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今週末は、スーパーGTシリーズの第3戦が鈴鹿サーキットで開催される。2019シーズンも早いもので第3戦に突入し、序盤戦から中盤戦へ戦いの舞台を移そうとしている。
ここまで2レースを終えて、GT500クラスでは開幕2戦連続で表彰台を獲得している松田次生/ロニー・クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rがランキングトップ。GT300クラスでも2戦連続で2位表彰台を手にした高木真一/福住仁嶺組のARTA NSX GT3が首位につけている。
しかし、両者ともウェイトハンデが50kg近くにまで達し、そろそろ影響がで始める頃だ。一方、前戦までに思うようなレース運びができていないチームとっては、ここ鈴鹿で好結果を残して上位とのポイント差を縮めておきたいところ。土曜日の公式予選から白熱のバトルが繰り広げられそうだ。
■GT500クラス:「ここは狙っている」という12号車カルソニックIMPUL GT-R、今季初Vなるか?
まずはGT500クラス。一番の注目は開幕前のテストから他を圧倒する速さをみせていた佐々木大樹/ジェームス・ロシター組のカルソニック IMPUL GT-Rだ。冬季テストでは2月のマレーシア、3月の鈴鹿、岡山、富士の各テストでトップタイムを記録する好調ぶりで、多くのライバルからも「今年の12号車は速い」と言われるほどの仕上がり具合をみせていた。
開幕戦の岡山では3位表彰台を獲得し幸先の良いスタートを切ったが、第2戦富士では不運なアクシデントもあり、12位とポイント獲得はならなかった。
迎える今週末の第3戦鈴鹿だが、ここまでテストをしてきた中で12号車が一番手応えを感じていたコースのひとつとのこと。第2戦富士の時に佐々木大樹は「富士でトップを取れないのは多少仕方ないかなと思えるくらいの手応えでした。ただ、鈴鹿に関しては自信があるし、正直(トップを)かなり狙っています」と語っていた。また相方のジェームス・ロシターは鈴鹿でのスーパーGTで過去2勝した実績を持ち相性も抜群。今年は本命視されながらも、岡山、富士と勝利をつかめていないだけに“三度目の正直”となるか、注目が集まる。
これに対抗してきそうなのが、昨年もここで驚異的な速さをみせたホンダNSX-GT勢。今年はミッドシップハンデの数値が変更になり、やや不利になったのではないかという噂もあったが、開幕戦では野尻智紀/伊沢拓也組のARTA NSX-GTが優勝。第2戦富士では山本尚貴/ジェンソン・バトン組のRAYBRIG NSX-GTが3位に入り、しっかりと上位につけている。
第3戦の鈴鹿は、ホンダNSX-GT勢が最も得意とするコースのひとつ。それだけにここで大量得点を稼いでおきたいという思いが強いようで、山本も「鈴鹿は絶対に獲りにいかなければいけない」と意気込んでいた。昨年も予選・決勝でワンツーを独占する走りを見せたホンダ陣営だが、今年も上位に食い込んでくることは間違いなさそうだ。
これに対し、レクサス勢も決して劣っているわけではない。昨年も平川亮/ニック・キャシディ組のKeePer TOM’S LC500が3位に入っている他、上位争いに絡むレクサスのマシンが多かった。レクサス勢の強みは決勝でのロングラン。鈴鹿ラウンドは昨年から300kmレースとなったが、それでもレースペースというのは勝敗を左右する大きな要因となる。仮に予選でホンダ、日産勢に先行を許したとしても決勝での巻き返しが見られる可能性は十分にある。今回もレース終盤まで手に汗握るトップ争いとなっていきそうだ。
■GT300クラス:まさかの2戦連続ノーポイントのつちやエンジニアリング、鈴鹿で反撃なるか?
GT300クラスも、ここ鈴鹿を得意としているマシンが多い。まずはレクサスRC F GT3勢に注目だ。平均スピードが高く、スーパーGT開催サーキットの中では比較的高速コースの部類に入る鈴鹿だが、それが今のRC F GT3の特性とマッチしている部分がある模様。実際に昨年もK-tunes RC F GT3が優勝を飾っている。今年の96号車だが新田守男の新パートナーに阪口晴南が加わり、開幕戦岡山ではいきなり優勝を飾った。さらに阪口はSRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ)の出身で鈴鹿サーキットを知り尽くしているドライバーのひとり。ウェイトハンデも20kgと比較的軽い状態で今週末に臨むため、優勝候補の一角として名乗りを上げてきそうだ。
鈴鹿といえば、マザーシャシー勢は候補からやはり外すことができない。その中でも注目なのが、今季ここまでノーポイントの状態が続いている松井孝允/佐藤公哉のHOPPY 86 MCだ。
開幕戦岡山ではスタート直後にクラッシュを喫しリタイア。マシンを修復して臨んだ第2戦富士で予選2番手を獲得するも決勝で失速してしまい18位に終わった。
ここ鈴鹿ではBoPの数値が戻され最低重量+50kgを積んで臨まなければならないが、そこは昨年と同じ条件ということもあり、昨年ここで2位表彰台を得た時のデータが活きてくるはず。“三度目の正直”を狙う純プライベーターチームに注目が集まる。
この他にも有力チームが多数いるGT300クラス。GT500クラス以上に激戦になることは確実で、こちらも目が離せないレースが最終ラップまで展開されそうだ。
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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