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「Life is wonderful. We meet again!」
そう言って、彼は力強く握手してくれた。
Super GTとDTMの交流戦が行われた富士スピードウェイで再会。
アレッサンドロ・ザナルディ選手。
F1ドライバーからCARTに転身して2度のシリーズチャンピオンに輝いた。F1に復帰した後に再びCARTに参戦した。2001年にアクシデントで両足を負傷。膝上から切断するという悲劇が彼を襲った。しかし、彼は両足を失いながらレースへの情熱を失わなかった。ハンドドライブの特別な仕様のツーリングカーで復帰を果たし、現在はDTMにBMWから参戦している。日曜日のRace2は、スタート、リスタートで度重なる混乱が起きたが、その中でも彼は完走を果たしてゴールした。
1990年代の終盤にCARTに参戦していた彼を取材した。悲劇的なアクシデントは、全日本GT選手権のツインリンクもてぎで知った。彼との再会は、20年以上の歳月が過ぎている。握手した彼の手は、大きく、厚く、そして温かかった。死の淵から這い上がり、そして、レース界へカムバックしたザナルディ選手は、とびきりの笑顔で語りかけてくれた。悲劇的な事故から現在に至るには、予想を遥かに超えた苦労と努力が必要だったことだろう。それを乗り越えて、レースする様は、ハンディキャップを全く感じさせない。これまでの彼の人生はwonderfulでは無かったはず。
「Alex, you are great, really great」
と語りかけると、
「No, No, I just enjoy」
と再び笑顔を返してくれた。
不屈の男。目の前にいるザナルディ選手こそ不屈の男そのものだ。
彼の挑戦はレースだけにとどまらない。パラリンピックのハンドサイクリングで数々の金メダルに輝いてもいる。日曜日のRace2の前にグリッド上でインタビューした際には、来年のパラリンピックで再び日本に来るとコメントした。サイクリングの会場は、富士スピードウェイ。
再び慈愛に満ちた笑顔を湛えた「不屈の男」の勇姿が見られる。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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