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いよいよ「スーパースポーツ世界選手権」の2019年シーズンがオーストラリアのフィリップアイランドで2月22日(金)~24日(日)で開幕。「J SPORTS」では今年も日本人ライダーの大久保光(おおくぼ・ひかり)が出場するこのレースを全戦オンエア。開幕戦は2月24日(日)に生放送でお楽しみいただきます。
さて、昨年は久しぶりの大激戦となり、例年以上にスリリングなチャンピオン争いが展開された「スーパースポーツ世界選手権」ですが、今年もさらに面白いシーズンになりそうです。2019年のチャンピオン、サンドロ・コルテセ(ヤマハ)は排気量1000ccの「スーパーバイク世界選手権」へとステップアップしましたので、次にこのシリーズの主導権を掴むのは一体誰かを見極めるシーズンでもあります。
600ccの市販スポーツバイクをベースにした「スーパースポーツ世界選手権」には若手からベテランまで様々なバックグラウンドを持つ選手が参戦しています。中量級と呼ばれるこのレースでは高い旋回スピードと接戦時の攻撃的なライディング、さらにタイヤがピレリのワンメイクであるため、タイヤのマネージメント能力も求められます。こういう条件から勢いは誰にも負けない若手よりも、どちらかというと様々なバイクを乗りこなしてきたベテランが光り輝くレースであるとも言えます。ただ、MotoGPやスーパーバイクのような大排気量クラスよりも、中量級に合っているとライダーが数多くいるのも確かで、自身のキャリアの立て直しにとチャンスを求めて多方面からライダーがやってきます。
そんな中、今季はロードレース世界選手権Moto2(600cc)クラスからイザック・ヴィニャーレス(ヤマハ)が参戦することになりました。MotoGPでヤマハのライダーとして活躍するマーヴェリック・ヴィニャーレスの従兄弟で、Moto3(250cc)時代には表彰台も経験した選手です。イザック・ヴィニャーレスはコルテセがチャンピオンを獲得した「カリオ・レーシング」のシートを獲得し、データを含めた体制がしっかり整った中での「スーパースポーツ世界選手権」初挑戦となります。ヴィニャーレスはグランプリでは優勝できず、MotoGP昇格のチャンスもなかったわけですが、彼自身も当然このスーパースポーツでの活躍を足がかりにスーパーバイクへのステップアップを狙っているはずで、グランプリライダーとしての速さを開幕戦からいきなり見せてくるか注目です。
そして、昨年、コルテセとチャンピオンを争ったライダーにも大きな変化がありました。まず、2018年ランキング3位のジュール・クルーゼル(ヤマハ)はFIM世界耐久選手権の名門チーム「GMT94」に移籍。地元フランスの人気チームに加入して、心機一転のチャンピオンを狙います。GMT94は昨年の鈴鹿8耐を最後に耐久レース活動を休止。今季から「スーパースポーツ世界選手権」に集中することになったということで、新たな台風の目になりそうな予感。なぜなら耐久での実績からヤマハ本体との繋がりも深いからです。
さらに驚いたのは2017年のチャンピオン、ルーカス・マヒアスの電撃的なカワサキへの移籍です。彼は昨年、ヤマハのトッププライオリティチーム「GRT Yamaha」に所属し、最終戦を含む3勝をあげ、ランキング2位を獲得しています。そんな「GRT Yamaha」はスーパーバイク世界選手権に転向。そんな彼をエースとして迎え入れたのはカワサキの名門「プセッティ・レーシング」でした。かつてはトルコ人ライダーのケナン・ソフォーグルと共に一時代を築いた名門復活に向けた即戦力ということでしょう。昨年はヤマハ優勢で進んだシーズンでしたが、あえてカワサキに移籍。そんな中でチャンピオン経験者としての高いパフォーマンスに期待です。
マヒアス(カワサキ)のチームメイトが「スーパースポーツ世界選手権」に今季も唯一の日本人ライダーとして参戦する大久保光(カワサキ)です。今季はフル参戦3年目ということで、いよいよ勝負の年です。昨年はエースのソフォーグルがシーズン途中で引退するなどチームとしてもバタバタの年でしたが、ソフォーグルの代役として途中から参戦した元MotoGPライダーのエクトル・バルベラを上回るなどして存在感をアピール。ヤマハ優勢の中ではキャリア最上位フィニッシュを果たすことはできませんでしたが、大久保はシーズン中盤から着実にシングルフィニッシュする結果を持ち帰りました。チームメイトに元チャンピオンが加わったということで、環境としてはさらに上向く可能性が高い大久保。まずは表彰台をマヒアスと共に狙ってもらいたいものです。
大久保のチームメイトだったエクトル・バルベラは今季、ヤマハのチームに移籍。シーズン中盤に連続表彰台の活躍を見せたラファエル・デ・ローサ(MVアグスタ)もアグスタに残留。1勝を挙げ、ランキング4位になったランディ・クルメナッハーもヤマハYZF-R6で戦いますが、同じチームにランキング5位のフェデリコ・カリカスロが移籍。チームは2台体制になったことでクルメナッハー、カリカスロの活躍も大いに期待できそうです。
昨年のランキング上位6人のうち、チャンピオンのコルテセだけが卒業。目まぐるしくランキング順位を入れ替えて戦った「スーパースポーツ世界選手権」のライダーたちにヴィニャーレス、バルベラらの元グランプリライダーが襲いかかる。そんな構図が見えてきた今季の「スーパースポーツ世界選手権」も激戦は間違いなしですね!
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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