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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年05月17日

J1第12節 湘南×G大阪@平塚

foot!
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アジエル、ジャーンと両ブラジル人を筆頭にケガ人が続出。なかなかベストメンバーを組めずに、ここまで2勝3分け5敗の16位湘南。さらに昨シーズンのJ2全51試合、今シーズンここまでのJ1全11試合と、その全てでゴールマウスを守ってきた野澤が今節は負傷欠場。代わりに「昨日の練習前にスタメンを言い渡された」という順天堂大在学中の特別指定選手・松本拓也を、反町監督は起用してきました。一方、いまだに2勝で14位と低迷が続くG大阪は、火曜のACLでも「ショッキングなゲーム」(西野監督)でベスト16敗退。苦況の中、ここ数試合採用してきた3-5-2から「向こうの布陣にも合う4-4-2」(西野監督)へ戻し、ACLで戦列に復帰した平井がスタメンに戻ってきました。さて、ゲームが始まり、まず最初に目に付いたのはG大阪の左SB安田が積極的に上がってきていたこと。システム的にミスマッチになる中盤で、SHのルーカス、二川はかなり中に入ってプレーする時間が特に序盤は多く、空いたサイドのスペースを安田は有効利用。6分に自らが奪ったCKから枠内にミドルを飛ばすと、9分にはやはりSBの加地がカットインから枠内ミドル。まずはサイドの主導権という意味で、G大阪が狙いを体現します。しかし、先手を取ったのはホームチーム。11分、GKの松本はバックパスをダイレクトで右へ展開。ここを起点に中村が左へ正確なサイドチェンジを送ると、トラップで収めた阿部は絶妙な軌道を右スミに描きます。もちろん中村のキック精度と、阿部のシュートも凄かったのですが、試合後に「さりげなくはたいて1点目に繋がった。今日一番よかったプレー」と振り返った松本の好判断が呼び込んだ一撃で、湘南がリードを奪います。するとここからは、ボールもダイレクトで回り始め、アプローチのスピードでも勝る湘南ペースに。G大阪は「明神や遠藤の中盤の所でプレスが効いていなかった」(西野監督)ため、ボールを動かされてもなかなかそれを奪って攻撃に移行するような形ができず、加えて平井と宇佐美の2トップがまったく流れに絡めなかったことで、劣勢に陥ります。ただ、そこはさすが西野監督。前線の組み合わせが機能しないと判断してか、30分過ぎに宇佐美とルーカスの位置を入れ替えると、「ルーカスは懐が深くてボールも収まるし、2列目もどんどん飛び出してくる」と湘南のCB村松が触れたように、G大阪の攻撃にようやく基点が。そして41分、中澤が長い距離のクサビを打ち込むと、意外な程に道が開け、ルーカスの足元へピタリ。落としたボールを平井が豪快に一刺し。試合は振り出しに戻ります。それでもまだ流れは湘南に。追い付かれた2分後、松本のゴールキックを加地がトラップミス。拾ってエリア内へ入った阿部を加地が倒すと、岡部拓人主審の判定はPK。勝ち越すチャンスを掴みます。キッカーはここまでPKで2ゴールを挙げている坂本。ところがキックはゴールの右に逸れ、まさかの失敗。結局同点で45分は終了しました。迎えた後半、ゴールはアッサリと、ハーフタイムに「ボールの動きも判断もスピードも非常に遅い。すべて倍速にしていかないとダメだ」と指揮官から命じられたG大阪に。55分、遠藤のCKからニアでルーカスがバックヘッド。これがゴールに吸い込まれ、逆転に成功します。さらに62分、ルーカスからパスを受けたのは「前半はまったくダメ。後半も15分くらいで替えるつもりでいた」と西野監督が明かした平井。スラローム気味のドリブルで2人をかわすと、ゴール右スミにズドン。消されていながら一発の輝きで2ゴールを奪った男は、これで7戦7発と驚異的なペースでゴールを量産。G大阪のリードは2点に広がりました。この展開になった大きな理由として考えられるのは、前述したように中盤でプレスの掛かりが悪かったチームに対して、西野監督が「相手のアンカーである田村に対してもっとプレス掛けられないかとヤット(遠藤)と明神には話した」と。これを受けて後半はかなり田村の所だけではなく、坂本とハン・クギョンにもハイプレスが掛かるようになり、全体の運動量も上がっていったと。西野監督も「後半はプレスを実践して全体のパフォーマンスが上がっていった」と認めています。湘南からすれば、前半よりプレスや運動量で後手に回り、「若干引き気味になってしまった」(松本)部分も否めず、だいぶバイタル付近をうまく使われるシーンが増えてしまった象徴的なシーンが3失点目だったかもしれません。反町監督は61分に中村OUTで三平IN、71分に坂本OUTで馬場IN、81分に田原OUTで新居INと、10分おきに攻撃的な選手を送り込みましたが、後半通してシュート2本と反発することは適わず、「前半はごまかしきれたが、後半はごまかしきれなかった」と反町監督。結果はG大阪が3勝目を挙げる形になりました。「自分たちで難しくしていただけで、修正していけばまったく問題ない試合」(西野監督)をうまく後半に修正できたG大阪は、この45分が1つの浮上へのキッカケとなるのではないでしょうか。現状で攻撃陣最大のキーマンと言ってよさそうなルーカスも、やはりトップを任せるのが適任。ACLも終わり、リーグ1本になった中で、この中断期間にどれだけ立て直せるかは指揮官による腕の見せ所ですね。逆転を許し、特に後半は押さえ込まれた湘南。「ガンバは後半の得点も失点も71%。後半オープンな展開になることは予測できていた」(反町監督)中で、「最終的には実力差が出たゲーム」(同)ということでしょう。ただ、前半の30分くらいまでは、ダイレクトパスもポンポン繋がり、集団で前へ前へと運んでいくことが、G大阪相手にも十分できていました。「これで後ろがいなくなったので、リセットしてリスタートできるように頑張っていきたい」という監督が、この中断期間をどう生かしてくるか。次のリーグ戦は共に7月14日のゲームです。    AD土屋




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