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モーター スポーツ コラム 2018年5月24日

【スーパースポーツ世界選手権 第6戦ドニントンパーク プレビュー】~トップ4台が僅か6点差の大接戦!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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「スーパースポーツ世界選手権」の第6戦がイギリスのドニントンパークで5月25日(金)~27日(日)に開催。J SPORTSでは日本人ライダーの大久保光(おおくぼ・ひかり)が出場するこのレースを5月27日(日)に生放送します。また、J SPORTSオンデマンドでもLIVE配信します。

前戦のイモラでは5度のワールドチャンピオン、ケナン・ソフォーグル(カワサキ)の引退が大きな話題となりました。度重なる怪我で現役として戦える状態での引退を希望したソフォーグルでしたが、なんと驚いたことに決勝レースのウォームアップラップの後、そのままピットに戻り、レースに参加しないまま、レースキャリアに幕を降ろすことに。マシンを降りてすぐにスタート瞬間を見届けようとピットウォールに向かう姿には、去りゆく王者が現役でレースを行うライダーたちに「ここは君たちが全力で勝負する舞台だ」というメッセージが込められていた気がしました。今までどのモータースポーツでも見たことがない引退レースの幕引きでした。

王者ソフォーグルが去り、「スーパースポーツ世界選手権」の次の時代を担うライダーたちの戦いは非常に熾烈になっています。イモラのレースでは今季からヤマハにスイッチしたジュール・クルーゼル(ヤマハ)がアッセンに続く2連勝を達成してランキング4位に浮上。ランキング首位は第2戦・タイのウイナー、ランディ・クルメナッハー(ヤマハ)の81点、2位に開幕戦・オーストラリアのウイナー、ルーカス・マヒアス(ヤマハ)の79点、3位に第3戦・アラゴンのウイナー、サンドロ・コルテセ(ヤマハ)の77点、そして4位に2連勝のジュール・クルーゼル(ヤマハ)の75点。なんと2点差ずつのギャップで4人のライダーが6点差でひしめき合う大混戦となっています。

新型YZF-R6が好調なヤマハユーザーを日本代表の大久保光(カワサキ)はなかなかキャッチアップできない状況で苦しいレースが続いています。一方でラファエル・デ・ローサ(MVアグスタ)は2戦連続でトップ争いに絡んでの表彰台獲得、ルーク・ステイプルフォード(トライアンフ)もシングルフィニッシュを3戦連続で達成し、ランキングではカワサキユーザーを上回ってきています。カワサキユーザーではアンソニー・ウエスト(カワサキ)のランキング9位が最上位となっています。

今シーズンは5戦を終えて、ウイナーは全てヤマハ。しかしながら、ここ2戦、ラファエル・デ・ローサ(MVアグスタ)の活躍でヤマハだけがチャンピオン争いをするという構図ではなくなってきている情勢です。ランキング6位につけるデ・ローサはトップから30点差。まだまだシーズンの折り返しを迎えていない段階ですから、チャンスは十分にあると言えるでしょう。

さて、そんな中迎えるイギリス、ドニントンパークでの戦い。高低差が激しく、前半区間はスピード域が高いサーキットで、アグレッシブにアクセルを開けていくライダーたちがスタートから凄まじい争いが期待できます。上位カテゴリーの「スーパーバイク世界選手権」はイギリス人ライダーが多いですが、多国籍なエントリーの「スーパースポーツ世界選手権」では少数派。ルーク・ステイプルフォード(トライアンフ)とカイル・スミス(ホンダ)がレギュラー陣の中ではその代表格となります。

中でもステイプルフォードが乗る「トライアンフ」はドニントンパークから30kmほどの所(レスターシャー州)に本社がありますから、まさにホームコース。孤軍奮闘するステイプルフォードですが、トライアンフのお膝元で表彰台獲得となればファンは大いに盛り上がるでしょう。

ドニントンパークでは引退したケナン・ソフォーグルが2015年から17年まで3連勝しており、その前の2014年はマイケル・ファン・デル・マークが勝利。今回6点差でランキング首位を争う4人の中にウイナーは居ません。ただ、連勝中のジュール・クルーゼル(ヤマハ)はMVアグスタ時代に2位が2回、昨年のホンダでも3位表彰台獲得とポディウム経験が多く、今回も優勝の筆頭候補と言えるでしょう。流れに乗っているクルーゼルが勢いそのままにライバルを凌駕し、さらにランキングを上げてくるかどうか注目です。

また、ドニントンパークを得意とするライダーとしてはアンソニー・ウエスト(カワサキ)も是非マークしておきたいところです。前戦・イモラでも6位フィニッシュを果たし、戦闘力という意味では足りない部分もありますが、やはり彼の職人的なライディングセンスはこういうコースで活きてくると思います。ウエストは過去にグランプリがドニントンパークで行われていた時代、250ccクラスで2003年に3位(当時アプリリア)、2005年には2位(当時KTM)を獲得。特に2005年はKTMの初陣となるレースでの表彰台フィニッシュでしたから、鮮烈な走りと仕事ぶりは後に彼をMotoGPクラスのカワサキファクトリーライダーへと引き上げる原動力となりました。カワサキユーザーにとって難しい局面が続く中、ウエストは起死回生の表彰台獲得となるでしょうか。

シーズンの流れを決めるであろう重要なドニントンでの戦い。チャンピオン争いから一歩抜け出すのは誰でしょうか。

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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