繋げたい最終ラウンドです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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