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モーター スポーツ コラム 2018年8月17日

【スーパーフォーミュラ第5戦・ツインリンクもてぎプレビュー】~後半戦の鍵を握るのは福住仁嶺か!?~

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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2018年の「全日本スーパーフォーミュラ選手権」の後半戦がいよいよ始まります。8月18日(土)~19日(日)に開催される第5戦の舞台はツインリンクもてぎ(栃木県)。昨年も2スペックタイヤ制の決勝レースで誰が勝つか分からない展開になったツインリンクもてぎでの戦いをJ SPORTSでは予選、決勝ともに生中継。場内実況と同じ現地からの放送をお届けします。

7月に開催された富士スピードウェイでの第4戦では今季2人目のウイナーが誕生しました。ニック・キャシディ(KONDO RACING/トヨタ)はポールポジションを獲得して優勝。一方、シリーズポイントリーダーだった山本尚貴 (TEAM 無限/ホンダ)は8位フィニッシュでかろうじてポイントを獲得することになりましたが、11点あった両者のポイント差は山本が22点、キャシディが21点と僅か1点差になってしまいました。

これで完全にシーズンの行方は振り出しに戻ったと言えるでしょう。ランキング3位の石浦宏明(P.MU CERUMO INGING/トヨタ)が13点、ランキング4位の関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)の2人が11点ということで、残り3ラウンド4レースはこの5人がチャンピオンの可能性が高いドライバーです。残り4レースでノーポイントのレースが生まれてしまうとチャンピオンシップの流れは一気に変わってしまいますから、ドライバーもチームも一切ミスが許されないのが今回のツインリンクもてぎのレースです。ただ、中嶋一貴は今回、WECのシルバーストーン6時間と日程がバッティングしているため欠場。チャンピオン争いに加わるのは厳しい状況です。

そんな中、このレースから今季はヨーロッパの「F2」と両立して参戦するも福住仁嶺(TEAM 無限/ホンダ)が復帰します。「F2」では予想外に苦しいレースを強いられている福住ですが、どうやらチームの内情があまりよろしくない状況の様で相当溜まったフラストレーションを「スーパーフォーミュラ」にぶつけてくることは間違いなく、後半戦の台風の目になりそうな匂いがプンプンします。

福住にとって今季は「F2」でランキング上位につけ、F1へ昇格するためのスーパーライセンス発給条件を満たすことが至上命題ではありましたが、今季の条件クリアはかなり困難な状況にあります。「スーパーフォーミュラ」はスケジュールのバッティングにより開幕戦の鈴鹿だけ出場した福住ですが、そのレースもマシントラブルによりノーポイントに終わっています。チームメイトでありレギュラー参戦するランキング首位の山本とは22点差ですから、こちらも逆転王座は現実的ではありません。福住はこれからの3ラウンドを全てポール獲得&優勝となれば40点獲得となりますが、仮に山本が全て2位になった場合、46点となりますから自力の逆転はほぼ不可能と言えます。

当然、チームとしてはホンダエンジンユーザーによる現行車「SF14」のチャンピオン獲得に向けて、ランキング首位の山本にプライオリティを置くことになるはずです。ただ、今回のツインリンクもてぎのリザルト次第では流れが福住に向く可能性もゼロではないことは確かです。現実的な路線として来季のスーパーライセンス獲得、2020年にF1デビューという筋書きに向けたスーパーライセンスポイントの可能な限りの獲得は福住にとっても必須になります。そういう意味でも開幕戦・鈴鹿以来に復帰する福住の走りには大いに注目したいところです。

福住がルーキーながら開幕戦と変わらぬ速さを見せたとすると、心落ち着かない状況になるのはランキング上位の5人(実質4人)。今回のツインリンクもてぎでポイント差を詰めたい、あるいは広げたいドライバーたちのそれぞれの思惑がレース展開によって変化してきます。シリーズチャンピオン争いはさらに混沌としたものになるとより後半戦に見応えが出てきますが、そういう意味でもツインリンクもてぎのレースは天下分け目の戦いと言えます。

昨年のツインリンクもてぎで輝いたのはポールポジションを獲得した山下健太(KONDO RACING/トヨタ)。そして、2スペックタイヤのレースで2ストップ作戦を敢行した塚越広大(REAL RACING/ホンダ)。今回は中嶋一貴、小林可夢偉というトップドライバーが欠場しますが、チャンピオンを争うドライバーたちに牙を向く伏兵がたくさん居ると言えますから、速さと戦略、総合的なマネージメント力が問われるレースになりそう。昨年優勝したピエール・ガスリーのデータを持つ「TEAM無限」が速さを見せるのか、それとも「KONDO RACING」が富士の優勝で昨年のデータを活かして逆転するか、あるいはチャンピオン2人を擁する「P.MU CERUMO INGING」が一矢報いるか、「ITOCHU ENEX TEAM IMPUL」が関口の爆発的な速さで差を詰めるか、まさに目が離せません。

今回は来季から使用するニューマシン「SF19」のデモランも予定されており、順位が変りづらいと言われるツインリンクもてぎで数々のドラマを生み出してきた「SF14」を使った最後のもてぎ対決になります。チームとドライバーによる創意工夫、思い切った奇襲作戦、日本のレーシングチームの本当の力が垣間見れるレースになることを期待したいです。

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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