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モーター スポーツ コラム 2019年3月25日

スーパースポーツ世界選手権 第2戦タイ ~開幕戦6位発進の大久保光が過去最高位を狙う!~

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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スーパースポーツ世界選手権 第2戦タイ ~開幕戦6位発進の大久保光が過去最高位を狙う!~

600ccの市販スポーツバイクで争う「スーパースポーツ世界選手権」の2019年シーズン第2戦がタイ、ブリーラムのチャン・インターナショナルサーキットで3月15日(金)~17日(日)に開催されます。「J SPORTS」では日本人ライダーの大久保光(おおくぼ・ひかり)が出場するこのレースをオンエア。第2戦の模様は3月17日(日)に生放送でお楽しみいただきます。

2018年のチャンピオン、サンドロ・コルテセ(ヤマハ)が「スーパーバイク世界選手権」へと昇格し、新たな主導権争いが注目される「スーパースポーツ世界選手権」。今季はコルテセの後釜として、ロードレース世界選手権Moto2(600cc)クラスからイザック・ヴィニャーレス(ヤマハ)が参戦する他、元MotoGPライダーのエクトル・バルベラ(ヤマハ)がヤマハに移籍するなど強力なメンツ揃いのラインナップになっています。

さて誰が最初の1勝を勝ち取るのか気になった開幕戦ですが、なんとデリバリーされたタイヤに問題があり、急遽10周以上の走行が禁止されました。すなわちレース中にタイヤ交換が必要に。スプリントレースではイレギュラーなタイヤ交換発生となり、「スーパースポーツ世界選手権」の見所でもある接近戦とタイヤの性能をライダーがどうマネージメントするかという部分がスポイルされてしまったレースになりました。

そういう意味では、開幕戦ではまだ勢力図はハッキリと見えてこない印象で、この第2戦、ブリーラムでの戦いが本当の戦いということになって行くでしょう。ただ、今季もヤマハYZF-R6ユーザーの優位は変わらずで、決勝の上位5台はヤマハで閉められるという形になりました。

ヤマハ勢の中で勢いがあったのは2018年をランキング4位で終えたランディ・クルメナッハー(ヤマハ)。新たにチームメイトになったフェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)と共に予選から速さを見せ、レースの序盤を1-2でリードしました。しかしながら、タイヤ交換を終えてピットアウトする時にカリカスロはバイクスタンドを外す前にピットアウトしようとしてタイムロス。これで1-2体制が崩れてしまいました。しかしながら、ランディ・クルメナッハー(ヤマハ)はジュール・クルーゼル(ヤマハ)とのトップ争いを制して優勝。フェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)は何とか3位表彰台を獲得しました。

速さと非常に落ち着いたライディングで優勝したランディ・クルメナッハー(ヤマハ)はスイス出身のライダーで、彼もまたロードレース世界選手権(グランプリ)の経験が豊富な選手です。グランプリでの優勝こそ無いものの、125ccクラスで5シーズン、Moto2(600cc)で5シーズン戦ってきたキャリアがあり、2016年に「スーパースポーツ世界選手権」にカワサキでデビューした開幕戦・フィリップアイランドではいきなりの優勝を成し遂げています。Moto2時代にもフィリップアイランドでは8位、10位という成績を残しており、昨年も2位表彰台ですから、他のサーキットに比べると彼が得意とするコースだったと言えるかもしれません。

そして迎える第2戦ブリーラムは昨年、ランディ・クルメナッハー(ヤマハ)がヤマハ移籍後の初優勝を成し遂げたコースでもあります。そういう意味では相性の良いコースが続くクルメナッハーの開幕2連勝が期待されます。ただ、ブリーラムのレースは激しい接近戦となるので、最後まで気を抜けない戦いになるでしょう。

一方で、開幕戦は日本期待の大久保光(カワサキ)が光り輝いたレースでもありました。大久保は予選8番手からスタートで一気に順位をあげて一時4位を走行。タイヤ交換後はチームメイトのルーカス・マヒアス(カワサキ)に先行され、順位を下げますが、レース終盤にコレンティン・ペロラーリ(ヤマハ)をオーバーテイクして7位に浮上。ルーカス・マヒアス(カワサキ)がタイヤ交換時のピット滞在時間違反によりタイム加算となったことで、大久保は結局6位に昇格。自身のベストリザルトタイ記録を得ることになりました。

大久保がベストリザルト6位を以前に勝ち取ったレースというのが2016年のタイ、ブリーラムです。当時はホンダのライダーでした。そういう意味でも、大久保はさらに上のトップ5フィニッシュを狙って行きたいレースです。チームメイトの元チャンピオン、ルーカス・マヒアス(カワサキ)と遜色ないペースをフィリップアイランドでも見せましたし、今回はカワサキでの初表彰台も期待できます。

そして、今回の「スーパースポーツ世界選手権」には女性ライダーが2人参戦することになったことも話題です。その一人がロードレース世界選手権Moto3(250cc)に3シーズン参戦し、ポイントも獲得経験があるスペインの女性ライダー、マリア・エレーラ(ヤマハ)。開幕戦ではポイント獲得まであと一歩の16位フィニッシュでしたが、彼女は昨年、女性ライダーのアナ・カラスコがチャンピオンになった「スーパースポーツ世界選手権300cc」でもランキング4位を獲得。今季は「スーパースポーツ世界選手権」(600cc)にフル参戦するだけでなく、電動バイクの選手権「MotoE」にも参戦が決まっています。

さらにもう一人、今回ワイルドカードで地元タイの女性ライダー、ラチャダー・ナチャロンスリ(ヤマハ)の参戦が決定。彼女はブリーラムで開催される選手権の600ccクラスで3位というツワモノだそうで、地元タイのファンの応援を一手に受け、初の世界選手権を戦うことになります。実は「スーパースポーツ世界選手権」に複数の女性ライダーが参戦した例は過去にもあり、2009年以来10年ぶりの事だとか。これもトップ争いと共に注目したいポイントですね。

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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