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最近では真夏の風物詩のひとつとなったツインリンクもてぎでの「もてぎ2&4レース」。今年も国内最高峰の4輪(スーパーフォーミュラ)と2輪(JSB1000)が同日開催される中身の濃い週末になった。。さらに特に直前に日本列島を縦断した台風10号の影響もあり、気温38度、路面温度は50度近くに達する灼熱のコンディションの中で激闘が繰り広げられた。
ここ数年スーパーフォーミュラのもてぎラウンドでは、新たなヒーローが誕生することが多く、ここでの結果がシーズン全体の結果に大きく左右することがある。
2015年には石浦宏明が、その年の第2戦岡山に続いて自身2勝目をマーク。ライバルたちを寄せ付けない力強い走りを見せ、チャンピオン争いでも完全に主導権を握るレースを披露した。実際に彼はそのシーズンで初のシリーズチャンピオンを獲得。現在もライバルから一目置かれる存在となっている。
2016年には関口雄飛がデビュー4戦目で初優勝。予選から他を圧倒する走りを見せての勝利で、最終的にチャンピオン獲得とはならなかったが、彼の評価を大きく上げたレースとして知られている。
さらに多くのファンの方にとっても記憶に残っているであろうレースが2017年のもてぎラウンド。現在F1で活躍中のピエール・ガスリーが初優勝を飾ったレースだ。彼も初めてのスーパーフォーミュラに序盤戦は苦戦。彼にとっては後がない状況の中での勝利だっただけにパルクフェルメでこれまでの鬱憤を晴らすような雄叫びをあげたのを今でも覚えている。彼は続く第5戦オートポリスでも連勝し、この年はランキング2位を獲得した。
そして、2019年。また新たなヒーローがもてぎで誕生した。ITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮だ。
2013年にスーパーフォーミュラにデビューした平川。デビュー前のテストからいきなり上位に食い込むタイムをマークするなど周囲を驚かせるような走りを披露。初優勝も時間の問題と思われていたが、ここまで勝利を挙げられずにいた。さらに今季はこれまでにないくらい苦戦を強いられ、4戦を終えてノーポイントという状態が続いていた。
速さはある、チームも経験豊富、テストでも調子が良かった、なのに結果が出ない……。
特に第4戦富士では平川の表情からも焦りが出始めているように感じられたが、その悪い流れを今回のもてぎでは自らが払拭した。
65号車にとっても、チャンピオン争いに絡んでいくためには、もう少しポイントを積み重ねたいところ。ボーナスポイントがつく第5戦でどこまで稼ぐことができるか注目だ。
予選2番手からスタートするとアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)を序盤から追い回し、23周目にオーバーテイクしトップに浮上した。そこからは後続を一気に引き離す力強い走りを披露し、参戦5シーズン目にして初優勝を飾った。
「嬉しいというよりは、感謝の気持ちの方が大きいです。ここまで出なかった中、チームの皆さんがすごく頑張ってくれました。また周りで支えてくれるファンやスポンサーの皆さん、そして家族も応援してくれたおかげで今週末は自信を持ってレースができました」
そう記者会見で語った平川は、肩の荷が下りたような表情をしていた。
これで今季初ポイントを手にした平川。ランキング首位との差が大きく、ここからチャンピオン獲得は難しいが、このもてぎでの初勝利で、今後何かが動き出すのかもしれない。今後の彼の活躍から目が離せない。
そして、このもてぎラウンドで、もうひとつ“動き出した”ものがある。2019シーズンのチャンピオン争いだ。
ここまで序盤戦で好結果を出していた山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が第4戦富士に続き、第5戦もてぎでもノーポイントとなった。これに対しランキング2位につけていたニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)は予選12番手からレース戦略も駆使して逆転。3位表彰台を獲得した。これでポイントランキングはキャシディが28ポイントでトップ。山本は27ポイントでランキング2位となった。
ランキング首位の座から陥落した山本は「2戦連続でノーポイントは痛いです」と険しい表情を見せた一方、逆転トップに立ったキャシディは「昨年と同じシチュエーションになった。あとは予選でのペースを改善すれば、きっと(タイトル獲得も)いける」と自信に満ち溢れた表情を見せた。
今季のチャンピオン争いは、このもてぎラウンドで完全に形勢が逆転したように思える。このままキャシディが逃げ切るのか?山本の再逆転はあるのか?それとも、第3の候補者が現れるのか?いよいよ2019チャンピオン争いも佳境を迎え始めた。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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