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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

ワールドカップ 2010年06月21日

(28)グループF イタリア×ニュージーランド

foot!
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グループF
2010/6/20 16:00 ムボンベラ(ネルスプロイト)
イタリア×ニュージーランド

天候:晴れ 気温:20度 観客:38,229人
主審:カルロス・バトレス(グアテマラ)

【イタリア】
GK
12 フェデリコ・マルケッティ
DF
19 ジャンルカ・ザンブロッタ
5 ファビオ・カンナヴァーロ(C)
4 ジョルジョ・キエッリーニ
3 ドメニコ・クリシート
MF
7 シモーネ・ペペ
6 ダニエレ・デ・ロッシ①
22 リッカルド・モントリーヴォ
15 クラウディオ・マルキージオ
FW
11 アルベルト・ジラルディーノ
9 ヴィンチェンツォ・ヤクインタ
SUB
1 ジャンルイジ・ブッフォン(負傷)
14 モルガン・デ・サンクティス
2 クリスティアン・マッジョ
13 サルヴァトーレ・ボッケッティ
23 レオナルド・ボヌッチ
8 ジェンナーロ・ガットゥーゾ
16 マウロ・カモラネージ■
17 アンジェロ・パロンボ
21 アンドレア・ピルロ(負傷)
10 アントニオ・ディ・ナターレ
18 ファビオ・クアリアレッラ
20 ジャンパオロ・パッツィーニ
監督
マルチェロ・リッピ(イタリア国籍)

(4-4-2)
-----ヤクインタ---ジラルディーノ-----
--------------------
-マルキージオ---------ペペ-
----モントリーヴォ--デ・ロッシ-----
--------------------
-クリシート-キエッリーニ-カンナヴァーロ-ザンブロッタ-
-------------------
--------マルケッティ--------

【ニュージーランド】
GK
1 マーク・パストン
DF
4 ウィンストン・リード①■
6 ライアン・ネルセン(C)
19 トミー・スミス
MF
11 レオ・バートス
5 イヴァン・ヴィセリッチ
7 サイモン・エリオット
3 トニー・ロクヘッド■
FW
10 クリス・キレン
9 シェイン・スメルツ
14 ロリー・ファロン
SUB
12 グレン・モス
23 ジェームス・バナタイン
2 ベン・シグムンド
18 アンディ・ボーエンス
8 ティム・ブラウン
13 アンディ・バロン
15 マイケル・マグリンシー
16 アーロン・クラファム
17 デイヴ・マリガン
21 ジェレミー・クリスティー
20 クリス・ウッド
22 ジェレミー・ブロッキー
監督
リッキー・ハーバート(ニュージーランド国籍)

(3-4-3)
--ファロン---スメルツ---キレン--
-------------------
-------------------
-ロクヘッド-エリオット-ヴィセリッチ-バートス-
-------------------
---スミス---ネルセン---リード---
-------------------
--------パストン--------

【マッチレポート】
初戦はパラグアイとドローだったものの、内容は決して悪くなかったイタリア。
懸念材料は負傷でブッフォンが離脱したGK。
前節の後半同様、カリアリに所属するマルケッティがゴールマウスに入る。
前回王者に挑むのは、終了間際の奇跡的なゴールで勝ち点1を拾った
ニュージーランド。戦い方はハッキリしているだけに迷いもないか。
共にフィールドプレーヤーは布陣もメンバーも継続して入ったゲーム。
おそらく世界が驚いたシーンは7分。
エリオットの左FK、カンナヴァーロはブラインドから抜けてきたボールに
反応しきれず、体に当たってしまう。こぼれ球に詰めていたスメルツがプッシュ。
思わず我が目を疑うような光景。何と先制はニュージーランド。
今大会の“オールホワイツ”は何かを持っている。
ただ、確かにベースはロングボールでの勝負だが、
よく見るとスロヴァキア戦よりも落ち着いてボールを回すシーンも。
これも勝ち点1を得ていることから来ている自信だろうか。
9分にはイタリア、モントリーヴォの2分前と似たような、
抜けて来るFKもGKのパストンが冷静にフィスティング。失点は許さない。
イタリアはペペの裏を狙っていく場面が目立つが、
そこまで有効打に結びつくようなシーンには至らず。
やはり5バック気味の相手に、なかなかスペースを見つけきれない印象。
17分、ペペの右CK、カンナヴァーロ、キエッリーニのシュートはヒットせず。
22分、モントリーヴォのパスを受け、後方から追い越したザンブロッタのシュートは
枠外も、この飛び出しはややマークの緩いニュージーランドには有効か。
27分、デ・ロッシのパスからモントリーヴォのミドルは、
ブラインドかパストン動けずも、ボールは左ポストに跳ね返る。
さらに同じく27分、ヤクインタのパスからデ・ロッシが抜けかけるもスミスがクリア。
ようやくイタリアもラッシュ。ニュージーランドも苦し紛れのクリアが多くなる。
そして28分、クリシートの左クロスを合わせにいったデ・ロッシはスミスに倒される。
バトレス主審が指し示したのはペナルティスポット。
ヤクインタはパストンの逆を突き、右スミに突き刺す。
1-1、比較的早い段階での同点ゴール。
ここからもすっかり勢いが付いたイタリアが一方的に攻めまくる展開。
もはやニュージーランドが崩壊するのは時間の問題に思えたが、
これは“オールホワイツ”が迎える新しい歴史への序章に過ぎなかった。

リッピ監督は思い切った決断。
後半開始からジラルディーノとペペを下げて、ディ・ナターレとカモラネージを投入。
これで右からカモラネージ、ヤクインタ、ディ・ナターレの3トップにシフト、
中盤もデ・ロッシをアンカーに置き、その前にマルキージオとモントリーヴォが並ぶ、
4-3-3で、高い位置からの圧力と、前に人数を掛けて押し切る策に出て行く。
もはや、意図したロングボールも蹴らせてもらえなくなってきたニュージーランド。
49分、カモラネージの横パスをモントリーヴォはダイレクトで裏へ、
斜めに走り込んだディ・ナターレのシュートはパストンが押し返す。
やはりカモラネージが見せる動きの幅は圧巻。
基本は右サイドに陣取るも、中央へ、時には左へ顔を出す、顔を出す。
とりわけ守備にやや不安の残る左WBロクヘッドは、彼を見張るので精一杯になる。
61分、デ・ロッシは恐ろしいまでのピンポイントスルーパス、
ヤクインタは焦ってシュートを外すが、そのパスのビジョンとスピード、そして正確性。
やはりデ・ロッシは大会でも屈指のセントラルMFだと思う。
ここでリッピは早くも3枚目のカードを切る。マルキージオOUTでパッツアーニIN。
ハーバートもまずは63分に1枚目の交替。イエローカードももらい、
やや競り合いの時にヒジを張り出す癖のあったファロンを下げて、ウッドを送り込む。
そこに生まれたエアポケット、ロクヘッドのロングスロー、
カンナヴァーロのクリア、ヴィセリッチのボレーはわずかにゴール左へ。
地味に安堵するマルケッティ。ニュージーランドはこれが2本目のシュート。
70分、カモラネージが3人を置き去って縦パス。
すっかり空いたバイタルで簡単にターンしたモントリーヴォのミドルは
パストンが右手1本で防いでみせる。守るニュージーランド。守る、守る。
72分、短い間に2度訪れたピンチも、それぞれヴィセリッチとネルセンがクリアする。
78分、カモラネージがカットインから裏へ絶妙のラストパス、
ヤクインタがシュート体勢に入るや否や、スミスが奪い取る。
80分、頭でつついてカットインしたディ・ミケーレのシュートは力なくゴール左へ。
82分、この15分間で最も大きな決定機を迎えたのはニュージーランド。
ショートパスを5本繋ぐと、途中出場のクリスティーは速いクサビ、
ウッドはリフティングでカンナヴァーロを外すと、左足一閃。
頭を抱えたイタリアサポーター。頭を抱えたハーバート。頭を抱えたウッド。
ボールはわずかにゴール右へ。18歳、英雄になりきれない。
85分、ネルセン足をつる。当然だ。CKだけで15本も食らっているのだから。
それでも集中は途切れない。誰がここまでニュージーランドの健闘を予想していただろう。
88分、カモラネージは枠を捉える素晴らしいミドル、パストンが素晴らしいセーブ。
90分、デ・ロッシの縦パス、ザンブロッタは切り返しで1人かわすと、
目の前にシュートコースが広がる。飛び込んだのはネルセン。
左の内腿でブロックしてみせる。まだ足が動くのか。
93分、3人目の交替をハーバート監督は残していた。
ゆっくりピッチを後にするキレン。彼にできる最後の大きな仕事だ。
そして94分28秒、タイムアップ。ガッツポーズはハーバート。
銀行員の背中に燦然と輝く、「足球」の文字。
大会最弱とも言われていたオセアニアの盟主が、世界王者からもぎ取った勝ち点1。
スペクタクルとは程遠いサッカーでも、人を感動させることはできる。
この日のニュージーランドのように。

イタリア 1×1 ニュージーランド
【得点者】
イタリア:ヤクインタ①(29分=PK)
ニュージーランド:スメルツ①(7分)
【警告/退場】
ニュージーランド:ファロン①(14分)、スミス①(28分)、ネルセン①(87分)
【交替】
イタリア:ジラルディーノ→ディ・ナターレ(46分)
      ペペ→カモラネージ(46分)
      マルキージオ→パッツィーニ(61分)
ニュージーランド:ファロン→ウッド(63分)
           ヴィセリッチ→クリスティー(81分)
           キレン→バロン(90+3分)
【AD的Man of the Match】
ライアン・ネルセン(ニュージーランド)

《グループF順位表》
①パラグアイ 4(1勝1分け・3得点1失点)
②イタリア 2(2分け・2得点2失点)  
②ニュージーランド 2(2分け・2得点2失点)
④スロヴァキア 1(1分け1敗・1得点3失点)

写真は、ファロンが所属するプリマスのすぐ近くにある「イーストボーン」
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AD土屋

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