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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月27日

(50)決勝トーナメント1回戦 アメリカ×ガーナ

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決勝トーナメント1回戦
2010/6/26 20:30 ロイヤル・バフォケン(ラステンブルグ)
アメリカ×ガーナ

天候:晴れ 気温:14度 観客:34,976人
主審:ヴィクトル・カサイ(ハンガリー)

【アメリカ】
GK
1 ティム・ハワード
DF
6 スティーヴ チェルンドロ■
15 ジェイ・デメリット■
3 カルロス・ボカネグラ(C)
12 ジョナサン・ボーンスティーン
MF
10 ランドン・ドノヴァン②
4 マイケル・ブラッドリー①
13 リカルド・クラーク
8 クリント・デンプシー①
FW
20 ロビー・フィンドリー
17 ジョジー・アルティドール■
SUB
18 ブラッド・グザン
23 マーカス・ハーネマン
2 ジョナサン・スペクター
5 オグチ・オニェウ
19 モーリス・エドゥ
21 クラレンス・グッドソン
7 ダマルカス・ビーズリー■
11 スチュアート・ホールデン
16 ホセ・フランシスコ・トーレス
22 ベニー・ファイルハーバー
9 エルクレス・ゴメス
14 エドソン・バドル
監督
ボブ・ブラッドリー(アメリカ国籍)

(4-4-2)
-----フィンドリー--アルティドール----
-------------------
--デンプシー--------ドノヴァン--
------クラーク--ブラッドリー-----
------------------
ボーンスティーン-ボカネグラ-デメリット-チェルンドロ
-------------------
-------ハワード-------

【ガーナ】
GK
22 リチャード・キングソン(C)
DF
4 ジョン・パントシル
8 ジョナサン・メンサー■
5 ジョン・メンサー
2 ハンス・サルペイ
MF
6 アンソニー・アナン■
7 サミュエル・インコーム
21 クワドウォ・アサモア
23 ケヴィン・プリンス・ボアテング
13 アンドレ・アイェウ■
FW
3 アサモア・ギャン②
SUB
1 ダニエル・アギエイ
16 ステファン・アホール
15 アイザック・ヴォ-サー■(負傷)
17 イブラヒム・アイェウ
19 リー・アディ■
9 デレク・ボアテング
10 ステファン・アッピアー
11 サリー・ムンタリ
12 プリンス・タゴエ■
14 マシュー・アモアー
18 ドミニク・アディアー
20 クインシー・オウス・アベイエ
監督
ミロヴァン・ライェヴァツ(セルビア国籍)

(4-1-4-1)
--------ギャン--------
-------------------
A・アイェウ-K・P・ボアテング-アサモア-インコーム-
--------アナン--------
-------------------
サルペイ-ジョン・メンサー-ジョナサン・メンサー-パントシル
-------------------
-------キングソン-------

【マッチレポート】
ドノヴァンのロスタイムゴールで死の淵から生還したアメリカ。
これから始まるノックアウトラウンドにこういう勢いは大きな作用をもたらす。
組み合わせのヤマを見れば、80年ぶりのベスト4も夢ではない。
前回大会同様、アフリカ勢唯一の生き残りはガーナ。
組織と個人が融合したチーム力の高さは3試合で証明したが、
いかんせんギャンのPKによる2得点がそのままチーム総得点では心許ない。
ここからは好機を逃さない狡猾さも、重要過ぎるポイントだ。
この両者、ドイツではグループリーグ最終戦で対戦。
その時はガーナがアメリカを2-1で蹴散らして、決勝トーナメント進出を決めた。
リベンジか、返り討ちか、因縁渦巻くデスマッチは激戦必至。
ゲームは開始5分、いきなり動く。
アメリカのデンプシーがオープニングシュートを放った直後のシーン。
中盤で相手ボールを鋭いプレスで奪ったアサモアからボールを受けた
K・P・ボアテングがドリブルで左へ流れると、そのままニアサイドに強烈な一撃。
名手ハワードも及ばない。まずはアフリカの期待を一身に背負う
“ブラックスターズ”が今大会初となる流れの中からのゴールで
見事な先制パンチをアメリカに食らわせた。
その後も12分にはA・アイェウのクロス、
こぼれを拾ったK・P・ボアテングが思い切ったミドルをバーの上へ。
18分にもギャンがFKを枠内に飛ばすなど、
ガーナは全開を思わせるような上々のスタートを切る。
まずボールアプローチの速さはアメリカを圧倒。
かなり高い位置から、アナンの前に居並ぶ4枚は積極的なプレス。
相手に落ち着いたボール回しを許さない。
逆に攻撃時には中盤での小刻みなパス回しで翻弄しにかかると、
アメリカはなかなかボールを奪えない。
1つ感じるのはドノヴァンのエンジンが掛かるタイミングの遅さ。
過去3試合も前半はボールタッチの数もさほど多くなく、
ドリブルで突き進むようなシーンもほとんど見られない。
果たして後半には今まで通りの輝きを見せてくれるのだろうか。
23分、フィードをデンプシーは収めて縦へ、
走り込んで来たのはブラッドリー、左クロスはGKにキャッチされるが、
2列目、3列目から飛び出していくのは有効になっていきそうな雰囲気はある。
ただ、中盤で使われているスペースを一向に潰せない状況を危惧した
ボブ・ブラッドリーは前半31分でクラークを諦め、エドゥを投入。
中盤の引き締めに掛かる。クラークにとっては何とも苦いワールドカップデビュー。
ベンチ前で指揮官も時間を掛けて慰める。
35分にはアメリカにチャンス到来。
ガーナはクリアを2回続けてミス、拾ったデンプシーのスルーパス、
フィンドリーが抜け出すもシュートはGKキングソンに阻まれる。
37分にはガーナにもチャンス。
キングソンのゴールキックをギャンが頭ですらすとデメリットは空振り、
抜け出したアサモアのシュートはハワードが気合で弾き出す。
両GKが好守を見せ、これ以上のゴールは記録されないまま、
ガーナが1点のリードを有してハーフタイムを迎えることとなった。

後半開始からボブ・ブラッドリーは2枚目のカード投入。
FWのフィンドリーを下げて、ファイルハーバーを起用、
デンプシーが一列上がって2トップの一角にスライドし、
中盤はエドゥーをアンカーに右がドノヴァン、左にファイルハーバー、
2トップ下にはブラッドリーを置いた中盤ダイヤモンドの4-4-2で勝負に出る。
まずアメリカに前へのフリーランニングが増えて、攻勢に。
47分、ドノヴァンの右クロス、アルティドールが繋いで、
ファイルハーバーがシュートもキングソンがファインセーブ。
守護神の背中をアフリカ中の希望が支えているのか。
54分、ドノヴァンの左クロス、飛び込んだデンプシーとアルティドール、
2人ともわずかに届かなかったが、ようやく10番が躍動し始める。
また、チェルンドロとボーンスティーン、2人のSBもある程度高い位置を保ち、
勢いを持って、何が何でもゴールを奪いたいという意欲が滲み出る。
58分はガーナ、A・アイェウが右サイドを独走してクロス、
ファーにはギャンがフリーで待っていたがデメリットが懸命に足を伸ばしてクリア。
追加点を取り切りたいガーナに、追加点は許せないアメリカ。
すると61分、ファイルハーバーのクサビをドノヴァンはヒールで繋ぐ、
デンプシーがエリア内へ侵入すると、たまらずジョナサン・メンサーが倒す。
19歳のCBは若さが出たか、やや軽率なファウルでアメリカがPK獲得。
キッカーはドノヴァン。座り込んで集中を高める。
立ち上がって蹴ったボールは、右のポスト内側に当たってゴールネットを揺らす。
正直、ギリギリに入ったがキックミスだろう。ドノヴァンは、アメリカイレブンは、
そしてアメリカベンチは胸をなで下ろしたに違いない。
67分、ドノヴァンのスルーパスにアルティドールがフリーで抜け出す。
飛び出したキングソンのスライディング、アルティドールはかわし切れず。
素晴らしい判断に素晴らしい勇気。勝ち越しゴールは許さない。
この時間帯になって、むしろアメリカはパワーが増したような感すら受ける。
さすが常にビハインドを覆してきたチームだけのことはある。
75分はガーナ、インコームのクロスにギャンのヘディングはバーを越える。
76分、再びアメリカに決定的なシーン。
ブラッドリー、エドゥ、デンプシーと繋いでアルティドールのラストパス、
後方から走り込んだブラッドリーのシュートはキングソンセーブ。
もう2列目からの飛び出しにガーナ守備陣は付いていけなくなってきた。
とはいえ、さすがにアメリカも後半はフルスロットルで駆け抜けていたため、
最終盤になるとチャンスは創れなくなっていく。
93分20秒、カサイ主審のホイッスル。前半はガーナ、後半はアメリカ。
共に1点ずつを取り合って、ゲームは今大会初の延長へと突入した。

延長前半開始からボブ・ブラッドリーは3枚目のカードを切る。
アルティドールに替わってゴメス。FW同士の交替となった。
しかし、ここでパワーを見せたのは替わらなかった1トップ。
93分、A・アイェウのクリアに反応したのはギャン、
うまく収めてプレスに来たボカネグラを弾き飛ばし、そのまま持ち込むと左足一閃。
エースがようやくここで覚醒。よくこの段階で足が残っていた。ジタバタダンスまで披露。
ギャンの今大会流れの中から初めて奪った貴重なゴールでガーナが再び突き放す。
96分、左サイドでクイックFKからボーンスティーンがクロス、
デンプシーが頭で残し、ファイルハーバーのシュートはジョン・メンサーが体でブロック。
98分、ドノヴァンのショートCKからチェルンドロのクロス、
飛び込んで体を伸ばしたエドゥのヘディングはヒットしない。
105分間を終えて、ガーナが1点をリードする。
残された時間はわずかに15分。
焦るアメリカ、時間を潰すガーナ。時間は刻々と過ぎていく。
109分、ドノヴァンのFKにアメリカは4人が突っ込むもキングソンがパンチング。
インコームが足をつる。今大会初出場の20歳はよく動き切った。
替わって入ったのはムンタリ。酸いも甘いも噛み分けた選手がここでピッチに現れる。
ただただ祈る両サポーター。もうそこに言葉はない。
120分、右クロスにゴメスが落とすとデンプシーのボレーは
ジョン・メンサーが全身でブロック。
121分、CKにはGKのハワードも上がる。
ドノヴァンのキックはキングソンがパンチング、
こぼれを再び中へ送ると、ハワードとキングソンが競り合う。
キングソンのパンチング、デメリットはループ気味に狙うがバーの上へ。
両GKが最後の最後、こんな形で交錯した。
122分55秒、ラステンブルグの夜空にタイムアップのホイッスル。
まさに死闘。アメリカの選手は立ち上がれない。
勝ったのはガーナ。アフリカ勢最高のベスト8へと進出した。
次のウルグアイ戦でアフリカの新たな歴史へと挑むことになる。
120分間全力を尽くして戦った両者に大きな拍手を贈りたい。

アメリカ 1×2 ガーナ
【得点者】
アメリカ:ドノヴァン③(62分=PK)
ガーナ:K・P・ボアテング①(5分)、ギャン③(93分)
【警告/退場】
アメリカ:クラーク①(7分)、チェルンドロ②(17分)、ボカネグラ①(68分)
ガーナ:ジョナサン・メンサー②(61分)、A・アイェウ②(90+2分)
【交替】
アメリカ:クラーク→エドゥ(31分)
      フィンドリー→ファイルハーバー(46分)
      アルティドール→ゴメス(90分)
ガーナ:サルペイ→アディー(73分)
     K・P・ボアテング→アッピアー(78分)
     インコーム→ムンタリ(113分)
【AD的Man of the Match】
アサモア・ギャン(ガーナ)

《ベスト8組み合わせ》
7/2 20:30@ヨハネスブルグ(サッカー・シティ) 
ウルグアイ×ガーナ

写真は、K・P・ボアテングが普段住んでる「ポーツマス」
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AD土屋

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