モータースポーツの近況とザナルディ選手の事故

スポーツ界も動き始めましたね。
まず、プロ野球が無観客ですが、公式戦を開始。そして、7月10日からお客さんを入れての公式試合をスタートさせると発表。政府の方針に従って、上限を5,000人とし、8月1日から収容人数の50%まで入場が可能になる。

モータースポーツ界では、SUPER GTが今週末に3月に行なわれた岡山国際サーキットのテスト以来の公式合同テストを富士スピードウェイで2日間に渡って行います。全4セッション、8時間以上の長丁場。新型コロナウイルスの感染防止対策によって、テスト参戦チームの入場人数も制限が加えられ、報道関係者の入場は、不可。公式テレビとしてJ SPORTSと公式スチールカメラマンが数名だけ入場を許される。そして、2週間前から毎日体温計測定を行い健康状態の問診書と共に提出。これは、テスト後の2週間も行わなくてはならないのです。関係者から感染者を出さない、出させない努力です。そして、皆さんも日常生活では、帰宅時の手洗い、うがいを行いましょう。

そういえば、6月21日からYouTubeでSUPER GTのバーチャルレース、SGT x GTS Special Race Rd.1が配信されています。20名のドライバーによる予選と決勝が行われました。参加ドライバーの顔ぶれは、先日のルマン24ヴァーチャルのように現役ドライバー以外にも豪華なものとなっていますので、ご覧ください。そして、ピットレポーターとしてボクがコロナ対策をしながら登場しています。この登場の仕方には賛否両論が渦巻いています。ヴァーチャルですから当然のこと、別室で撮影されて、インサートされているわけですが、それが、ちょっと唐突過ぎて、自分としてもチョット・・・。まあ、見てください。

さて、土曜日の早朝にスマートフォンを手に取って、ツイッターを開くと、イギリス人のジャーナリストが、アレックス・ザナルディ選手が交通事故で重傷という一報をアップしていた。イタリアで行われていたハンドサイクルのイベントに参加し、下り坂で対向車線に出てしまい、走って来たトラックと接触して顔と頭部そして、脳に重傷を負ってしまったという。現在のところ集中治療室で人工的な昏睡状態に置かれていて、予断は許さないが安定しているというのが彼に関する続報。ザナルディ選手は、インディカーのレース中の事故で両足を切断する大怪我から復活、ツーリングカーでレースに再チャレンジしながらハンドサイクルでパラリンピックに参加してロンドンとリオで金メダルを獲得している。昨年行われたDTMとSUPER GTの交流戦に参戦、その際に競技の舞台となる富士スピードウェイをハンドサイクルでも試走している。久しぶりに会った彼に交流戦の決勝前にインタビューした。厳しい人生を背負いながら彼の目は優しさに満ちていた。不屈の男、ザナルディの快気、復活を願いたい。再び彼の分厚い手と強い握手を交わしたい。

文：高橋 二朗