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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年07月28日

J1第15節 大宮×横浜FM@NACK5

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ホムスタに乗り込んだ神戸との“三浦俊也ダービー”は、鈴木の移籍後初ゴールとなる弾丸FKこそ決まりましたが、結果は3-1の敗戦。最下位の京都と勝ち点は並んでの17位と苦しい戦いが続く大宮。対するは順位こそ中位付近で上下動しているものの、素晴らしいゲームをしたかと思えば、次のゲームはとんでもない内容だったりする横浜FM。ハッキリ言って、まったく試合の行方がわからない一戦です。スタメンを見ると、大宮の鈴木淳監督は「ラファエルは左右に動いてボールを引き出すが、前で基点が欲しかった」と、就任後初めて市川を2トップの一角で起用。また、最終ラインでは深谷の負傷を受けて坪内をCBに配し、右SBには2試合続けて渡部を使ってきました。一方、木村和司監督は前節とまったく同じ11人を選択。17歳の小野裕二も2試合続けてスタメンに名を連ねています。さて、ゲームは「守備をもう1回しっかり意識して、まず点を取られないように」(大宮・村上和弘)立ち上がりを入った大宮が、DFラインこそ高さを保ちながらも、ある程度は受ける展開に。ただ、6分には金澤のミスパスから、9分には青木のボールロストから、それぞれ危ないシーンを迎えるなど、鈴木監督も「ルーズボールを拾われてペースを握られていた」と認めた通り、やや大宮は不安定なドイスボランチの所を使われ、劣勢に回ります。横浜で目立っていたのは、珍しく中盤の左サイドに入っていた中村。「自分が引き出されてチャンスを創られた」と大宮のボランチ金澤が振り返ったように、比較的低い位置でボールを受け、小野と渡邉の速い動き出しを生かすパスを常に狙うなど、大宮の最終ラインを牽制。さらに、25分、27分と共に直接ゴールを狙ったFKは自らファウルを獲得したように、バイタルへ入ると積極的な仕掛けを披露。まだ細かなミスは散見されるものの、だいぶ状態は上がってきたと見てよさそうです。35分、押し込まれていた大宮にチャンス。中盤で横浜の清水からボールを奪った藤本が右へ送ると、上がってきた渡部は切り返しで1人かわして強烈な左足シュート。飯倉に弾き出されましたが、積極性を打ち出します。ところが、ここから横浜が決定機3連発。38分、渡邉が左のスペースへ送ったパスは、渡部が懸命に足を伸ばすと、相手にとって絶妙のスルーパスになってしまいましたが、小野のシュートはゴール左へ。41分には渡邉、兵藤、小野と繋いで、兵藤のラストパスから渡邉のシュートは北野がキャッチ。44分、村上の中途半端なバックパスをかっさらった小野が、マトを振り切ってシュートまで持ち込むも、枠は捉えられず。何とか大宮が凌ぐ格好で、スコアレスのまま前半は終了しました。後半も48分に小野のキープから、最後は中村が枠へ飛ばしたシュートが横浜の号砲。指揮官は「チェンジサイドをもっと意識させたが、どうしてもうまく行かなかった」と不満顔でしたが、中央から決定的なシーンを創出します。56分、小椋のスルーパスに反応した渡邉はフリーで抜け出しましたが、飛び出した北野の好対応でシュートまで至らず。57分、中村が右サイドから軽く浮かせたパスを通し、小野が狙いましたが、ここも北野がストップ。大宮も水際で押しとどまります。69分に木村監督は2枚替え。シュート5本を記録しながら「早く点が欲しいという焦りがあったかな」(木村監督)と見た小野と渡邉を引っ込め、フル代表経験者の山瀬に坂田と、かなり豪華なベンチメンバーをピッチへ送り込みます。すると2分後には、この2人から絶好の先制機が。左サイドをその坂田と山瀬で崩して中へ送ると、中村がコースを狙ってシュート。北野が驚異的な反応でストップするも、こぼれを兵藤が再び狙うと、今度は「(劣勢にも)しっかり我慢できていた」と語る村上が体でブロック。粘る大宮。失点を許しません。鈴木監督の規則正しい交替策。60分に鈴木OUTで石原IN。70分に藤本OUTで杉山IN。そして「相手の運動量が落ちて中盤が空いたことで攻撃できた」(鈴木監督)時間帯の80分、市川に替わって左SHに入ったドゥドゥがゲームを劇的に動かします。「チームの決勝点に繋がるゴールを奪うことしか考えてなかった」というドゥドゥは、81分に左から際どいクロスを入れると、そこから渡部のクロスバーに当たるシュートが生まれ、84分にも中盤から右へ展開して、渡部と杉山で創りかけたチャンスの基点になります。ここに来て、ようやく訪れた大宮の時間。すると86分、左右に揺さ振る攻撃から、青木のパスを受けたドゥドゥは「僕がボールを受けたら、もういい動き出しをしていた」と村上にラストパス。「ドゥドゥと目が合った」村上が「反対サイドに思いっきり蹴った」ボールは、サイドネットに激しく突き刺さる先制弾。残り4分で大宮が1点をリードしてみせました。あれだけ押し込みながら、まさかの失点を許した横浜は、88分に清水を下げて長谷川を投入。CBの栗原も最前線に上げて、最後の総攻撃に打って出ます。90分、長谷川、兵藤と回して、右サイドから蹴った山瀬のクロスに、栗原が豪快なヘディングも、ボールはバーの上へ。追い込まれた横浜。しかし、25番の執念がゲームを揺り動かしました。大宮は左サイドからのスローイン、ラファエルがキープに入ると、激しいプレスでボールを奪ったのは中村。そのまま縦に付けると、山瀬が速いクロス、飛び込んだ長谷川のシュートは北野を打ち破ります。「ボランチとSBがバランスの悪い状態」(鈴木監督)を突かれた大宮でしたが、この状況を創り出したのは中村のボール奪取。ファンタジスタの“守備”がゴールを生み出し、終盤に激しく動いたゲームは勝ち点1ずつを分け合う結果となりました。横浜からすれば、圧倒的攻勢の中でワンチャンスを決められて負けるという、フットボールではありがちな展開寸前で追い付き、引き分けに持ち込んだことは「よしとしなくちゃいけないのかな」(木村監督)というのが本音でしょう。中村が復調傾向にあり、小野が前線の推進力となる状況下では、やはり渡邉、坂田、山瀬らの奮起が上昇への絶対条件です。土壇場で追い付かれた大宮は、「もったいなかった」(藤本)という部分と、「次に繋がるゲームではあった」(鈴木監督)という部分が入り混じる結果。ただ、あれだけ攻められてもよく守った守備陣は称賛モノ。あとはJ1でも屈指の能力を持つラファエルをうまく生かすスタイル構築によって、攻撃力を少しでも高めることは急務ですね。     AD土屋




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