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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月28日

(52)決勝トーナメント1回戦 アルゼンチン×メキシコ

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決勝トーナメント1回戦
2010/6/27 20:30 サッカー・シティ(ヨハネスブルグ)
アルゼンチン×メキシコ

天候:晴れ 気温:14度 観客:84,377人
主審:ロベルト・ロゼッティ(イタリア)

【アルゼンチン】
GK
22 セルヒオ・ロメロ
DF
15 ニコラス・オタメンディ
2 マルティン・デミチェリス①
4 ニコラス・ブルディッソ
6 ガブリエル・エインセ①■
MF
14 ハビエル・マスチェラーノ(C)■
20 マキシ・ロドリゲス
7 アンヘル・ディ・マリア
10 リオネル・メッシ
FW
9 ゴンサロ・イグアイン③
11 カルロス・テベス
SUB
1 ディエゴ・ポソ
21 マリアーノ・アンドゥハル
3 クレメンテ・ロドリゲス
12 アリエル・ガルセ
13 ワルテル・サムエル
5 マリオ・ボラッティ■
8 フアン・セバスチャン・ベロン
17 ホナス・グティエレス■
23 ハビエル・パストーレ
16 セルヒオ・アグエロ
18 マルティン・パレルモ①
19 ディエゴ・ミリート
監督
ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン国籍)

(4-4-2)
----イグアイン----テベス----
--------メッシ--------
-ディ・マリア--------M・ロドリゲス-
-------マスチェラーノ-------
------------------
-エインセ-サムエル-デミチェリス-オタメンディ-
-------------------
--------ロメロ--------

【メキシコ】
GK
1 オスカル・ペレス
DF
16 エフライン・フアレス
5 リカルド・オソリオ
2 フランシスコ・ロドリゲス■
3 カルロス・サルシード
MF
17 ジオバニ・ドス・サントス
4 ラファエル・マルケス(C)①
6 ヘラルド・トラード■
18 ホセ・アンドレス・グアルダード
FW
21 アドルフォ・バウティスタ
14 ハビエル・エルナンデス①■
SUB
13 ギジェルモ・オチョア
23 ルイス・ミチェル
12 パウル・アギラール
15 エクトル・モレーノ■
19 ホニー・マガジョン
20 ホルヘ・トーレス・ニロ
7 パブロ・バレーラ
8 イスラエル・カストロ■
9 ギジェルモ・フランコ■
10 クアウテモク・ブランコ①
11 カルロス・ベラ
22 アルベルト・メディーナ
監督
ハビエル・アギーレ(メキシコ国籍)

(4-4-1‐1)
--------エルナンデス--------
--------バウティスタ--------
--グアルダード-------G・ドス・サントス--
------トラード---マルケス------
-------------------
-サルシード-ロドリゲス-オソリオ-フアレス-
-------------------
---------ペレス---------

【マッチレポート】
不安視されていた監督の采配も理に適ったものばかりで、
すっかり優勝候補筆頭クラスの評価を改めて受けているアルゼンチン。
マラドーナに対する見方も徐々に変わりつつある。
グループリーグ最終節のウルグアイ戦には敗れたものの、
フランスに完勝するなど相変わらずの強さを発揮するメキシコ。
ベテランと若手がうまく融合。チームバランスがよく取れている。
そんなマラドーナは右SBにグティエレスではなくオタメンディを選択。
一方のアギーレはここまで一貫していた4-3‐3ではなく、
4-4-1-1のような布陣を採用。中盤起用の多かったフアレスを右SBに、
中盤は底にマルケスとトラードを並べ、右にドス・サントス、左にグアルダード、
前線には共に大会初スタメンとなるバウティスタとエルナンデスを
縦に並べるような形でゲームに入る。
珍しいシーンは6分、ロゼッティ主審がピッチに入った紙テープの撤去を
メキシコGKペレスに命じる。場内にアレだけスタッフいるのに。
さて、立ち上がりはポゼッションも五分に近く、どちらのペースでも
ない時間が続いたが、チャンスをうまく創り出していたのはメキシコ。
8分、中盤でのボール回しから左SBのサルシードが放ったミドルは
クロスバーにぶち当たる。
1分後もメキシコ、グアルダードが右へ展開、
ドス・サントスはドリブルから中へ戻すと、上がったグアルダードが
ダイレクトで狙い、ロメロは動けなかったがボールは枠のわずかに左へ。
12分はアルゼンチンのファーストチャンス。
トラードから中盤でボールを奪ったメッシのドリブル、
バルサのチームメイトでもあるマルケスと対峙しながら
前へと突き進み、ループを狙うもGKペレスがしっかりキャッチ。
ここまで無得点とはいえ、一瞬のキレには当然注意を払わざるを得ない。
14分は再びメキシコにチャンス。
バウティスタ、ドス・サントスと繋いで縦へ、
エルナンデスはトラップでブルディッソを外すとフィニッシュは枠の右へ。
初スタメンのエルナンデスも、シュート意識とシュートへ持ち込む上手さは
おそらくメキシコが豊富に揃えるFW陣の中でも一番ではないか。
しかし、落ち着いてゲームを進めていたメキシコへ
アルゼンチンが瞬時に牙を剥いたのは26分、
メキシコ最終ラインからのフィードを、ブルディッソが前に出て競り勝つと
こぼれたボールはメッシに入ってしまう。
メッシはすぐさまスルーパス、テベスのシュートは
ペレスが素晴らしい飛び出しでセーブしたが、
こぼれをメッシはGKのいないゴールへ向けてシュート、
浮いたボールをそのまま走り込んでいたテベスが頭で押し込む。
エンブレムを掴んで齧るテベス。ガッツポーズを繰り返すマラドーナ。
メキシコの選手たちはアイロルディ副審に詰め寄る。確認を取るロゼッティ。
これにアルゼンチンの選手たちも集まってくる。
リプレイを見ればテベスがオフサイドだというのはわかるが、
あのスピードを肉眼で判断するのは相当難しいだろう。
とにかく判定は王子の不服申し立てでもない限り、覆らない。
まさに一瞬の隙を付いた格好で、アルゼンチンが先手を取った。
28分、ボールを持ったメッシにマルケスが突っ込む。
提示されるイエローカード。ゲームが荒れないといいのだが。
失点の形もあってやや冷静さを欠いた印象のメキシコに痛恨のミスが生まれたのは33分。
最終ラインでボールを持ったオソリオは、横にいたロドリゲスへのパスを
プレスに来たイグアインを見て躊躇してしまったが、右足が動いてしまう。
わずかにこぼれたボールをイグアインは見逃さない。
飛び出したペレスも冷静にかわして、無人のゴールへプッシュ。
セレブレーションへ近寄りすぎたカメラにエインセが顔をぶつけ、
明らかにそのカメラを殴打したのもご愛嬌か。
もちろんイグアインの労を惜しまないプレスがあってこそとはいえ、
やはり労せずという表現がしっくり来る形から、
アルゼンチンに追加点が記録された。
早くも2点のビハインドを追いかけることになったメキシコ。
34分、サルシードのドライブがかかったミドルはロメロがパンチングで逃れたが、
なにかサルシードは中距離のシュートへ目覚めたように見える。
37分はアルゼンチン、エインセのスローインをイグアインがうまく落とし、
エリアへ入ったディ・マリアがシュート、ペレスセーブ、
こぼれをテベスがシュート、サルシードがブロック。
42分もアルゼンチン、テベスが右へ展開すると、オタメンディは最高のクロス、
イグアインのヘッドはゴール左に外れたが、
CBが本職のSBはキック精度の高さを見せ付ける。
それほど差が付くような展開ではない45分間だったはずだが、
終わってみればアルゼンチンが2点のリードを奪っている。
これは試合巧者と呼んでも差し支えないのではないか。
ハーフタイムに入り、ロッカールームへと引き揚げる両者が
スタッフも含めてベンチ裏辺りで小競り合い。これは遺恨が残りそうだ。

後半開始からスコア上は劣勢を強いられたアギーレが動く。
バウティスタに替わって、バレーラを投入。
中盤はマルケスの前にトラードとグアルダードを置く形で、
右にドス・サントス、中央にエルナンデス、左にバレーラを配した
過去3試合のスタート同様、4-3-3に戻してきた。
後半最初のシュートは47分、またもサルシードのミドル。
目覚めたというよりも、普段からよく打ってるのかもしれないなあ。
過去3試合ではそんなに打ってなかったけど。
また、バレーラを使う意識も高く、左サイドにボールを集めて
メキシコが立ち上がりから積極的な姿勢を打ち出すが、
またも個の能力でアルゼンチンが大きな3点目を挙げる。
52分、エインセの横パスを中央で受けたテベスは、
回ったディ・マリアを使おうとパスを出すが、DFに阻まれると、
こぼれ球に素早く反応して全力で右足を振り抜く。
ボールはネットを引きちぎらんばかりのスピードでゴール右スミへ飛び込んだ。
マラドーナと歓喜の抱擁をかわすテベス。
特筆すべきはシュートもそうだが、パスを選択して、こぼれたボールを
すぐにミドルへ持っていった修正能力と判断力の柔軟性。
決してすべてがうまく行っていたわけではなかったアルゼンチンだが、
ここぞという時の爆発力は、ちょっと他のチームとはケタ違いかもしれない。
3点のビハインドを追うことになったメキシコは60分、
バレーラが左サイドでオタメンディとM・ロドリゲスを抜き去り、
シュートを放つもボールはサイドネット外側へ。
左サイドは本当に活性化したが、逆に今大会好調だった
ドス・サントスにはボールが入らず、右サイドはほとんど使われなくなってきた。
61分、アギーレの決断は中盤のグアルダードを下げて、FWのフランコを投入。
マルケスを下げて、最終ラインは3バックに。
中盤もスアレスとトラードのドイスボランチに右にバレーラが回り、左にサルシード、
最前線は右からドス・サントス、フランコ、エルナンデスと
3-4-3で何とか1点を返しに行く。
62分、再びサルシードのドライブミドルをロメロがセーブ。
今大会SBとしては1試合最多のシュート数なのでは。
63分、バレーラのショートコーナー、トラードのリターンも
バレーラが中へ蹴り込むと、エルナンデスがフリーでヘディングもわずかにバーを越える。
69分、メキシコはこのゲーム最大の決定機。
前に張り出してきたサルシードのクロス、流れたボールをバレーラがボレー、
ロメロは破ったがエインセが凄まじいカバーで掻き出し、ゴールならず。
ここは抑えられたメキシコだったが71分に1点を返す。
横パスで探って探って、トラードの縦パスが入ると、
エルナンデスは最高のターンでデミチェリスをかわして前を向くと、
ニアサイドの天井へと豪快に突き刺す。
やはりユナイテッドが目を着けた逸材。持てる才能を存分に示すような
素晴らしいゴラッソで、メキシコが意地を見せた。
終盤の20分はリードされている側がポゼッションから主導権を握り続ける。
それでも69分にはテベスを下げ、ベロンを送り込み中盤におけるポゼッションでの対抗、
79分にはディ・マリアの代わりにグティエレスを使ってうるさいバレーラの監視、
87分にはM・ロドリゲスからパストーレへのスイッチでゲームのクローズ、
なんとまあ、監督らしいマラドーナの采配。
注目されたドイツ大会の再戦は、結果アルゼンチンが返り討ち。
間違いなくいいチームだったメキシコも、この壁を乗り越えることは叶わなかった。
全体のポジションバランス、ゲーム運び、そしてベンチワーク、
チームとしての完成度が日に日に高まるアルゼンチン。
マラドーナの“ダブル”がいよいよ現実味を帯びてきた。

アルゼンチン 3×1 メキシコ
【得点者】
アルゼンチン:テベス①(26分)②(52分)、イグアイン④(33分)
メキシコ:エルナンデス②(71分)
【警告/退場】
メキシコ:マルケス①(28分)
【交替】
アルゼンチン:テベス→ベロン(69分)
         ディ・マリア→グティエレス(79分)
         M・ゴンサレス→パストーレ(87分)
メキシコ:バウティスタ→バレーラ(46分)
      グアルダード→フランコ(61分)
【AD的Man of the Match】
カルロス・テベス(アルゼンチン)

《ベスト8組み合わせ》
7/3 16:00@ケープタウン 
アルゼンチン×ドイツ

写真は、もうテベスも長く住んでる「マンチェスター」
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AD土屋

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