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モーター スポーツ コラム 2020年7月18日

【実況!台所のアスリート】SUPER GTドライバー  井口 卓人(R&D SPORT / SUBARU BRZ R&D SPORT)編

モータースポーツコラム by J SPORTS 編集部
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J SPORTSでおなじみのアスリートたちが、自慢のレシピを紹介する新番組「実況!台所のアスリート」。料理のテーマはアスリートにお任せ。普段の試合では見ることができない、台所で戦うアスリートたちを実況します。

今回のアスリートは、SUPER GTドライバーの井口 卓人選手。番組では聞けなかったステイホーム中の過ごし方や、まもなく開幕する今シーズンのSUPER GTへの思いを語ってくれました。

――自己紹介をお願いします。
「今年もSUBARU BRZをドライブします、ドライバーの井口 卓人です」

――SUPER GT開幕に向けて、どのような日々を過ごしていますか?
「自粛期間中はレーシングカーをドライブすることもなく、家で過ごすことが多かったですが、緊急事態宣言も解除されて、テストの機会も少し増えたり、ジムでのトレーニングもはじまっています。ただ、まだ本格的に仕事がはじまっているわけでもないので、どちらかと言うとまだ少し落ち着いた状態で、家族といる時間が増えたなという感じです。

ーー自粛期間中はやはり家族との時間は増えましたか?
「びっくりするくらい増えていますね(笑)。こんなに家にいたことがないです」

ーー奥さんの反応はいかがですか?
「コロナでの自粛期間中にずっと一緒にいると夫婦関係が悪くなるみたいなニュースも見ましたが、うちの場合は僕が家にいない方だったので、家にいることで子どもの面倒もぼくが見れたり、妻にとっては楽になる部分もあったみたいで、どちらかと言うと良い方向に行きました」

ーーお子さんはまだ小さいですよね?
「2歳6ヶ月くらいですね。結構お喋りで、コミュニケーションも取れるようになってきました。はっきりとは何を言っているのかは分かりませんが、ある程度は理解できるようになってきて、ちょっと楽しくなってきましたね」

ーーちなみに、お子さんにはなんと呼ばれていますか?
「パパと呼ばれています(笑) 大きくなったらお父さん、お母さんになりそうな気がしますけどね」



■一緒に苦しい思いも楽しい思いもした思い出の味

ーー今回はどんな料理を作ってくれましたか?
「今回は、パスタの『ジェノベーゼ』を作りました。このジェノベーゼは、地元九州を離れてはじめて一人暮らしをする状況で、よく作っていたパスタです。一緒に苦しい思いも楽しい思いもしてきた感じです。結婚して全然料理を作らなくなったので、これを機会にあのときの味を思い出してみようかなと思って作ってみました」

ーー自分で考案したレシピですか?
「御殿場によく行くイタリアンのお店があって、そこのジェノベーゼがお気に入りで、あの味をなんとか家で作れないかなと思って、御殿場に住んでいるころにそこのオーナーさんに話して、バジルを頂いて育てたりしました。自分でバジルを育てて、それを使って料理すると面白いなと思ってやっていました。(レシピ自体は)軽く教えてもらいましたが、そんなに特別なことはしていないということで、詳しくは教えてもらっていないですね」

ーーその料理に関するエピソードはありますか?
「今でこそやっとレース界に順応してきた感じですが、当時は一人暮らしをはじめて、まだステップアップしていく過程でした。なので、結果が出ない苦しさも感じていました。育成ドライバーだったので、なかなか思うように結果が出ないと自分でプレッシャーを感じて、悩むことも多かったですが、そのときに塩味の濃いジェノベーゼを食べると『また次も頑張ろう』と思えていました。気を晴らす意味でも、ちょっと料理をしたりしていたのはありますね」

ーー今回の料理のポイントはありますか?
「とにかく塩多めですね(笑)。お湯に塩を多めに入れて、しっかりパスタに味をつけることだと思います。本番では急いでいてできませんでしたが、パスタとソースを絡めるときに、結構大量のオリーブオイルを入れるとより美味しくなると聞きました。撮影のときは完全にそれを忘れていて、ちょっとオリーブオイルの量が少なかっので、そこだけちょっと後悔しています」

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ーー本番ではバジルソースの量がやや少ないようにも見えましたが?
「少なくなってましたね(笑)。完全に少なかったです。あれが一人分くらいの量で、実際は家族の分まで作ってしまったので、パスタがちょっと多すぎて、バジルソースが少なかったですね」

ーー家族の方とも一緒に食べたのですか?
「一緒に食べました。(家族に)ジェノベーゼを作ったのは初めてで、パスタはよくクリスマスのときとかに作ってはいました。毎日料理を作っている妻からしたら、一食分作ってもらえたのが嬉しかったみたいですね。味も美味しいと言ってもらえましたし、妻にとっても良かったのかなと思います。子どもは一切食べなかったですけど(笑)。子どもはラーメンとおにぎりしか食べないので、ジェノベーゼの緑の感じは警戒していましたね。上の生ハムは食べてましたけど(笑)」

ーー普段の食事は奥さんにお任せしているのですか?
「そうですね。ほとんど自分では作らないですね。記念日とか妻が疲れているときとかは作りますけど、基本的には全部丸投げです」

ーー少し話が変わりますが、レーシングドライバーの一日の過ごし方を教えてください。
「家にいるときは子どもがいるので、子どもと一緒に午前中と夕方に公園にいきます。ただ、一日動かないという日は無いので、コロナの自粛期間中にバイクのマシンを買って、外にいけないときは家で自転車を2時間漕いだり、マスクをしたり人がいない状況を見つけて外でランニングをしたりしています。休みの日でもちょっと身体を動かしておかないと心配です。

今日はトレーニングをするぞとスイッチを入れたときは、ちゃんとジムにいったりして2時間くらいみっちりトレーニングするような生活を繰り返しています」

ーー開幕が遅れて逆にトレーニングする時間は増えましたか?
「身体を動かす時間も増えましたし、出張も激減しました。レースのときは激しく食べたり飲んだりはしませんが、どうしてもイベントで出張したりすると、その土地の食事を食べたり有名なお酒を飲んだりすることもあるので、それが一気に無くなったことで、体重管理はものすごくやりやすいですね。かなり安定した状態で開幕戦を迎えられそうです」



■一人でも多くの方に笑顔を届けられる熱い走りをお見せしたい

ーー今年のSUPER GTは富士スピードウェイで4レース行われるなど、イレギュラーな形となりましたが?
「残念ながらぼくたちBRZが得意としているオートポリスとSUGOが無いということが、ぼくたちにとっては痛いですが、その分、鈴鹿も2回ありますし、富士が圧倒的に多いので、富士でちゃんと戦える状況を作るために、公式テストではいろいろなトライをしました。

どうしても、GT3の車に比べるとストレートスピードが劣っている部分があるので、混戦になると厳しくなります。作戦は無くて、とにかくポールを狙いにいって、前半から圧倒的に逃げるスピードで走り続けることしかないのかなと思っています。あとは運で後ろとの距離をうまく保てるようになれば、後半のスティントに向けて面白いレースができると思います。集団のレースだとコーナーで詰まってストレートに来る度に後ろの速い車に抜かれるパターンが多いので、それだけはしないようにしたいですね」

ーーそれほどストレートのスピードに差があるのですね。
「富士のテストでは最大10km/hくらい違ったところがありました。それだけ違うとブロックしても一瞬で抜かれちゃう状況なので、それくらい大きな差がある車両が近くにいると結構苦しいです。なので、できればポールからスタートして、淡々と自分たちのペースで常に走れていれば、ものすごく期待のできるレースになると思います。そのために、タイヤ選択も近年では攻めてる方だと思いますし、良い感触が得られています。

タイヤに関しては新しく出たタイヤがBRZにはまっている感じがあって、そのタイヤで富士のテストでもロングランを見せることができたので、富士に関してはあまり心配はないかなと思います。このあいだも鈴鹿にメーカーテストで行きましたが、どうしても雨で思うようなテストができなかったので、その辺りは分かりませんが、周りも同じような状況ですし、とにかく富士に期待する思いは持っています」

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ーー今シーズンからフルコースイエローが設けられますが、どういった印象を持っていますか?
「フルコースイエローのルールそのものは良いと思いますが、みんなが同じ感覚でそれを行えないと差が生まれると思います。フルコースコーションが出る10秒前からカウントダウンが始まりますが、どの時点で80km/hまで落とすかの感覚がドライバーによって違います。ギリギリまで全開で来て、フルブレーキで80km/hにする人もいれば、10秒前のカウントダウンが始まってから徐々にスローダウンしていく人もいます。安全マージンをどれだけもつかによって、ギリギリまで行く人と早めにペースを落とした人の差は大きくなると思います。

たぶん本番になればみんな抜かれたくないし、前に近づきたいので、ギリギリまで行くと思います。ストレートで280km/hとか出ている状態でフルブレーキの差が生まれたりしたら危ないなと感じています。ただ、ルール的にはみんなフェアになるというか、良いことだとは思います」

ーーBRZはエンジン音やブレーキ音が魅力的だと思いますが、乗っている時の印象はどうですか?
「ターボの音とか、エンジンの音がBRZは直接的に聞こえると思います。『キュン』っていう音がサージングの音なんですけど、アクセルを抜いたときにはターボのアンチラグというシステムの音で『バラバラバラ』と鳴ります。BRZはエンジンの音を感じられる車なので、乗っている方としても気持ち良いというか、走っている感覚になりますね」

ーー自家用車としてもSUBARU車に乗っているのでしょうか?
「そうですね。SUBARUのレヴォーグという車に乗っています。BRZも一台所有していて、それはチューニングとかもしています」

ーー最後に今シーズンに向けての意気込みをお願いします。
「コロナの自粛期間中はドライバーにとっては仕事が無く、大変な思いをされている方が多くいる中で、もどかしさもありました。ぼくたちが本領が発揮できる場ができましたので、医療関係者の方々もそうですし、一人でも多くのファンの方々に笑顔を届けられる熱い走りをお見せしたいと思います。当分はサーキットではお会いできませんが、映像でも伝わる良いレースをぼくだけではなく、ドライバーみんなでしていけたらと思っています。今年はチャンピオンを獲ることが目標ですが、難しい展開にもなると思います。とにかく安全に、みんなで良いレースを作り上げていけたら良いなと思います」

文:J SPORTS 編集部

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