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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月29日

(53)決勝トーナメント1回戦 オランダ×スロヴァキア

foot!
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決勝トーナメント1回戦
2010/6/28 16:00 モーゼス・マビダ(ダーバン)
オランダ×スロヴァキア

天候:晴れ 気温:23度 観客:61,962人
主審:ウンディアーノ・マジェンコ(スペイン)

【オランダ】
GK
1 マールテン・ステケレンブルフ
DF
2 グレゴリー・ファン・デルヴィール■
3 ヨニー・ハイティンハ
4 ヨリス・マタイセン
5 ジオヴァニ・ファン・ブロンクホルスト(C)■
MF
6 マルク・ファン・ボメル
8 ナイジェル・デ・ヨンク■
11 アリエン・ロッベン
10 ウェズレイ・スナイデル①
7 ディルク・カイト①■
FW
9 ロビン・ファン・ペルシー①■
SUB
16 ミシェル・フォルム
22 サンデル・ボスフケル
12 ハリド・ブラルーズ
13 アンドレ・オーイエル
15 エドソン・ブラーフハイト
14 デミー・デ・ゼーウ
18 スタイン・スハールス
20 イブラヒム・アフェライ
23 ラファエル・ファン・デル・ファールト■
17 エルイェロ・エリア
19 ライアン・バベル
21 クラース・フンテラール①
監督
ベルト・ファン・マルヴァイク(オランダ国籍)

(4-2-3-1)
-------ファン・ペルシー-------
------------------
--カイト---スナイデル---ロッベン-
-----デ・ヨング--ファン・ボメル-----
-------------------
-ジオ-マタイセン-ハイティンハ-ファン・デル・ヴィール-
-------------------
-------ステケレンブルフ-------

【スロヴァキア】
GK
1 ヤン・ムハ■
DF
2 ペテル・ペカリク■
3 マルティン・シュクルテル
16 ヤン・ドゥリツァ■
5 ラドスラフ・ザバフニク
MF
17 マレク・ハムシク(C)
19 ユライ・クチュカ
15 ミロスラフ・ストフ
7 ウラジミール・ヴァイス■
18 エリック・イェンドリシェク
FW
11 ロベルト・ヴィッテク③■
SUB
12 ドゥサン・ペルニス
23 ドゥサン・クチャク
4 マレク・チェフ
21 コルネル・サラタ
22 マルティン・ペトラシュ
8 ヤン・コザク
10 マレク・サパラ
20 カミル・コプネク
9 スタニスラフ・シェスターク■
13 フィリップ・ホロシュコ
14 マルティン・ヤクブコ
6 ズデノ・シュトルバ■■(警告累積による出場停止)
監督
ウラジミール・ヴァイス(スロヴァキア国籍)

(4-2-3-1)
-------ヴィッテク-------
-------------------
-イェンドリシェク--ヴァイス---ストフ--
-----クチュカ---ハムシク-----
-------------------
-ザバフニク-ドゥリツァ-シュクルテル-ペカリク-
-------------------
---------ムハ---------

【マッチレポート】
参加32チームの中で、3連勝を飾ったわずか2チームの内の1つでもあるオランダ。
デンマーク戦や日本戦で見られたような、ある程度ブロックを築いた時の
割り切った力強さは、近年のオランダの中でもトップクラスのように見える。
前回王者イタリアに3-2で殴り勝ち、サプライズ的に勝ち上がってきたスロヴァキア。
守備面にはやや不安を抱えるが、ここまで3ゴールのヴィッテクや、
サイドアタッカーのヴァイスやイェンドリシェクなど攻撃のタレントは豊富。
果たしてヨーロッパの勢力図に新たな変革を起こせるか。
ファン・マルヴァイクが送り出したメンバーで、最大のトピックはロッベンの戦列復帰。
チャンピオンズリーグのキレをこの大舞台でも発揮できるか。
一方のヴァイスは、不動のボランチだったシュトルバの出場停止を受け、
ハムシクを一列下げてボランチに。1トップに入ったヴィッテクの下に
右からストフ、息子のヴァイス、イェンドリシェクと
攻撃的なタレントをフル活用してオレンジ軍団に挑む。
まず2分はスロヴァキア、ヴァイスの横パスからイェンドリシェクのシュートはバーの上へ。
5分はオランダ、ロッベンの横パスからスナイデルのシュートはバーの上へ。
6分はスロヴァキア、ヴィッテクのポストプレーからイェンドリシェクが繋いで、
ハムシクの左足ミドルはゴール左へ。
同じく6分はオランダ、ファン・ブロンクホルストのカットからカイトのミドルはゴール左へ。
ここまでは交互にフィニッシュまで持ち込む展開。
スロヴァキアも決して怯むことなく、積極的な姿勢を立ち上がりから見せる。
7分、ここでゲーム最初の決定機はオランダに。
カイトが左サイドから右足でクロスを送ると、ファン・ペルシーはフリーでヘディング、
何とか絞った左SBのザバフニクが体でブロックしたが、
ややボールウォッチャーになったスロヴァキアディフェンスに隙が見える。
11分にもオランダに大きなチャンス。
ファン・ペルシーがDFを引き付けて左に送ると、そこにはフリーのスナイデル。
ちょっと力んだシュートはGKの正面を突く。
少しずつオランダが好機を掴んでいくものの、まだ流れは五分。
しかし18分、オランダの保有するタレントがその真価を見せ付ける。
自陣でボールを奪った流れ、スナイデルは60m近いパスを右サイドへ送る。
走ったのはロッベン。裏を取られたザバフニク、カバーに入ったドゥリツァは
一瞬外側を回ったファン・ペルシーに意識が行きかけると、
見逃さないロッベンはカットインから、何とGKのニアサイドを瞬時に射抜く。
やはりこれがタレントの力。流れを引き寄せ切れなかったオランダが、
カウンターからの個人技で鮮やかに先制してみせた。
ここからは、リードを奪ってさほど前へとは出てこなくなったオランダに対して、
スロヴァキアも有効打を繰り出せず、シュートもほとんどない膠着した展開に。
ハムシクがボランチに入り、低い位置ではボールを保持できるスロヴァキアだが、
アタッキングゾーンにまではパワーを持って侵入していけない。
また、序盤は中盤3枚のセンターに入ったヴァイスと、左のイェンドリシェクが
盛んにポジションチェンジを繰り返すことで、ややオランダを困らせていたように見えたが、
それも時間を追うごとに少なくなり、中盤の推進力が減退してしまう。
41分、ファン・ペルシーは中央からドリブルで持ち込んで右足のシュート。
ボールは力なくGKムハの腕に収まるが、このレフティーは右足でのシュートも
躊躇せずにチャレンジしていく姿勢が今大会でも常に見られ、
カメルーン戦ではその右足でもしっかりゴールを奪っている。
こういう辺りにFWとしてのメンタリティの強さが窺えるのではないか。
オランダ先制後、だいぶ動きの少なくなったゲームはまず最初の45分間を終えた。

後半に入り、先にチャンスを創ったのは
前からプレッシャーには行かず、しっかりとスペースを埋めて
堅固なブロックを形成していたオランダ。
50分、ファン・ペルシーがエリア内へドリブルで入ると、
ドゥリツァは何とかクリアしたが、そのボールは右サイドにいたロッベンの足元へ。
1点目のような鋭いカットインから左スミを狙ったシュートは、
ムハがわずかに右手で弾き出す。
1分後、その流れからのCK、一度はスロヴァキアもクリアしたものの、
再びロッベンが左サイドでカイトとのワンツーから抜け出し、中へ送ると、
残っていたマタイセンが至近距離からダイレクトでシュート、
ここもムハは顔面でファインセーブ。しかしロッベンが止まらない。
スロヴァキアはポストプレーにも定評のある1トップのヴィッテクに
なかなかボールが収まらず、攻撃の基点を作れない。
彼の下に並んだ3人はいずれも機動力と前への意欲はあるだけに、
何とかそこで時間ができれば、もう少し局面を打開できるとは思うのだが。
63分、クチュカはわずかに枠を外れはしたが、40m近いミドルを打ち込む。
この23歳はイタリア戦でも積極性が目立っていた。
ハムシクがややおとなしかったこのゲームでは、
むしろ横にいたクチュカの方が可能性をチームにもたらしていた印象だ。
65分、オランダにカウンターのチャンス、
スナイデルは自陣で右へ展開、走ったロッベンのスルーパス、
スナイデルは外側に持ち出した方がスペースはあったが
内側に切り返してのシュートはペカリクが体でブロック。
こういう脅威があることで、オランダはこの戦い方を選択できる。
67分、スロヴァキアに久々のビッグチャンス、
やはり基点はヴィッテクが顔を出したポストプレー、
ハムシクから左でボールを受けたストフはスルスルとカットインから
思い切ってシュートを放つと、ステケレンブルフはフィスティングで逃げる。
続けてビッグチャンス。この日最大の決定機がスロヴァキアを待っていた。
67分、右からの攻撃、上がっていたCBのドゥリツァが
ファン・ブロンクホルストをキックフェイントでかわして左へ、
イェンドリシェクはダイレクトで縦に速いボールを入れる。
受けて一発で見事なターンから前を向いたヴィッテクは
完全にGKと1対1の状況でシュートを放ったが、
ここもステケレンブルフが右手一本でファインセーブ、
ようやく掴んだ同点の機会を生かすことができない。
71分、両指揮官が動く。
オランダはロッベンが下がって、エリアを投入。
スロヴァキアはイェンドリシェクに替わって、
イタリア戦でとどめの3点目を入れたコプネクが中盤に送り込まれる。
78分には、またもスロヴァキアに大きなチャンス。
ヴァイスが左から折り返したボール、クチュカのシュートはDFに阻まれるも、
こぼれ球がヴィッテクの目の前に。絶好のシュートチャンス。
ところが焦ったヴィッテクは、自らシュートのタイミングを逸し、
3人のDFに囲まれた状態からバーの上へと打ち上げてしまう。
すると84分、スロヴァキアが焦れて集中を欠いた瞬間を、
オランダが老獪に突いてみせる。
左サイドでファウルを受けた途中出場のフンテラール、
シュクルテルはノーファウルを主張して帰陣が一瞬遅れる。
ファン・ブロンクホルストはこれを察知して、クイックでアーリークロス気味のFK、
飛び出したムハを鼻先でかわしたカイトは中へ折り返すと、
スナイデルがGK不在となったゴールへの一撃を外す訳がない。
残り5分、オランダがあまりにも大きい追加点を奪って、実質勝負を決めた。
93分、スロヴァキアも自らの爪跡を決勝トーナメントに刻む。
左サイドからのミドルはDFに当たってラインの裏へこぼれ、
反応したのは途中から出場していた193センチのFWヤクブコ。
飛び込んだステケレンブルフはヤクブコを倒し、判定はPK。
ヴィッテクは自身今大会4点目となるキックを左スミへと冷静に流し込むと、
その直後にウンディアーノ・マジェンコのホイッスルがダーバンの地に響き渡る。
スロヴァキア史上、初となるワールドカップの冒険はベスト16で完結した。
それでもイタリアを破り、オランダも一時は苦しめるなど、
そのポテンシャルは十分に発揮されたと言っていいだろう。
オランダは先制点を取ってしまうと無類の強さを発揮する。
この安定感は凄い。ロッベンもいきなりゴールを決めるなど、復活をアピール。
まだまだ初戴冠への道は遠いが、その視界は日を追うごとに開けていく。

オランダ 2×1 スロヴァキア
【得点者】
オランダ:ロッベン①(18分)、スナイデル②(84分)
スロヴァキア:ヴィッテク④(90+4分=PK)
【警告/退場】
オランダ:ロッベン①(31分)、ステケレンブルフ①(90+3分)
スロヴァキア:クチュカ①(40分)、コプネク①(72分)、シュクルテル①(84分)
【交替】
オランダ:ロッベン→エリア(71分)
      ファン・ペルシー→フンテラール(80分)
      スナイデル→アフェライ(90+2分)
スロヴァキア:イェンドリシェク→コプニク(71分)
         ハムシク→サパラ(87分)
         ザバフニク→ヤクブコ(87分)
【AD的Man of the Match】
アリエン・ロッベン(オランダ)

《ベスト8組み合わせ》
7/2 16:00@ポートエリザベス 
オランダ×ブラジルとチリの勝者

写真は、ロッベン飛躍の地「アイントホーフェン」
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AD土屋

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