デイリーサッカーニュース Foot!

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2010/03

S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

このブログについて

2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年03月21日

J2第3節 柏×福岡@日立台

foot!
  • Line

前節の栃木戦では何度も掴んだ決定機を仕留めきれず、スコアレスドローに終わった、J1昇格大本命との呼び声も高い柏。開幕2試合で1勝1分けの勝ち点4獲得は、上々とも言えるし、やや物足りないとも言えそうな結果。第3節の対戦相手としてホーム日立台に迎えたのは、いきなり開幕2試合で甲府、札幌と昇格争いの有力候補と目される2チームを相手に、3ゴールずつ奪って連勝を飾った首位福岡。昇格を視野に入れている両者にとっては、今後の試金石となりそうな一戦です。さて、ゲームは共に4-2-3-1を敷く中で、先に決定機を創ったのは、福岡。11分、永里源気が右に流れてクロスを送ると、ニアに飛び込んだ田中佑昌がボレー。ボールは柏GK菅野孝憲の正面を突き、先制点とはいきませんが、ここ2節ではおそらくJ2最強のサイドアタッカー同士として躍動していた田中と永里がいきなり魅せるシーンを演出します。ただ、これが福岡の前半に生まれた最初で最後の決定機。以降は柏が徐々にペースを掴んでいきますが、その中心にいたのが前節の右サイドではなく、1トップ下に起用されたレアンドロ・ドミンゲス。福岡の篠田善之監督も「バイタル付近で11番(レアンドロ・ドミンゲス)が中途半端なポジションを取っていたことが、少しディフェンスラインを下げたり、中盤の守備に混乱を起こした」と認めたように、決してスピードはないものの、ボールを積極的に引き出すと、体のアングルやコンタクトの巧さで効果的なドリブルや、機を見たスルーパスを連発。彼に引っ張られるように周囲の動き出しも早まり、攻撃の時間が増えていきます。それでもフィニッシュへ繋がったかというとそうとも言えず、20分に菅沼からの横パスをダイレクトで狙ったレアンドロ・ドミンゲスのミドルはボテボテと枠外へ。28分、浮き球ボレーはまたもレアンドロ・ドミンゲスでしたが、GK六反勇治のセーブに遭い、ゴールは奪えず。大枠では「落ち着きないペースで進むことが多々あった」(柏・ネルシーニョ監督)中で、シュートチャンスの少ない膠着した展開のまま、前半45分間は経過していきました。後半はスタートからネルシーニョ監督が動きます。「2トップに相手のCB付近で仕事をさせ、中盤でもっとボールを回し、相手のボランチの裏のスペースを有効に使いたい」という意図から、菅沼実を下げて林陵平を投入し、北嶋秀朗との2トップに。中盤も右にレアンドロ・ドミンゲス、左に澤昌克とボックスにシフトします。49分には、レアンドロ・ドミンゲスのクサビを北嶋がうまく落として、フォローした大谷秀和のスルーパスを澤が受けるシーンを創出。オフサイドにこそなったものの、前半から味方のフォローが遅く、生かしきれていなかった北嶋の正確なポストプレーがチャンスに繋がったという意味でも、後半の攻勢を予感させるような一連のプレーでした。しかし実際は、「(4-4-2へのシフトは)思ったよりうまくいかなかった」(ネルシーニョ監督)「相手のシステムが変わって、戦いやすくなった」(篠田監督)と両指揮官が話したように、ここから福岡の時間帯になっていってしまいます。理由として考えられるのは、まずレアンドロ・ドミンゲスがサイドに出たことで、彼の危険なエリアでのボールタッチも減少し、2トップとの距離も離れたために、前での連携が薄くなってしまったこと。また、バイタルのケアに追われていた福岡のボランチ・中町公祐が、その負担軽減によって前でプレーする時間が増え、本来持ち合わせるゲームメイク力を発揮し始めたことでしょうか。中町は59分に鋭いクイックFKで永里の惜しいチャンスを演出すると、73分にも右サイドへうまく展開、田中佑のクロスに高橋泰が飛び込んだシーンの起点になるなど、好プレーを披露していました。ところが、先制点は唐突に。81分、福岡は右サイドでボールを持っていた田中佑がGKへバックパス。刹那、「確実にGKに下げると思って先読みしたら、実際にボールが来た」と忍び寄ったのは、5分前に投入された工藤壮人。「凄いリラックスして打てた」としっかりボールの左に回り込み、右スミを狙ったシュートは、柏熱地帯を埋め尽くしたサポーターの目の前にあるゴールへ到達。揺れる黄色、震える黄色。直後の85分には近藤直也のミスから、こちらは福岡U-18から昇格したルーキー吉原正人が決定機を迎えますが、守護神菅野が決死のセーブ。試合終了。窮地のチームを救ったのは柏U-12時代からDNAを刷り込まれてきた19歳の若武者。「言葉にならないくらい嬉しい」工藤のJリーグ初ゴールがそのまま決勝点となり、柏がなんとか福岡を振り切って、勝ち点3をもぎ取りました。結果は勝利でも「素晴らしいサッカーをしたかと言えばそうではない」とネルシーニョ監督も話すなど、柏はなかなか内容が上がってきません。それでも「フランサがいないことはチームとしてはマイナスだけど、若手はどんどんチャンスをもらえる」と語った工藤のような若手が結果を出したのは大きな収穫。特に昨年ユースから昇格した残りの5人は、一刻も早く戦力となれるよう、奮起してもらいたいと思います。   AD土屋




  • Line