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【フォーミュラE 第11戦&12戦ニューヨーク プレビュー】~王者はヴェルニュか?バードか?フォーミュラE第1章完結のレース
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ電気自動車の「FIAフォーミュラE選手権」のシーズン4(2017年~18年)はアメリカ合衆国ニューヨークシティで最終戦を迎えます。今回は2レース制で行われ、現地時間の7月14日(土)に第11戦、7月15日(日)に第12戦が開催。J SPORTSでは両戦ともに予選、決勝の模様を生放送でお送りします。
今回のレースは2014年から始まった「フォーミュラE」の歴史の第1章を締めくくるレースです。12月から始まるシーズン5(2018年~2019年)はニューマシン「Gen2」へと移行するため、現行の「Spark」シャシーを使ったラストレース。これまでネルソン・ピケJr.、セバスチャン・ブエミ、ルーカス・ディグラッシがチャンピオンに輝いてきましたが、3人共に元F1ドライバー。残念ながら3人ともにシーズン4のチャンピオン争いからは既に脱落しており、チャンピオン争いはジャン・エリック・ヴェルニュ(テチータ)=163点、サム・バード(DSヴァージン)=140点の直接対決。新チャンピオンを決定する戦いとなります。
前戦・チューリッヒでは予選でジャン・エリック・ヴェルニュ(テチータ)がまさかの失速。なんと17番手からスタートすることに。トラムの軌道の上を走る非常にイレギュラーなレイアウトになったチューリッヒでヴェルニュは必死の追い上げを見せて10位フィニッシュし、何とか1点を獲得。しかし、2位にサム・バードが入ったことでポイント差は23点に縮まってしまいました。ヴェルニュは1レース落とせば、一気に逆転されてしまうリスクの高いゾーンに入ってしまいました。2レース制で開催されるということで、最大獲得ポイントは優勝25点+ポールポジション3点+ファステストラップ1点。逆に言うとバードは23点の差が29点以上に広がってしまうと土曜日の第11戦でチャンピオンがヴェルニュで確定してしまいます。開いている点差は大きいとは言え、第11戦、第12戦と2日間続けてのスリリングなストーリーが展開されるかもしれません。
ここで、今季の流れを振り返ってみましょう。まず、2017年12月に開幕したシーズン4の第1戦・香港では波乱のレース展開の中、サム・バード(DSヴァージン)が優勝。翌日の第2戦・香港では昨年シーズンのシーズン3に彗星の如く現れたニュースター、フェリックス・ローゼンクビスト (マヒンドラ)が勝利しました。ローゼンクビストはその勢いと巧みなエネルギーマネージメント力で第3戦・マラケシュも勝利。
このままローゼンクビスト が連勝街道を突っ走り、フォーミュラEの新潮流となるのかと思われた第5戦・メキシコでまさかのトラブルによる失速。その後、ローゼンクビストは勝利に恵まれることなく、現在はランキング5位と大きくその順位を下げてしまっています。
第4戦・サンチアゴで劇的な1-2フィニッシュを果たすことになったのがジャン・エリック・ヴェルニュ(テチータ)です。アンドレ・ロッテラー(テチータ)と共に完全にローゼンクビスト (マヒンドラ)が掴みかけた流れをひっくり返しました。ヴェルニュはその後、第6戦・ウルグアイではポールトゥウイン、さらに母国レースの第8戦・フランスでも勝利。リタイアは一度もなく、ノーポイントに終わったレースもなく、全戦でポイントを獲得しています。それだけに第10戦・チューリッヒでの失速は驚きました。
一方、第7戦・ローマで開幕戦以来の勝利を得たサム・バード(DSヴァージン)もコンスタントに上位フィニッシュを続けてきました。今季の表彰台獲得回数は6回とヴェルニュを上回っています。最終戦で逆転を狙うバードですが、戦う相手は元F1ドライバーのヴェルニュ。バードはF1では2012年にメルセデスAMGのテストドライバーを務めていたことがありましたが、レギュラーシートには恵まれず、WEC(世界耐久選手権)やル・マン、そしてフォーミュラEへと路線変更した経歴をもちます。フォーミュラルノー3.5やGP2でも速さを見せてきたドライバーですから、その速さや才能は誰もが認めるところですが、チャンピオン経験は意外にも2015年のWEC LMP2クラスの1回のみ。抜群の安定感でリタイアやアクシデントの少ないドライバーではありますが、シングルシーターレースでのチャンピオン経験がありません。
フォーミュラEにはシーズン1から参戦し、毎年勝利を飾っているサム・バード。悲願のチャンピオン獲得に向けてはニューヨークシティの第11戦、第12戦共に連勝することが最大の近道。予選でポールを獲得し、2連勝すればヴェルニュの順位次第では逆転も可能です。ただ、ヴェルニュも当然アグレッシブに攻めてくるはずですから、逆転は簡単ではないでしょう。
昨年のニューヨークで2レース共に優勝したのはサム・バード。ポールポジションも獲得していますから、これはバードに風が吹いている?と思いたいですが、昨年のコースからレイアウトは変わっており、0.5kmほどコース距離も延長。よりオーバーテイクのチャンスが増えるレイアウトになっているので、シーズン4の締めくくりはヴェルニュとバードのガチ対決に、今季初優勝を狙う猛者たちがオーバーテイク合戦でも絡んできそうですね。そうなったら、ドラマティックな結末が待っているかもしれません。今シーズンからJ SPORTSで始まった「フォーミュラE」の放送、そのクライマックスとなるビッグアップル(ニューヨークシティ)での戦いは見逃せません。最後に甘い果実をかじるのは一体誰でしょうか?
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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