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モーター スポーツ コラム 2020年3月13日

知っておくともっと楽しく観られる! スーパーGT岡山公式テストの見どころ

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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3月14日~15日にかけて、岡山県の岡山国際サーキットで2020年のSUPER GT公式テストが開催される。例年ならシーズン到来を告げるビックイベントとして、多くのファンが来場し盛り上がるのだが、今年は国内外で感染が拡大している新型コロナウイルスの影響を受け、無観客で実施することが決定した。

そんな岡山公式テストでは、J SPORTSが初めての試みとしてテスト走行の様子をオンデマンド配信することが決定した。当初は2日目の15日のみの予定だったが、無観客でのテスト実施になることを考慮し14日もオンデマンド配信されることになった。

本来なら現地に足を運んで、GTマシンの走行を肌で感じたいというファンも多いだろうが、今回ばかりは仕方ないといったところだろう。ただ、今回のオンデマンド配信を通してテストの様子を俯瞰的に観られるのも、いつもとは違う体験ができるのが魅力のひとつだ。

今回は岡山公式テストでの見どころに加えて、普段はなかなか知る機会がない“テストでやっていること”をまとめて紹介していこうと思う。

■公式テストではどんなことをしているのか?
基本的にSUPER GTの公式テストは各日の午前と午後に約2時間の走行セッションが設けられ、2日間かけて合計4セッション行う。

まずはマシンのチェック走行やセッティングの確認などが一番最初の作業となるが、SUPER GTでは複数のタイヤメーカーが参入し、各レースで持ち込む仕様も自由に変えることができる。例年、3月の岡山公式テストでは翌月に迫った開幕戦で使うタイヤの仕様を決めるため、ほぼ全てのチームが2日間の大半を費やして“タイヤテスト”を行う。さらにGT500クラスに関してはエアロパーツなど車体の仕様に関してはまだ決め込む時間が残されているため、試作パーツを装着してのテストが実施されることもある。

施策パーツやデジタルカモフラージュ柄のマシンを見られるのもテストならではの光景だ。

もちろん、実戦を想定したデータ集も行われる。基本的にはGT500とGT300の混走状態でセッションが進んでいくが、1日目午後のセッション2終盤には10分ずつの専有走行時間が設けられる。特にGT500クラスはここで新品タイヤを装着して予選でのタイムアタックを想定したシミュレーションを行うことが多い。また2日目午後のセッション4では決勝レースを想定したロングラン走行のメニューをこなすチームが多く、順位などの位置関係もそれまでのセッションと比べて異なってくるのが特徴だ。

■今季から導入されるFCYのテストも実施
公式テストでは実際のレース中に起こる様々な事態を想定した訓練も行われる。一番よく知られているのがセーフティカー訓練だ。SUPER GTではセーフティカー導入時の運用ルールが他のレースと異なるため、その手順を公式テストの機会を使ってドライバー、チーム、さらにサーキット関係者も確認・練習をするというもの。昨年までSUPER GTに参戦していたジェンソン・バトンも毎回セーフティカー訓練の際は自身がドライバーを担当し、手順の確認を行っていた。もちろん今年から参戦するドライバーたちもシリーズ戦の前に手順を確認する良い機会となるだろう。

今シーズンからSUPER GTに導入されるFCY。各チームの戦略は変わってくるはずだ。導入されるのは決勝中のみとなる。(写真はイメージ)

さらに岡山公式テストではスタート練習(セッション4のみ)も行われる他、今年から導入されるフルコースイエロー(FCY)導入時のテストも予定されている。FCY訓練はセッション2、セッション3、セッション4で実施される予定だ。

特にFCY訓練に関してはシーズン前にどのような流れになるのかを事前にチェックできるため、チーム関係者のみならず、ファンにとっても見逃せない瞬間となるかもしれない。

■SUPER GT初参戦ドライバーらの第一関門『ルーキーテスト』
さらにSUPER GT公式テストでは、新たに参戦するドライバーや、久しぶりにSUPER GTに参戦するドライバーを対象にした『ルーキーテスト』も実施される。

対象となるのは、初めて参戦するGT300ドライバー、SUPER GTに2シーズン以上参戦していなかったGT300ドライバー、さらにGTアソシエイションより指名されたドライバーで、セッション中に一定以上の周回数を連続して走行。そこでの平均タイムや走行マナーなどを厳しくチェックされる。

毎年、この岡山公式テストがルーキーテストの対象者が多いこともあり、ニュースサイトなどでもしばしば話題になることがある。とはいえ、新人ドライバーたちはこのテストをクリアしないと本戦への出走が認められないため、プレッシャーのかかる2日間……ということになるのだ。

■2020シーズンの勢力図が垣間見える“重要な2日間”
毎年のことだが、GT500・GT300のドライバーのチーム、マシンが全て揃ってテストをする最初の機会……それが岡山での公式テストだ。

特に今シーズンはGT500クラスの3メーカーが揃って新型マシンを投入。各メーカーのマシンの仕上がり具合はやはり気になるところだが、その勢力図を占う意味でも、岡山公式テストは非常に注目度が高い。実際にSUPER GTを専門的に報じるメディア関係者も毎年岡山テストを精力的に取材し、各陣営の分析を行っている。

テスト最大の注目はなんといってもスープラだろう。マシンの仕上がりはぜひともチェックしたい

各チームともタイムを出しに行くタイミングが完全に統一されているわけではないため、一概に各セッションのリザルトだけで判断はできないのだが「このメーカーは調子が良さそう」「このメーカーは少し苦戦気味なのか?」といったものは2日間のテストで感じ取ることは十分にできる。

今回はオンデマンド配信で全体を俯瞰的に観られることもあり、GT300クラスも含めた各陣営の仕上がり具合という部分も、ぜひ注目していただきたい。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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