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プロトタイプカーとGTマシン、4クラスの混走による世界耐久選手権(WEC)の2019-2020シーズンの第5戦「ローンスター・ル・マン」が、2月 22〜23日にアメリカのオースティン(COTA=サーキット・オブ・ザ・アメリカズ)において開催される。その予選、決勝の模様はJ SPORTSで生中継、J SPORTSオンデマンドでもLIVE配信される。
今季の”シーズン8”は、後半戦へ。当初は2月1日にブラジルのサンパウロで6時間レースとして開催される予定だったが、開催日程と開催地が変更となり北米大陸での開催となった。次戦も3月18〜20日にセブリングで1000マイルレースが開催されるので、アメリカラウンドは2大会連続となり、そして終盤のヨーロッパラウンド、スパとル・マンを迎えることとなる。
COTAは元々F1開催を目指してテキサス州に造成されたサーキットで、通常とは逆、左回りの1周5.513kmのコース。スタートから1コーナーまでを一気に駆け上がり最大高低差は41mにも及ぶ。昨年はインディカーシリーズも開催された。WECでは2017年9月以来、2年半ぶりの開催となる。
コースサイドの装飾がアメリカンなサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。Circuit of the Americasのそれぞれの頭文字を取って通称COTAと呼ばれる。
前回のバーレーンで1-2フィニッシュを飾ったトヨタは、連勝を狙ってのレースとなる。2月に入って、LM P1クラスを戦うチームLNT(ジネッタ)が、運用上の理由で2台ともスキップすることを発表。これにより同クラスは2台のトヨタとレベリオンの計3台のみの参戦となった。さらにレベリオンは今年のルマン24時間を最後にモータースポーツ活動を終了することを発表した。そんな混乱するLM P1クラスではあるが、トヨタはこのCOTAでの優勝経験がなく、今回は当地での初優勝を狙ってのレースとなる。そしてシリーズチャンピオンを目指して手堅くポイントを加算するレースとなるだろう。中でもランキングトップの7号車、先日のデイトナ24時間で2連覇を果たした小林可夢偉が性能調整で厳しい状況な中、どれだけ切れたレースを見せてくれるかチェックしておきたい。
ライバルは少ないが、厳しい性能調整で苦戦が予想されるトヨタ勢。堅実にポイントを稼ぎたい。
LM P2クラスでは、42号車クール・レーシング、29号車レーシングチーム・ネダーランド、38号車イオタ、そして22号車ユナイテッド・オートスポーツと毎戦ウィナーが変わる大接戦。しかもポイントリーダーはまだ1勝も挙げていないものの、3回の表彰台を獲得している37号車ジャッキー・チェン・レーシングということで、今回も9台がしのぎを削って熱いバトルを繰り広げてくれることに期待したい。もちろん山下健太がドライブする33号車ハイクラス・レーシングにも注目だ。
未勝利ながらランキングトップの37号車ジャッキー・チェン・レーシング。LMP2クラスのチャンピオンシップ争いは最後の最後まで目が離せない展開になりそうだ。
LM GTE PROクラスは、95号車アストンマーティンが2勝目を挙げて2位51号車AFコルセのフェラーリに15点差をつけた。このワークスドライバーのニッキー・ティーム(父はクルト・ティーム)は、今年SUPER GT/GT300クラスにもレギュラーでアストンマーティンをドライブすることが発表された。走りとそのワイルドな風貌も改めてチェックしておきたい。この大会と次のセブリングには、最終戦ル・マン24時間に出場するための権利を得るために、コルベット・レーシングがミッドシップとなったシボレー・コルベットC8.RをWECデビューさせる。ドライバーは元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンとDTMでもおなじみのマイク・ロッケンフェラー。そのシャープなスタイリングと軽量なボディでワークス3メーカーのバトルにどう食い込んで来るのか大いに気になるところだ。今回のレースで最も見てみたい1台だ。
95号車アストンマーティンのニッキー・ティームは今季D’station Racingから藤井誠暢とのコンビでSUPER GTにデビューする。
LM GTE AMクラスでは、90号車TFスポーツのフェラーリが2勝で83号車AFコルセのフェラーリが1勝と、フェラーリが連勝中だったが、バーレーンでは57号車チーム・プロジェクト1がついにフェラーリをストップさせポイントリーダーになった。アストンマーティンが意地のシーズン初優勝を見せられるか? またランキング6位につける日本の70号車MRレーシング(石川資章/オリビエ・ベレッタ/ケイ・コッツォリーノ)にも注目だ。
J SPORTSでは、予選を23日8時30分〜10時40分(J SPORTS オンデマンド限定)、決勝を23日深夜2時30分〜午前10時にLIVE放送予定(J SPORTS 3/J SPORTS オンデマンド)。
文:皆越 和也
皆越 和也
1961年熊本県出身。1980年代後半に富士スピードウェイで観戦した「WEC in JAPAN」で四輪モータースポーツに目覚め、モータースポーツ専門誌編集部等を経てフリーランスのフォトライターに。SUPER GTは全日本GT選手権がスタートした1993年より、ほとんどのレースを現場で取材している。
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