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モーター スポーツ コラム 2018年5月11日

【スーパーバイク世界選手権 第5戦イモラ プレビュー】~ドゥカティの地元で逆転の狼煙を!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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「FIMスーパーバイク世界選手権」のヨーロッパラウンドが続きます。第5戦の舞台はイタリアのイモラサーキット。5月11日(金)~13日(日)に開催されるレースの模様をJ SPORTSでは5月14日(月)にオンエア。また、J SPORTSオンデマンドでも5月14日(月)配信されます。

前戦・アッセンのRace2では、ついにトム・サイクス(カワサキ)が優勝しました。開幕戦のRace1から7レースに渡って表彰台から遠ざかってきたトム・サイクスでしたが、昨年の第7戦以来の優勝となり、今季4人目のウイナーに名を刻むことになりました。これで優勝はレイ、サイクス、デイビス、メランドリ。やはり今季もカワサキとドゥカティのライダーがウイニングライダーとなっています。

ただ、アッセンでは予選からヤマハが速さを見せました。アレックス・ロウズ(ヤマハ)が自身初となるポールポジションを獲得。しかし、何とも不運なことにチームがRace1のグリッド上でフロントに違うコンパウンドのタイヤを装着するミスを犯し、中盤から後退。Race2では転倒も喫し、結果に繋げることはできませんでした。

一方で、地元凱旋レースとなったマイケル・ファンデルマーク(ヤマハ)はRace1でジョナサン・レイ(カワサキ)とトップ争いを展開。地元のお客さんを総立ちにさせるオーバーテイクでトップを奪うも、レイの速さには敵わず。しかし、Race1で2位、Race2で3位と母国レースで堂々のダブル表彰台を獲得したことで、ヤマハYZF-R1のポテンシャルアップが顕著であることは証明されました。

第4戦・アッセンを終えて、ランキング首位はジョナサン・レイ(カワサキ)=159点、2位にチャズ・デイビス(ドゥカティ)=129点。3位にはマルコ・メランドリ(ドゥカティ)=115点、4位にマイケル・ファンデルマーク(ヤマハ)=103点、5位にトム・サイクス(カワサキ)=101点とトップ5が形成されています。ジョナサン・レイ(カワサキ)はチームメイトにRace2の優勝を譲ったものの、チャズ・デイビス(ドゥカティ)との差を30点に広げることに成功。1レース分のポイント以上ですから安全マージン圏内についに突入です。

ここで負けていられないのがドゥカティの2人。今回は地元イタリアでのレースということもあり、ドゥカティファンが大勢彼ら2人を応援することになります。しかも、ここ数年の傾向ですが、地元イタリアでドゥカティは息を吹き返すことが多くなっています。イモラでは2016年、2016年とチャズ・デイビス(ドゥカティ)が2年続けての4連勝中。イモラはフロントローから優勝する確率が極めて高いデータがあるのですが、昨年はリバースグリッドでも優勝しています。

そんな地元のファンに向けて一矢報いる走りをしたいのはマルコ・メランドリ(ドゥカティ)でしょう。今季は開幕戦・オーストラリアで2連勝を飾り、一気に波に乗って行くのかと思いきや、そのあとは3位が1回だけ。アッセンのレースもうまく行きませんでした。カワサキにハンデがある状況だからこそ、今の内に勝利を積み重ねたいドゥカティですが、メランドリの失速は手痛い状況と言えます。ヤマハが速さを発揮してきているだけにメランドリの復活を地元のファンは望んでいます。

そして、苦しい状況というと、ホンダはライダーの負傷で厳しい戦いを強いられています。第3戦の多重クラッシュの影響でレオン・キャミア(ホンダ)は第4戦アッセンを欠場。さらにジェイク・ガニエ(ホンダ)もアッセンのフリー走行でクラッシュし、背中を痛めてレースを欠場。イモラで2人とも復帰できるか微妙な状況となっています。2人の早期復帰を祈るしかありません。

プライベーターで元気なのは今季から「スーパーバイク世界選手権」に参戦中のトルコ人ライダー、トプラック・ラズガットリオーグル(カワサキ)です。レースでも攻撃的な走りを見せ、何度もカメラに映り込むトルコ人ライダーのラズガットリオーグルはシングルフィニッシュを積み重ねていて、第4戦を終えてランキング8位。ポイント差は離れているものの、ファクトリーライダーに継ぐ位置につけています。今回は600ccの「スーパースポーツ世界選手権」に参戦するトルコの大スター、ケナン・ソフォーグルが引退するレースとなります。そんな先輩からバトンを受け継ぐ21歳の若手の元気な走りも注目です。

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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