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このブログについて
2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。
グループH
2010/6/21 16:00 ネルソン・マンデラ・ベイ(ポートエリザベス)
チリ×スイス
天候:晴れ 気温:18度 観客:34,872人
主審:ハリル・アル・ガムディ(サウジアラビア)
【チリ】
GK
1 クラウディオ・ブラーボ(C)
DF
17 ガリー・メデル
3 ワルド・ポンセ
18 ゴンサロ・ハラ
MF
6 カルロス・カルモナ■
4 マウリシオ・イスラ
8 アルトゥーロ・ビダル
14 マティアス・フェルナンデス■
FW
7 アレクシス・サンチェス
9 ウンベルト・スアソ
15 ジャン・ボーセジュール①
SUB
12 ミゲル・ピント
23 ルイス・マリン
2 イスマエル・フエンテス
5 パブロ・コントレラス
13 マルコ・エストラーダ
19 ゴンサロ・フィエロ
10 ホルヘ・バルディビア
20 ロドリゴ・ミジャール
21 ロドリゴ・テージョ
11 マルク・ゴンサレス
16 ファビアン・オレジャナ
22 エステバン・パレデス
監督
マルセロ・ビエルサ(アルゼンチン国籍)
(3‐3‐1‐3/3-4-3)
----------スアソ----------
--ボーセジュール--------サンチェス--
--------フェルナンデス--------
--ビダル------------イスラ--
---------カルモナ---------
----ハラ----ポンセ----メデル----
---------------------
---------ブラーボ---------
【スイス】
GK
1 ディエゴ・ベナーリオ■
DF
2 シュテファン・リヒトシュタイナー
5 スティーヴ・フォン・ベルゲン
13 シュテファン・グリヒティング■
17 レト・ツィークラー■
MF
11 ヴァロン・ベーラミ
6 ベンヤミン・フッゲル
8 ギョクハン・インレル(C)
16 ジェルソン・フェルナンデス①
FW
9 アレクサンデル・フライ
10 ブライズ・エンクフォ
SUB
12 マルコ・ヴェルフリ
21 ジョニー・レオーニ
3 ルドヴィク・マニャン
4 フィリップ・センデロス(負傷)
22 マリオ・エッジマン
7 トランキロ・バルネッタ
14 マルコ・パダリーノ
15 ハカン・ヤキン■
20 ピルミン・シュベクラー
23 シェルダン・シャキリ
18 アルベルト・ブニャク
19 エレン・デルディヨク
監督
オットマール・ヒッツフェルト(ドイツ国籍)
(4-4‐1‐1)
----------エンクフォ----------
---------------------
----------フライ----------
-G・フェルナンデス-インレル-フッゲル-ベーラミ-
---------------------
-ツィークラーグリヒティング-フォン・ベルゲン-リヒトシュタイナー-
---------------------
---------ベナーリオ---------
【マッチレポート】
ビエルサスタイルを大いに体現した初戦でワールドカップ久々の勝利を挙げたチリ。
優勝候補筆頭、無敵艦隊のスペインを完封。
1点を守りきって今大会最大のジャイアントキリングを成し遂げたスイス。
共に勝ち点3を持って、グループ最大のライバルと激突する。
チリは初戦の4‐3‐3から3-4-3へシフト。最前線はバルディビアからエースのスアソへ。
中盤は右からイスラ、カルモナ、ビダル、その前にM・フェルナンデスといった
ダイヤモンドとも、鋭角の二等辺三角形とも言える布陣をビエルサは敷いてきた。
一方のヒッツフェルトは負傷で初戦を欠場していたフライを起用。
もう1人の負傷明け、ベーラミも右SHとしてスタートから使う。
月並みな言い方をすれば、まさに”槍”と“矛”の対決。
戦前から容易に想像できた光景が、キックオフすると繰り広げられていく。
今日も元気なサンチェスが、まずは5分に両チーム通じて初シュート。
10分、左サイドからカットインしたビダルのミドルはベナーリオが弾く、
DFのクリアを拾ったカルモナのミドルもベナーリオが弾く。
初戦勝利の立役者は、このゲームも序盤から仕事を強いられる。
12分、サンチェスが右サイドを独力で突破して中へ速いクロス、
ワールドカップデビューのスアソは空振り。前にシュートを飛ばせない。
相変わらずのスタイルはチリ。その攻撃性で圧力を掛けていく。
スイスは最前線にエンクフォ、その下にフライという初戦同様の4-4-1-1を採用し、
ある程度攻撃は前の2枚に委ねる形になるが、スペイン戦よりは
全体的なラインも高く、いい位置で奪ってからのカウンターという意識が透ける。
守備も相変わらず、一線を越えて入ってきた相手へのアプローチは
かなり速くて強い。特にベーラミは、前節のバルネッタより
かなり高い位置から積極的にプレスで追い回すシーンが見られる。
チリも右のイスラ、左のビダルとWB的な要素も併せ持つSHが
前へと駆け上がるシーンも少なくないが、チャンスには結び付けられない。
15分から30分までの15分間は、共に持ち味を出し合いながら
ゲーム自体は膠着していくという、非常に興味深い現象が展開された。
気になっていたのはアル・ガムディ主審のカード基準。
2分にスアソへ提示したのを皮切りに、開始25分までで
4枚のイエローカードが飛び交う。正直、自身の流れを作れていないように見える。
すると31分、スイスに退場者。メデルと激しく競り合ったベーラミの腕が軽くヒット。
目の前で見ていた副審はフラッグを上げ、主審もすぐに笛を吹く。
確かに印象は悪いが、一発レッドはかわいそうな気もしないではない。
それでも退場は退場。スイスは60分あまりを10人で戦うことになる。
ただ、むしろスイスからすればより戦い方が徹底されるとも考えられる。
とりあえず、空いた右サイドにはフライを落として対処する。
するとチリは次々に自分たちの左サイドからボーセジュールを多用してチャンスを創出。
38分、そのボーセジュールのクロス、
DFに寄せられたスアソのヘディングは大きくバーの上へ。
40分、フライをかわしたボーセジュールのクロス、
ファーでトラップしたサンチェスはDFと間合いを保ってシュートを枠内へ。
躍動し始めたボーセジュール。ヒッツフェルトも放ってはおけない。
42分には頑張って守備に奔走していたフライを諦め、バルネッタを投入。
もう1度右サイドを引き締め直す。すぐに穴を塞いだスイス。
ゲームはスコアレスでハーフタイムへと突入した。
後半スタートから動いたのはビエルサ。
ビダルが下がってM・ゴンサレス、エースのスアソを下げてバルディビア。
前の4人はメンバーも形も、初戦のスタメンに回帰した格好になる。
49分、チリはゴールネットを揺らす。
FKのチャンス、M・フェルナンデスは中に蹴るフェイクからマイナスへ、
走りこんだサンチェスのシュートはエンクフォに当たってゴールに吸い込まれる。
顔を覆うエンクフォ。先制はチリ。いや、オフサイドフラッグ?
確かにシュートの瞬間、3人がオフサイドポジションにいたものの、
プレーに関与したかと言われれば微妙な所。
審判によって解釈が異なりそうなプレーだったが、今日の判定はオフサイドとなった。
50分、バルディビアがピンポイントでDFラインの裏へ、
サンチェスがトラップするも、寄せたグリヒティングが間一髪でクリア。
55分、味方のバックパスにもたつくグリヒティングに猛然と襲い掛かった
サンチェスはボール奪取。独走から放ったシュートは、
ここもベナーリオが体でブロック。無失点記録はいまだに継続中。
64分、ビエルサは手持ちのカードを使い切る。
M・フェルナンデスに替えて、FWのパレデスを投入。
一層の推進力向上にビエルサは懸ける。ヒッツフェルトも68分には
前線でよく体を張った35歳のエンクフォを下げて、22歳のデルディヨクを投入。
前からのプレス増強と、一発に期待しての起用だろうか。
時折スイスもカウンターが出掛かるが、いかんせん前の人数が少なく、
シュートまでにも持っていくことはできない。
ただ、シュートを打てないのはチリも同じ。スイスの穴は見つからない。
しかし75分、一瞬の隙をバルディビアのスルーパスが切り裂く。
ラインの裏へ走りこむパレデス、
フォン・ベルゲンはオフサイドを掛けに行ったがフラッグは上がらない。
それでもベナーリオが飛び出し、パレデスは右へ追いやられる。
ゴールラインギリギリから左足のクロス、
ゴール前で待ち構えていたM・ゴンサレスの叩き付けるヘディングは、
カバーに入ったリヒトシュタイナーの体がちょうど及ばないバウンドで
クロスバーの下を掠めて、ゴールに飛び込む。先制はチリ。
この時間帯でのリードは、数的優位のチームにとってあまりにも大きい。
とうとう連続試合無失点も途切れ、苦しくなったスイス。
77分、G・フェルナンデスに替えてFWのブニャクを送り込み、
10人ながら前の人数も増やして、同点を狙いに行く。
84分はパレデス、87分はM・ゴンサレスがシュートを放つが、チリも突き放せない。
89分にはカウンターから4対2の状況で、パレデスがドリブルから
フィニッシュも枠にすら飛ばない。頭を抱えるビエルサ。
もはやこれまでかと思われた最終盤の90分、スイスに千載一遇の同点機。
高い位置でボールを奪ったフッゲルが左へ、
ツィークラーがダイレクトで折り返すと、ブニャクもダイレクトヒールでラストパス、
フリーのデルディヨクが放ったインサイドでのシュートは、しかし枠の左へ。
ポールを掴んで悔しがるヒッツフェルト。救世主は現れず。
勝ったのはチリ。勝ち点6を積み重ね、最終戦のスペインに挑む。
チリ 1×0 スイス
【得点者】
チリ:M・ゴンサレス①(75分)
【警告/退場】
チリ:スアソ①(2分)、カルモナ②(22分)、ポンセ①(25分)、
M・フェルナンデス②(60分)、メデル①(61分)、バルディビア①(90+2分)
スイス:エンクフォ①(18分)、ベーラミ(31分・退場)、バルネッタ①(48分)、
インレル①(60分)
【交替】
チリ:ビダル→M・ゴンサレス(46分)
スアソ→バルディビア(46分)
M・フェルナンデス→パレデス(65分)
スイス:フライ→バルネッタ(42分)
エンクフォ→デルディヨク(68分)
G・フェルナンデス→ブニャク(77分)
【AD的Man of the Match】
マルク・ゴンサレス(チリ)
写真は、ビエルサが8年前に長期滞在していた「Jヴィレッジ」
AD土屋
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