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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年05月29日

J2第15節 水戸×千葉@Ksスタ

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13試合で12失点。大和田真史とルーキーの作田裕次で組むCBを中心に、中位グループの中でも守備組織の安定感は群を抜く水戸。危急の課題はFWの片山真人が「ディフェンスは安定しているんで、あとはいかに点を取るか」と語ったように、浦和へレンタルバックした高崎寛之、磐田へ移籍した荒田智之という、昨シーズン計33ゴールコンビを揃って失い、ここまで9ゴールしか積み重ねられていない得点力不足への対策なのは間違いない所です。一方、3位と昇格圏内はキープしているものの、県内のライバルとは対照的に苦しいゲームが続いている印象の千葉。今日は前節決勝ゴールを決めた青木孝太が3トップの中央として今季初スタメンと、少し前線をいじってきました。さて、まず先にチャンスを創ったのは水戸。7分、村田翔、遠藤敬佑と繋いだボールを吉原宏太が左へ展開すると、走り込んでいたのは今季初スタメンかつ、プロ初となる左SBに入った保崎淳。「宏太さんからいいボールが来たので、持ってって打っちゃおうと」ドリブルから鋭いボレーを枠内に飛ばし、千葉GK櫛野亮の好セーブに阻まれたものの、このシーンには「最初のワンプレーでいいプレーが出たのが、チームも前向きに守備をして攻めるぞというスタンスが出た」と木山隆之監督も高評価。これでペースを掴んだ水戸は、14分にも保崎のFKを片山が体を張って収め、森村昂太のパスから吉原がフィニッシュまで持ち込むなど、完全に試合の流れを引き寄せます。また、守備面でも「宏太さんのスイッチにみんなが付いていく感じ。前線からよく守備をしてくれた」と大和田が話したように、吉原と片山が前から激しくチェイス。加えて最終ラインも高さをしっかり保ったことで、相手をコンパクトなスペースに押し込め、裏への狙いにはうまくオフサイドを掛けるなど、まったく千葉に付け入る隙を与えません。「後ろが我慢してラインを上げれば、前も追いやすいとわかった」と再び大和田。かなり手応えを持って連動した守備ができていたようです。逆に千葉からすると、結果から見れば青木孝太の起用がハマらなかった印象。彼のスピードを生かそうと、ある程度裏に早く入れる形は見てとれましたが、まったくと言っていい程に抜け出すような場面は創れず、相手のラインも押し下げられません。また、3トップの右を担うアレックス、左の倉田秋も青木孝太との距離が遠く、ここでも3人の有機性は低いまま手詰まりに。前半はシュートも1本と、かなり厳しい展開を強いられることになりました。水戸は39分に大橋正博の素晴らしいスルーパスから吉原が惜しいボレーを放ち、42分にも大橋の空いたスペースを見事に切り裂くパスから、吉原の右クロスに保崎がダイビングヘッドで飛び込むなど、前半終盤にかけても決定機を創出。得点こそ奪えなかったものの、最高に近い形でハーフタイムを迎えることとなりました。後半はスタートから千葉がボールを持つ時間が長くなりましたが、相変わらずシュートは遠いまま。逆に56分には作田がグラウンダーで当てたクサビを森村が捌いて、最後は吉原が櫛野にファインセーブを強いる枠内シュート。構図に変化はありません。すると、ようやく均衡が破れたのは65分。キッカケはアグレッシブな左SBが「自分でも行けたけど、強引に行くよりファウルをもらった方がチャンスになると思って」と奪ったFK。大橋のキックにニアへ「本当にいいボールが来たので、技術うんぬんじゃなく気持ちで」頭から飛び込んだのは片山。ストライカーの一撃にKsスタも沸騰し、水戸が残り25分で先制しました。ビハインドを負った江尻監督は、61分に投入していた太田圭輔に続いて、失点直後にはアンカーの山口慶を下げ、ネットを投入。4-4-2へのシフトで打開を図ると、69分には倉田のクロスから、上がってきたSBの和田拓三がヘッド。GK本間幸司の正面は突いたものの、ようやく惜しいシーンを創出します。これを受け、木山監督は両SBには「流れが押せ押せの状態で上がり過ぎていたので、チャンスの時以外はスペースを与えないように」という対応策を指示し、72分には先制弾の片山を下げて中山悟志を送り込み、再び前線からのプレスを増強させます。83分には工藤浩平の枠を捉えたミドルも、本間がファインセーブでゴールを死守。最終盤の84分には「前が2トップだと受けられやすく、中盤に疲れがあったので」(木山監督)ボランチに下田光平を配するリスク管理も見せ、90分にCKから迎えたゴール前の大混戦も、高い集中力で体を張って凌ぎ切ると、5分にも及ぶ追加タイムを経て聞く歓喜のホイッスル。「チームとしてやろうとしたことを遂行しきった。選手たちがやって欲しいプレーを100%やってくれた」と指揮官も納得の笑顔を見せた水戸が、3試合ぶりの勝利をホームのサポーターに届ける結果となりました。悔しい敗戦となった千葉は「見てもらった通り。我々が戦うものを持ってやらなければ、こういうことになる」と江尻監督もおかんむり。ただ、今日に限って言えば青木孝太の起用は奏功せず、ネットの投入も遅く、そのネットも含めた太田、谷澤達也と交替で切った3枚のカードも残念ながら機能しなかった印象です。完敗という評価に反論の余地はないでしょう。対する水戸は「チームがやろうとしているサッカーのベストに近い」と大和田が振り返ったように、特に守備面での意識統一が最後までブレなかったことが、完封勝利を呼び込んだと言えそうです。前からのチェイスに関しても、片山は「いつもやってる普通のこと」とアッサリ。普通のことを“普通”にやれたかどうかが、このゲームの勝敗を左右した気が私にはしました。ちなみに写真のホーリーくんリストバンド(即買い!)の上に乗ってるのは、シャトルバス乗車時にもらった木山監督のシール。コレ、当たりですよね?   AD土屋




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