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モーター スポーツ コラム 2020年2月20日

全日本F3で活躍した2人が満を持してステップアップ、2020トヨタGT500ドライバー体制

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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ホンダ、ニッサンのドライバー発表から遅れること約1ヶ月。トヨタ陣営も2月7日に2020年のSUPER GT(GT500)ドライバー体制を発表した。

昨年まではレクサスブランドで参戦し、LC500ラストイヤーに8戦6勝と圧倒的な強さをみせ、シリーズチャンピオンを獲得した。迎える2020年はGRスープラをベースにした車両を導入し、デビューイヤーでの王座獲得を目指す。

今までと変わらず6チーム体制となるトヨタ陣営だが、大嶋和也/山下健太のコンビでドライバーズタイトルを獲得したTEAM LEMANSは今季GT500クラスに参戦せず、代わりにセルモが2台に拡充された。その気になる2台目は「TGR TEAM WAKO’S ROOKIE」というチーム名称になり、カーナンバーは14をつける。GT500王者に輝いた大嶋とステップアップ2年目となる坪井翔がドライバーを務める。もう1台のNo.38 TGR TEAM ZENT CERUMOは昨年と変わらず立川祐路と石浦宏明のコンビとなる。

昨季のチャンピオンチームTEAM LEMANSは「TGR TEAM WAKO’S ROOKIE」として装いも新たに参戦する。

また昨年TEAM LEMANSをチャンピオンに導いた脇阪寿一監督はNo.39 TGR TEAM SARDに緊急移籍。ドライバーはヘイキ・コバライネンと中山雄一のコンビで変わらないが、年間王者を経験した脇阪監督の加入はチームにとって、大きな追い風となりそうだ。

昨年ランキング2位となった平川亮/ニック・キャシディは今年もコンビを継続しNo.37 TGR TEAM KeePer TOM’Sから参戦する。しかし1月上旬、平川がグアムでのトレーニング中に転倒し、右鎖骨を骨折するというアクシデントに見舞われた。帰国後に手術を行い、現在は早期回復に向けてリハビリに励んでいるというが、マシンに乗れるのは早くても3月の岡山公式テストになるのではないかという噂があり、4月の開幕戦に向けて不安要素が残る状態となっている。

懸命のリハビリを続ける平川亮(右)。万全の体調での開幕戦をファンは望んでいる。

一方、同じトムスのNo.36 TGR TEAM au TOM’Sには注目の若手ドライバーが加入することになった。WECのスケジュールを優先するためにSUPER GTを離れることになった中嶋一貴の後任として2019年の全日本F3選手権でチャンピオンを獲得したサッシャ・フェネストラズが加入したのだ。

昨季の全日本F3では宮田 莉朋(右)と激しい優勝争いを繰り広げたサッシャ・フェネストラズ(中央)。F3、GT300クラスでその実力をいかんなく発揮した。

2018年のマカオF3で3位表彰台を獲得すると、全日本F3ではデビューウィンを含む8勝をマークしシリーズチャンピオンを獲得した。彼は日本に来た時から「当面の目標はスーパーフォーミュラとGT500で戦うことだ」と語っていたが、今年はその目標が実現することになった。

またフェネストラズは昨年GT300クラスにも参戦し、最終戦までチャンピオン争いに絡むなど、こちらも1年目とは思えないパフォーマンスを披露した。そして何より1年を通して日本のサーキットを経験し尽くしたことで、来日2年目となる今シーズンはさらにアグレッシブな走りが見られそうだ。

相方の関口雄飛もGT500クラスでは速さに定評があるドライバーのひとり。そこにフェネストラズが加わるとなると……台風の目となるコンビになることは間違いないだろう。

そして、陣営の中で唯一ヨコハマタイヤを履くNo.19 TGR TEAM WedsSport BANDOHも期待のドライバーが若手ドライバーがステップアップしてきた。昨年、全日本F3選手権でランキング2位となった宮田莉朋だ。

全日本F3ではシーズン中に車両規定違反による失格などもありチャンピオン獲得が叶わなかったが、フェネストラズと同じ8勝をマーク。さらにGT300では大混乱となった第6戦オートポリスで自身にとってGT300初優勝を飾った。同シーズンの第2戦富士ではWECに出走する中嶋一貴の代役として36号車のLC500をドライブした。そして2020年は満を持してレギュラーシートを獲得。この19号車で1年目からどんな走りを披露してくれるのか、目が離せない。

昨季の第6戦、宮田莉朋(中央)はGT初優勝、吉本大樹(左)は自身の参戦100戦目を優勝で飾るなど記念尽くしの勝利となった。

すでにGRスープラの新型GT500マシンのテストが始まっているが、関係者の間ではマシンの仕上がり具合は3社の中で一番良いという噂。何よりここまでテスト中に大きなトラブルを抱えることがなく、かなりのマイレージを稼いでいるという。

まだ開幕まで2ヶ月弱もあるため、他メーカーの追い上げも十分に予想されるが、トヨタ陣営としては「デビューウィン」と「デビューイヤーでのチャンピオン獲得」を目標に掲げ、並々ならぬ想いで準備に取り組んでいる様子が、伝わってきている。

全日本GT選手権時代に数々の名シーン、名勝負を生み出してきた伝統あるマシン“スープラ”が復活し、ホンダNSX、ニッサンGT-Rと対峙する……。2020年のSUPER GTは今まで以上に注目の集まるシーズンになりそうだ。

15シーズン振りにGTへ復活するスープラ。スープラ最終年の05シーズンは立川祐路・高木虎之介組のZENT CERUMO 38号車がSUPER GT初チャンピオンとなり有終の美を飾った。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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