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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年07月24日

J1第14節 浦和×広島@埼スタ

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再開初戦となった先週末のG大阪戦は、90+3分にエジミウソンのゴールで同点に追い付きながら、90+4分に遠藤のゴールを許して、勝ち点を得られなかった浦和。3失点と守備へ不安を残した上に、CBの山田暢久が出場停止。フォルカー・フィンケ監督は代役にリーグ2試合目のスタメンとなるスピラノビッチを指名しました。対する広島は、11節延期分のC大阪戦で0-5と大敗を喫したものの、先週末の横浜FM戦では3-0と完勝。振れ幅の大きな2試合を経て、乗り込むのは過去5戦全敗の埼玉スタジアム。両指揮官とも高い“理想”を掲げるタイプだけに、噛み合えばかなり面白いゲームになりそうな予感の中で、キックオフを迎えました。ゲームが始まると、しっかり繋ぐ意志を見せる浦和に対して、広島は最終ラインのストヤノフや、ドイスボランチの青山と中島から、長いボールを浦和DFラインの裏へ簡単に蹴り込む戦い方を選択。これには古巣対決となった柏木も「繋がずに縦1本で来ていたので、らしくないかなと」いう感想を持ったようですが、実際に6分にはストヤノフのフィードから佐藤が抜け出してボレー。11分にもシンプルなフィードに抜け出した山崎のクロスを、森崎浩司がダイレクトで狙うと、山岸のファインセーブに阻まれたものの、しっかりチャンスに結び付けます。このスタイルに関して、ペトロヴィッチ監督は「このスタジアムではナイーブなゾーンでボールを奪われて、点を取られたりして負けてきたので、我々は4バックの裏に長いボールを出して、浦和の狙いをうまく外した」と説明。また、佐藤は「2CBが成熟していないコンビだったので、そこを突けばチャンスがあるかなと」理由を明かし、「(中島)浩司さんからのフィードはオフサイドになりましたけど、自分の中ではうまくラインと駆け引きして抜け出せました」と、そのスタイルの中に手応えを感じていたようです。22分には、また広島にチャンス。青山のパスから、山崎が落としたボールに飛び込んでシュートを放ったのは、CBの槙野。ここも山岸に防がれましたが、少ない手数でも、よりゴールの可能性が高そうなのは広島だったように感じました。浦和はボールキープの時間は長い中、「5-4-1のような形で自陣に入ってからマークするような形」とフィンケ監督が評した広島の守備網をなかなか破れず、チャンスを創り出せません。1トップに入るエジミウソンのすぐ下に並ぶ3枚、柏木、山田直輝、田中が間違いなく攻撃のスイッチですが、「ちょっと直輝との距離が遠くて、パンパンボールを繋げなかった」とは柏木。なかなか4人の効果的なコンビネーションは見られず、枠内シュートは13分にサヌのロングスローから田中が狙った1本だけ。確かに浦和から見れば「前半はほぼ危険なシーンはなかった」(フィンケ監督)とはいえ、それは広島から見ても同様。まずは非常におとなしい45分間が経過していきました。後半はまず浦和がラッシュ。49分、ストヤノフのミスパスを奪った田中が、山田直輝とのワンツーからエリア内へ潜り込むも、わずかにドリブルが大きくなり、シュートまでは至らず。56分には決定機。柏木、田中と繋ぎ、DFに当たって高く上がったボールを柏木がヘディング、エジミウソンがボレーで狙いましたが、ボールはバーの上へ。さらに直後にも、エジミウソンが右サイド深い位置から上げたクロスをストヤノフが何とかクリア。ゴールへの意欲と勢いを打ち出すと、フィンケ監督も「先制点を奪いたくて、ゴール前の危険度を高めたかった」と、62分にやや精彩を欠いた山田直輝を下げ、ポンテを投入して勝負に出ます。ただ、65分に気になるシーンが。細貝のミドルがDFのブロックに遭い、そこから広島のカウンターがスタート。結果的には広島も5対4の数的優位を生かせず、シュートまでは至らなかったのですが、浦和は戻った4人の内、1人は細貝。苦しいピンチにも歩いていた選手が目立ち、守備の献身性は決して高いとは言えなかったと思います。68分、「できる限り交替させたくなかったが、ハーフタイムの時点で90分持つかわからないという話があり、本人が交替のサインを出してきた。本当に残念」と監督も悔しがったのは、CBのスピラノビッチと堀之内の交替。ここで一瞬生まれたエアポケットを、広島が突いてみせます。72分、ここまでいつもに比べて攻め上がりを自重している感があった槙野が、左サイドからドリブルで持ち上がり、エリア内の佐藤へ。佐藤は「(服部)公太さんに落とそうと思ったが、相手がそっちをケアしにいったので」軌道修正して、丁寧なラストパスを槙野の足下へ送ると、まるでストライカーのようなワンタッチゴールを5番のCBは突き刺します。ある意味、“点取り屋”としての嗅覚は、チームで1、2を争うであろう2人のシンクロ。大きな大きな先制ゴールを奪った広島は、終盤にチームで最も闘っていた細貝に替えてエスクデロを送り込み、反攻へ出た浦和に最後まで決定的なシーンを創らせず、シャットアウト。「あんまりいいサッカーとは言えなかった」(槙野)「サンフレッチェのサッカーという観点から言うと満足していない」(ペトロヴィッチ監督)中でも押し切る力強さを発揮して、浦和ホームのリーグ戦では1998年以来となる勝利を挙げました。敗れた浦和は、なかなか山田直輝が生きてきません。草津戦でも試していた4-1-4-1だと、もう少し山田直輝と柏木の連携が取れそうですが、そうすると阿部か細貝のどちらかはベンチの可能性大。守備のバランス維持に2人は不可欠の存在ですから、フィンケ監督も難しい決断を迫られています。勝った広島は、エースの佐藤が「まだまだ広島で成長していくことを見せていかなくてはいけない」とチーム残留を決断。とりあえず一安心といった所でしょうか。青山や森脇、高萩、ストヤノフなどケガ人もすっかり戻ってきて、ここからギアが上がっていきそうな印象を受けました。    AD土屋




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