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モータースポーツのトラブルの中で厄介なもの。電気系のトラブル。 物理的なトラブルなら視認できるので、何がどうなって、どうしたか原因が分かる。しかし、電気は見えない。しかし、電気がうまく通じていなければ、マシンは動いてくれない・・・。電気が通じていない原因がよくわからないと、どこまで電気が来ていて、どこから来ていないか、チェックして、部品の故障ならそれを交換。通電していないエリアが広いようであれば、電気に関係するシステムを全部取り替えることも少なくない。
先週末は、香港から2週間後に行われた中国の海南島の三亜で初開催のFormula eのプログラムでコメンテーターを務めました。この海南島は、リゾートとして最近人気が急上昇とのこと。ハワイと緯度が近くて年間気温が25度を下回ることがないらしいです。
さて、Formula eは電気無くして走ることができないEV。走行中の接触やクラッシュでマシンがダメージを受けてしまって走れなくなってしまう以外にも電気系のトラブルでスタートできなかったり、突然ストップしてしまうことがある。マシンの外観は全く問題がなくても。電気がモーターに通じなくなって1ミリも動いてくれなくなる。これは、本当に厄介ですね。電気の<見える化>はできないのでしょうかね。
香港以降もう一つ厄介なことがおきつつあります。 それは、ペナルティの量刑について。香港ではトップを走っていたアンドレ・ロッテラー選手が1周を残して追突されて優勝を逃した。追突したサム・バード選手には10秒加算のペナルティを科せられて順位降格したものの、ポイントゲットしてランキングトップに躍り出た。三亜では、ランキング3位だったルーカス・デ・グラッシ選手が、セバスチャン・ブエミ選手と競り合ってコントロールを失ったロビン・フリンス選手に激突されてリタイヤ、ノーポイント。激突の原因を作ったブエミ選手はレース結果に5秒加算のペナルティを科せられたが8位となって4ポイントを得た。デ・グラッシ選手は「無事にゴールできていたら8ポイントを加算できた。ブエミはペナルティを受けたけれどポイントゲットできた。フリンスは、結果的に止まったけれど、ペナルティも科せられていない。これってフェアーじゃない」と怒り心頭!
今、Formula eの関係者や被害を受けたドライバーがペナルティの量刑の軽さに「なぜ?理解できない!分からない!」と声を上げ始めた。電気以外にも見えないものがこのシリーズにはあるのですね。
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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