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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年05月22日

J2第14節 横浜FC×鳥栖@ニッパ球

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開幕3連勝と最高のスタートを切りながら、直後から5連敗。1つの勝ちを挟むと、再び負けが止まらず現在は4連敗中。岸野靖之監督にとってみれば、「お世話になった5年間は宝物。それは何十年経っても変わらない」という古巣相手のゲームを最悪に近いチーム状況の中で迎えることになった横浜FC。一方、キム・ミヌ、ヨ・ソンへ、藤田直之、早坂良太など、“岸野後”となる今シーズンから加入した選手もスムーズな融合を見せ、6戦負けなしの4位と着実に昇格圏内を視野に捉えている鳥栖。渦巻く因縁と、互いに負けられない意地がそこかしこに交錯する、開幕前からの要注目カード第1弾はニッパ球です。ゲームがいきなり動いたのは7分、大黒将志が難しい体勢からうまくボールを落とすと、加入したばかりのホベルトは絶妙のスルーパス。受けた武岡優斗は思い切りよくシュートを放つと、ボールは右ポストを叩きますが、こぼれを高地系治がプッシュ。いきなり“元・鳥栖”3人が絡んでの先制ゴールで、横浜がリードを奪います。さらに9分、左サイドから高地がドリブルでエリア内へ侵入した所で丹羽竜平と接触すると、岡部拓人主審の判定はPK。実際、このプレーだけをとってみるとやや微妙な判定でしたが、横浜はその前にもエリア内で倒されたシーンがあり、合わせ技といった所でしょうか。キッカーの大黒は確実に沈めて2-0。点差を広げます。すると止まらない三ツ沢。15分、右サイドでボールを持った丹羽は、突如対面にいた高地へまさかのプレゼントパス。おあつらえ向きのボールを高地はダイレクトで中へ送ると、ラインの裏へ飛び出した大黒が右足アウトでゴールへ流し込みます。ただ、この大黒のラインブレイクがオフサイド気味で、さらにDFラインもベンチの目の前ということもあって鳥栖は猛抗議。これで実質指揮を執っているユン・ジョンファンヘッドコーチは退席処分に。松本育夫監督も「3点目はオフサイド。残念ながらレフェリーが試合を壊してしまう」と怒り心頭でしたが、当然判定が覆るはずもなく、「15分で3点というのは予想もつかない」(松本監督)ような立ち上がりとなりました。さて、当然3点のリードを手に入れた精神的な優位性はある中で、それを差し引いたとしても前半をコントロールしていたのは間違いなく横浜。キーマンは「日本が凄く好きですぐ戻ってきたい気持ちが大きかった」というホベルトでしょう。守備面でフィルターとなり得るのは大分や鳥栖でも実証済みですが、今日のゲームで際立ったのは「いい選手がいるのでパスは回せる。パスを回すのも自分の役割」と自ら語った部分。中盤の深い位置でもよくボールを受けて散らしての働きには、敵将の松本監督も「ウチの中盤と前線の間でフリーで受けられていた」と言及。加えて先制点に繋がったようなスルーパスまで披露してみせた訳で、加入したばかりながら抜群のパフォーマンスを発揮したと言ってよさそうです。また、「ホベルトが合わせてくれるので凄くやりやすかった」と話した八角剛史も確実に捌くことでパスワークのリズム作りに貢献。「相手のFWが思ったよりもプレスに来なかった」(八角)中盤をドイスボランチが自由に泳いだことで、攻守両面において鳥栖に付け入る隙を与えません。32分には高地のCKをニアで大黒がアッサリ合わせ、早くもハットトリック達成。前半だけで4-0と「完全にゲームは勝負が決した」(松本監督)形になってしまいました。後半は絶対的なアドバンテージを得て、それほど無理をしてまで前には行かない横浜に、苛立つ鳥栖という構図がハッキリと。鳥栖は51分に下地奨が、抜け出しかけた西田剛を手で引き倒して2枚目のイエローカードで退場。57分には豊田陽平を送り込み、4-3-2の布陣で何とか1点を奪いに行きましたが、69分にはオーバーラップしてきたCBヨ・ソンへが、大きくなったドリブルをリカバーしようと、カットに来た八角に飛び込み一発レッド。4点差で9人となってしまっては為す術なく、ジ・エンド。得点もさることながら、「そこがすごい大事」と岸野監督が強調した完封で、横浜が連敗を4でストップする大きな勝ち点3を、“俺たちの丘”三ツ沢で獲得しました。敗れた鳥栖からすると、形を創られて許した1点目は「しょうがない」(松本監督)ものの、やや不運な部分はあったにしても「2点目と3点目が短い間に入ってしまった」(同)ことでプランが瓦解。個人的に期待していたキム・ミヌもなかなか輝く場面を創れずじまい。後半は退場者を2人出した以外にもラフプレー連発と、なんとも後味の悪いゲームになってしまいました。一方、勝った横浜は岸野監督が「今日1回勝っただけ。まだこれからもっともっと勝ち続けなくてはならない」と気を引き締めたものの、泥沼からわずかに這い上がったことは確か。また、なかなか定まらなかったボランチに「自分の欲しかったものを彼はやってくれた」と指揮官も称賛したホベルトと、「2人の関係が凄くよかった」と自ら評した八角という組み合わせが名乗りを挙げたのも小さくない収穫ではないでしょうか。エースもハットトリックと好調を維持しており、「次が本当に大事」と八角も話した次節はそのエースや岸野監督の古巣でもあり、その他の選手を見ても鳥栖と同様、あるいはそれ以上に因縁浅からぬ東京Vとの対戦になります。    AD土屋




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