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GR Supra祭りは、絶賛継続中か?
まだ記憶にも新しい、SUPER GT開幕戦での「GR Supra祭り」。GT500ではKeePer TOM’S GR SUPRAの平川亮/ニック・キャシディ組を筆頭に5位までを独占し、GT300においても埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹/川合孝汰組が優勝を飾っているからだ。あれからわずか3週間、しかも同じ富士スピードウェイが舞台とあって、ことGT500に関しては「絶賛継続中」となるのではないだろうか。
TOM’SのGR Supraに死角はない?
500クラス、デビュー戦とは思えない、堂々且つアグレッシブな走りをサッシャ・フェネストラズは周囲にみせた
もちろんライバルも対策はしてこよう。セッティングの見直しやタイヤの選定など、考え得る範囲すべてでやってくるのは間違いない。だが、それだけで済むのか果たして……。根幹の部分でNSXやGT-Rを圧しているとなれば、ことは極めて重大だ。まして今年は変則スケジュールが採られているため、富士でのレースは4戦もある。仮にGR Supraが富士スペシャルだったとしても、得られるマージンは想像に難くない。
強いて言うならば、ウエイトハンデが及ぼす影響だが、この先は別として第2戦での影響は、そう大きくないのではないか。特にそのことはKeePer TOM’S GR Supraに限らず、au TOM’S GR Supraの関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組、すなわちTOM’Sの2台に当てはまりそうだ。タイヤ選択の違いで戦略も異なり、1位と2位という結果が分かれたものの、クルマのツボを、さらにタイヤも含めて、どのチームよりも心得ているのは間違いない。42kgや30kgのウエイトなど、ものともしないのではないか?
逆にGR Supra勢の中で、軽さが効くとするならば、開幕戦5位のDENSO KOBELCO SARD Supraを、もうひとつのポイントも含めて注目したい。今回もヘイキ・コバライネンが出場できないため、中山雄一のパートナーに阪口晴南が起用されたからだ。昨年はGT300で2勝を挙げて、ランキングは2位。今年も引き続き新田守男とK-tunes RC F GT3を走らせていたが、「若手にチャンスを」ということで、K-tunes Racingが快く送り出すこととなったのだ。第3戦以降どうなるか分からないが、ここでパフォーマンスを示せば、今後につながる可能性は極めて高いだろう。
中山雄一はK-tunes Racingから500クラスへのステップアップを果たした。このチャンスを阪口晴南は活かすことができるのか!?
そんなGR Supra勢の対抗馬を探すとなれば、Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの武藤英紀/笹原右京組ではなかろうか。前回は二度のタイヤトラブルに見舞われたこともあり、12位に終わってはいるが、ゆえにノーハンデで挑めるというのが理由のひとつ。さらにルーキーでありながら、予想以上のパフォーマンスを笹原が見せていたのが、もうひとつの理由である。
Redbullのスポンサードで注目を集めた16号車。500クラスデビュー戦の笹原右京は期待以上の走りをみせた。
一方、GT-R勢はどうか? 前回は1台しかQ1を突破できず、それでも決勝では強さを見せてくるのかと思われたものの、実際のところ不発のままで終わっている。思った以上に不調の根は深そうだが、それでも「小さいコーナーが曲がらない」といった原因は明らかになっている以上、黙って手をこまねいているはずがない。前回のGT-R勢最上位だった、CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手晃平/千代勝正組が、さらなる詰めを果たしていることに期待したい。
GT300はLEON PYRAMID AMGの逆襲に期待
予選では11号車(GAINER TANAX GT-R)を僅差で上回りPPを獲得した65号車。マシンの仕上がりが良かっただけに、決勝でのピットトラブルが悔やまれた。
GT300は今年からウエイトハンデのシステムが改められ、獲得したポイントの3倍ものウエイトを積まなくてはならなくなった。優勝すれば、一気に60kg増である。衝撃のデビューウィンを飾った、埼玉トヨペットGB GR Supra GTには引き続きの活躍を期待したいものだが、流石に確実にポイントを奪うレースに徹するはずだ。
というわけで、前回の上位陣は我慢のレースを強いられることとなろうが、だからこそ本命としてLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟組を挙げたい。ポールポジションを奪って、決勝でも勝ちムードで来ていたのに、タイヤ交換に手間取ったことで6位に甘んじたからだ。逆に言えば、ただそれだけ。18kgのウエイトハンデなど跳ね除けられるほどのパフォーマンスは、まだまだありと予想される。
一方、タイヤ選択が裏目に出て、予選では下位に沈みながらも、決勝でしっかり追い上げてきた、ARTA NSX GT3の高木真一/大湯都史樹組、Modulo KENWOOD NSX GT3の道上龍/ジェイク・パーソンズ組、そしてグッドスマイル初音ミクAMGの谷口信輝/片岡龍也組には、やはりと言うべき底力を感じられた。それぞれ7位、8位、9位だったこともあり、苦しむレベルのウエイトではないだけに、この3台も逆襲に期待がかかるところだ。
55号車(ARTA NSX GT3)は、リスタート時の手順違反でピットスルーペナルティとなり一度は最下位にはなったが、怒涛の追い上げをみせ。最終的には7位。第2戦ではルーキー大湯都史樹に期待したい。
ダークホースは、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの嵯峨宏紀/中山友貴組。昨年は苦戦を強いられ、ポイントを獲得できずに終わったものの、長いオフが幸いして徹底的な見直しがはかられた結果、パフォーマンスの向上は明らか。前回は駆動系トラブルに見舞われ、完走を果たすに留まったものの、今回を「本当の開幕戦」としようと意気込んでいるはずだ。
ところで、レースウィークを間近に控え、急きょ特別規則が追加された。それはGT500、GT300ともにドライバー交代と併せ、タイヤは4本とも交換しなくてはならなくなったという。これにより無交換や2本交換といった作戦が採れなくなったのである。さらにJAF-GT300車両は燃料補給装置の流量緩和も行われ、これらの変更がレース展開にどう影響を及ぼすか、気になるところだ。
なお、前回は土曜日に公式練習のみ行われ、日曜日に予選と決勝を行う、実質1デイレースとなっていたが、今回は通常どおり予選は土曜日に行われる。引き続き無観客試合であるのが残念ながら、是非ともJ SPORTSでの観戦をお楽しみいただきたい。
文:秦 直之
秦 直之
大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。
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