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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年07月17日

J2第18節 横浜FC×柏@ニッパ球

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1ヵ月の中断を挟んで再開されるJ2。この待ち望んだ日に訪れた会場は三ツ沢。15位の横浜FCと首位の柏が激突します。大枠で両チームのここまでを振り返ると、まず横浜FCは岸野靖之新監督の下、開幕3連勝と最高のスタートダッシュを切りましたが、直後に5連敗。さらに10節から13節までにも4連敗を喫するなど、現在は下位に沈んでいます。一方の柏は、既に2回の3連勝を記録するなどJ2を席巻。現在も6連勝中で、16戦無敗という凄まじい結果を残して首位を独走。置かれた現状こそ違うものの、2007年昇格同期が再びJ2で顔を合わせることになりました。さて、横浜FCは大黒将志の穴を埋めるべく獲得したカイオが移籍証明書の関係で今節の出場ができなくなりましたが、9節以降はスタメンを張り続けている1トップの西田剛が開始19秒でミドルを放つなど、意欲を見せます。ただ、2分に田中順也のパスを工藤壮人が爪先でGKを破り、カバーに入った戸川健太が何とかクリアしたシーンを経ると、そこからは柏の時間帯が続く格好に。この大きな要因は、両チーム共に4-2-3-1を敷く中で、中盤の3に当たる部分のボールタッチだったでしょうか。横浜は右から武岡優斗、寺田紳一、高地系治と並んだ3人がなかなかボールを引き出せず、西田との距離も遠い場面が目立ち、効果的な攻撃を繰り出せません。一方の柏は澤昌克、レアンドロ・ドミンゲス、田中順也が中央とサイドを自在に泳ぎ、攻撃を活性化。特に右サイドの澤は高いキープ力を生かしたドリブルで、チームに勢いとアクセントをもたらします。すると27分には素晴らしい崩しから決定的なシーンを創出。左サイド、大谷秀和が田中のリターンで食い付いた相手を完全に外したパスを通すと、フリーで駆け抜けた橋本和は最高のクロス。飛び込んだフリーの澤は頭で狙いましたが、ボールはゴール右へ。先制点は奪えません。すると、ボール保持が長く、主導権は握りながらもチャンスをなかなか創り切れない柏は、焦れたように長いボールを入れてボールロストするシーンも頻発。この隙を横浜が突いたのは32分。武岡のスルーパスで高地が抜け出し、コースを狙ったシュートを打ちますが、ボールは枠のわずか左へ。リードを奪うまでには至らなかったものの、ここに来て中盤の流動性で惜しいシーンを創ってみせます。しかし、先制ゴールは柏に。前半も所定の45分を1分回ると、メインスタンド側のスローインは微妙な判定でしたが柏ボール。これに高地が抗議している間に、小林祐三が投げ入れたボールで、高地のマークを振り切ったレアンドロが悠々とスルーパスを供給。裏へ走り出した工藤は、冷静にGKの二アサイドを破る一撃。今や押しも押されぬエースに成長した20歳が、この日は対峙するキム・ユジンが見せた粘り強い対応の前に苦しみながらも、リーグ戦では3戦連発となるゴールをマーク。柏がリードを奪います。ところが、このリードは1分で霧消。横浜FCは失点直後、右サイドを崩しにかかり、武岡のクロスを受けた西田のシュートは菅野が驚異的な反応でストップしましたが、こぼれに反応したのはFC東京からレンタル移籍してきたばかりの「初めての相手がレイソルというのは楽しみだった」と語る左SB阿部巧。Jリーグ初出場でいきなり初ゴールと「一生に1回しかないやつ」(岸野監督)を見事に成し遂げます。最後の2分間で「お互いに勝つという気持ちが出た」(柏・ネルシーニョ監督)前半は、同点でハーフタイムに入りました。迎えた後半、いきなり柏に決定機が到来。47分、「明らかに両サイドが同時に上がっちゃってた」(岸野)横浜FCを尻目に、柏がカウンターを仕掛けると人数は攻撃側が上回り、レアンドロのパスから澤がフィニッシュ。一度は横浜GKシュナイダー潤之介が防ぎましたが、再び澤がプッシュ。「すんなりとは決められませんでしたけど」と苦笑した澤の今シーズン2点目で、柏が勝ち越しに成功しました。さて、ここからはリードしたアウェイチームがゲームを掌握していくかのように思えましたが、そういう展開にはなりません。澤が「リードしてからはチグハグしたような時間帯が長くて、なかなかボールが前で収まらなかった」と振り返ったように、守備的な意識が働いた訳ではないようですが、柏は攻撃に出るタイミングの思い切りも悪く、人数を掛けて攻め切るようなシーンは生まれません。逆になんとなく時間が経過していく中で、「走れて戦えるっていうキーワード」(岸野監督)の下に送り出されている選手で構成された横浜が躍動し始めます。これに勢いを加えたのが、監督の采配。71分に右SBの柳沢将之を下げて、エデルを投入すると、このブラジル人の小気味いいドリブルに、柏が後手を踏むシーンも。さらに、77分に西田と替わって送り出された難波宏明も、いきなり投入1分後に寺田のスルーパスから、あと一歩で決定機というチャンスに絡むと、83分には八角剛史の右クロスを完璧なヘディングで捉えますが、ここは元チームメイトの菅野が信じられないような超ファインセーブでゴールを死守。同点には追い付けません。柏は74分に登場した大津祐樹が、負傷によって10分間のみの出場で林陵平と替わるなど、予期せぬアクシデントも発生。流れは一層横浜へ。4分が提示された追加タイムも3分が過ぎ、阿部のFKから高く上がった浮き球を難波が拾って、シュートまで持ち込むと、ここも菅野が飛び出しブロック。思わず菅野は自身が守っていたゴール裏に陣取る柏サポーターにアピール。気合いを見せ付けます。そして、柏のカウンターがレアンドロのファウルで潰えたプレーからのFK。時間は95分とまさにラストプレー。バックスタンド側に流れたボールを拾ったのはエデル。切り返して、切り返して、縦に持ち出し、思いを託した中央への折り返しに足を出したのは戸川。奮闘していたCBが土壇場で大仕事。2-2。両者勝ち点1を分け合う結果になりました。柏からすれば勝ち点2を落とした形になりましたが、「相手もガツガツ来たり、引いて守ったりと自分たちを相当研究していたように感じた。しょうがないと言えばしょうがない」と澤が話したように、切り替えはできている様子。指揮官も「お互いのいい所が出たゲーム。再開後は何試合か積み重ねていくことが大事」と語るなど、ダメージは大きくなさそうでした。横浜は固定しきれていなかった左SBに、阿部が名乗りを挙げたことは収穫。「こうやってピッチに立って戦えて、ある程度やれる自信はついた」と本人が言えば、岸野監督も「ビビったら絶対使わへんと本人にも言っている。初めてで点取って、堂々とプレーしていたと思う」と一定の評価。この19歳とカイオは果たして今後の巻き返しに向けた重要なピースとなり得るでしょうか。    AD土屋




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