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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年04月18日

J2第7節 横浜FC×熊本@ニッパ球

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開幕から破竹の3連勝とロケットスタートを切った岸野靖之監督率いる横浜FC。しかし、4節以降はまさかの3連敗。すっかりロケットの母体から切り離されそうになってしまっています。一方の、「スーパーではバレないように行動してます」という高木琢也監督が指揮を執る熊本は、前節の甲府戦こそ初黒星を喫したものの、6試合で勝ち点11を叩き出し、現在堂々の5位。高木監督にとっては古巣対決でもあり、個人的には埼玉方面に負けない好カードだと思って、三ツ沢に行ってきました。さて、「富山戦以降、チームとしての課題があったので、そこを変えたかった」と話した岸野監督は、スタメンに変化を。GK大久保択生、CB戸川健太、SH武岡優斗に加えて負傷明けのシルビーニョ、サーレスと、前節から5人を入れ替えて、悪い流れを断ち切りに行きます。しかしゲームが始まると、わずか18秒で熊本にビッグチャンス。福王忠世のフィードは、初めてコンビを組んだ横浜のCB、キム・ユジンと戸川の間をアッサリ通過。「普通抜けてこないのでちょっとビックリした」という松橋章太のシュートは、大久保がファインセーブで切り抜けましたが、開始早々に連携面の不安を露呈します。以降も全体の流れは熊本ペース。前半は意志統一として、「前から相手がプレッシャーを掛けてくるので、ラフなボールで裏を突いたり、長いボールを送る」(高木監督)ことを基本にしながらも、中盤に原田拓、西森正明と技術の高い2つの収まり所があるため、ポゼッションでも優位に立ち、サイドも制して、何度かチャンスを創ります。対する横浜は、特に攻撃面での連動性に乏しく、縦パスを大黒将志が何とかしようとするか、シルビーニョが個人のアイデアを発揮するかの2パターンのみが攻撃の大半。それでも20分にはシルビーニョのスルーパスから大黒がサイドネット外側へのシュート。31分には大黒、サーレスと繋いで、武岡がフィニッシュまで持ち込むも南雄太がファインセーブで切り抜ける場面など、個がうまく表出されるといいシーンが生まれるものの、いかんせん単発なのは否めません。また、熊本も25分以降はなかなかいい形が創れず、前半も中盤以降はかなり膠着した展開で、スコアレスのまま後半へと折り返しました。ハーフタイムが明けると、ゲームは一転、かなりオープンな展開に。51分、シルビーニョのFKにキムがわずかに触ってコースを変えたヘディングは、南が超ファインセーブ。54分には小野智吉のクロスをニアで大黒が枠内へヘディング。後半はスタートから10分間で両者合わせて5本のシュートが飛びかいます。そして56分、このオープンな展開の要因ともなっていた両者の積極的なプレスが、対照的な結果を生み出します。メインスタンド側の攻防、熊本の井畑翔太郎に入ったボールへ、横浜DFは素早いチェックを敢行し、一度はボールを奪います。しかし、再び井畑がプレスを掛けると、ボールをかっさらったのは「攻守の切り替えの速さはいつも意識している」という松橋。2対2の状況ながら、「ゼロゼロだったので確実な方」(松橋)と、中央でフリーの西弘則へ絶妙のパスを送ると、西は飛び出したGKを冷静にかわしてゴール。「粘り強くアプローチができて、非常に効率よく取ってくれた」と高木監督。連動したボールアプローチで横浜を一手上回った熊本が、まずは先手を取りました。負けたらアカン岸野監督の決断は63分。サーレスと小野を下げて、西田剛と片山奨典を送り込みます。するとこの投薬は、驚異的な即効性を証明。1分後の64分、片山のアーリークロスをエリア内で受けた西田は、「DFが食い付いてきたんでイメージ通りに」切り返すと、豪快にネットへ一刺し。“俺たちの丘”三ツ沢も歓喜に包まれます。ところが、ジェットコースターのような展開は安穏を許さず。68分、左サイドで熊本が得たFK、原田の左足から繰り出されたボールは、ニアでシルビーニョが頭でクリアしきれず、まさかのオウンゴール。失点から4分後の勝ち越しゴールには「メンタル的な強さを非常に感じる」と高木監督も称賛。再度、熊本がリードを奪います。それでもまだゲームは激流の最中。72分、横浜は高地系治が右サイドからFKを中へ。山内宏志主審のホイッスル。おそらくスタジアム中の誰もが、どこでファウルがあったのかを把握できないようなプレーでしたが、山内主審は市村篤志にイエローカードを出したので、市村のファウルを取ったのでしょう。当然熊本は選手もベンチも激昂しますが、判定は変わらず。横浜にPKが与えられます。キッカーは大黒。左から助走を付けて蹴ったボールが飛び込んだのは、しかし同点を信じて疑わなかったっであろう、横浜サポーターが陣取るゴール裏のスタンド。PK失敗。この後も数度のチャンスにスコアが動くことはなく、タイムアップ。両者の現状を象徴するような90分間を経て笑ったのは、アウェイの熊本という結果になりました。「連敗しなかったこと、そして戦力を充実させた力のあるチームに競り勝てたことは非常によかった」と高木監督が語る熊本は、勝負強さが出てきているように思います。千葉にも後半ロスタイムの同点弾、草津には逆転勝ち、そして今日も追い付かれた直後の勝ち越しゴール。結果もポジティブに付いてきています。今の順位がフロックではないことを、着実に証明しつつあるのではないでしょうか。対して、泥沼の4連敗となり、サポーターから大きなブーイングを浴びた横浜。「これが現実。非常に弱い所もいくつかある」と岸野監督。ゲーム内容がそこまで悪いわけではないのですが、ほとんどプレゼントのような形でもらったPKをエースが外してしまう辺りに、言いようのない流れの悪さが現れています。「とにかく努力してこれを変えていく。見といて下さい」という岸野監督。とうとう黒星が白星を上回った中、次節の愛媛戦は大きな正念場となりそうです。   AD土屋




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