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第6戦ポルトガルは今シーズン初めてのヨーロッパ内でのグラベル戦で各チーム万全の体制で乗り込んで来た訳ですが結果は大波乱。4つのファクトリーチームの上位選手があっという間に脱落。オジェ、タナク、ミケルセン、ミーク、ラトバラ、パッドンがノーポイントに終わりました。その代わり第2、第3ドライバーが激戦を展開しラリーそのものは最後まで気を抜けない緊張した展開を見せ、1位から5位まで60秒以内の面白い展開でした。
エヴァンス、ラッピ、スンニネンの活躍が目立ちました。次の時代の若手が育っていく姿を予感させます。ヌーヴィルだけが上手にすり抜け優勝の結果ヒュンダイはドライバー・チーム共に累計でポイントリーダーに初めてなりました。
サルデニアラリーはポルトガルと共に悪路ラリーですが硬い路面の表面の浮き砂利はスタート順の早い選手には大幅なハンデとなり、2回目走行では瓦礫が露出しサスやタイヤを痛めます。道幅は比較的狭く両端は立木があるので正確なドライブが要求されます。土曜日のSSではミッキーズ・ジャンプと呼ばれる周期の短い連続ジャンプがありこのラリーの特徴になっています。この時期の地中海は気温も高くドライバーや車の冷却に負担がかかります。アクロポリス・ラリーが無い今のWRCシリーズの中ではサルデニアは耐久的な走行が必要なラリーです。
歴史的にはラリー・イタリアはWRC創設以来のメンバーでサンレモ(モナコの近く)をベースに行われてきました。サンレモは当時の4日制の日程の中で初日と最終日がターマック、第2と第3日がグラベルというミックスラリーでした。FIAの安全委員のミシェル・ムトン女史はWRC史上初めての優勝経験者として1981年にこのラリーを制覇しています。
ポルトガルラリーのリタイア騒ぎでメーカーチームのうちヒュンダイとシトロエンに変動があると思われます。ヒュンダイのパッドンは怪我をしたので当分ヒュンダイはヌーヴィル、ミケルセン、ソルドになりそうです。シトロエンのミークは契約打ち切りのようでその代わりに会社はローブの復活を希望しているようです。ローブ自体はフル参戦に余り強い意欲を見せていないと報道されています。
ラリー概要は次のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1(6/7-6/8) | 9 | 124.86 km | 462.07 km | 586.93 km |
L-2(6/9) | 7 | 146.56 km | 480.82 km | 627.38 km |
L-3(6/10) | 4 | 42.04 km | 130.03 km | 172.07 km |
Total | 20 | 313.46 km | 1072.92 km | 1386.38 km |
比較的短距離SSが多い構成ですが30キロクラスのロングは4本、土曜日に集中しています。
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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