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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2010年03月06日

J1開幕戦 湘南×山形@平塚

foot!
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99年、J2降格。以降、2000年代の丸々10年間を覆った苦難の時代を経て、とうとう“湘南の暴れん坊”がトップディヴィジョンに帰ってきました。記念すべき復帰戦の相手としてホーム・平塚競技場に迎えたのは、一昨年まで何度も何度も対峙していた山形。J1の舞台で果たされた2年ぶりの再会。個人的にも両クラブの昇格シーズンは、過程を追って体感させてもらっていたので、非常に感慨深い一戦となりました。叩きつけるような激しい雨の中で始まったゲーム。まず、目を引いたのは湘南のアグレッシブな仕掛け。「前にボールを運びながら人数を割いて、色んな選択肢を増やしていく」とは反町康治監督の言い回しですが、昨年もなかなか見られなかったような、1タッチ2タッチで素早くボールを回して、相手をずらしていくような崩しを連発します。中でも際立ったのは、確実なポストワークを披露した田原と、右FWに入った新加入の馬場。特に馬場はシンプルかつ正確なボールさばきというアジエルとは異なる特徴で攻撃を活性化させ、守備面でも「少し守備的にゲームに入ってしまった」と本人も振り返る程、献身的な姿勢を貫いて貢献。指揮官も「守備でも足を止めずにやった。良さを全面的に出してくれた」と高評価を与えていました。一方の山形は、「立ち上がりから動きが重い」(小林伸二監督)「試合の入りが少し堅くて、なかなかリズムが取れなかった」(佐藤健太郎)「雨でボールも滑ってやりにくく、うまく試合に入れなかった」(長谷川悠)と3人が声を揃えたように、湘南の勢いにも圧されてか、攻守共に後手へ回る格好に。いきなり劣勢を強いられます。すると、やはり先制ゴールは流れを掴んだホームチーム。19分、CKの流れからこちらも新加入の新居がラインブレイク。坂本のシュートはGK清水が防いだものの、上がっていたジャーンがこぼれ球をプッシュ。クラブ、そして自身にとってもJ1復帰弾となるキャプテンの一撃で、まずは湘南がリードを奪いました。さて、“先輩”としての意地を見せたい山形も、ようやく29分、秋葉、古橋、長谷川と細かく繋いで、最後は宮本のクロスを宮沢がサイドネット外側に突き刺さるボレー。30分にも田代、古橋、宮沢と相次いで3本のエリア内シュートも生まれ、ゴールとはいきませんが、ようやく決定機を創出します。また、湘南も序盤の勢いがやや減退し、少しずつフィフティに近い内容に。そんな「少し落ち着いた形ができてきた」(小林監督)中で、しかしスコアの動きは唐突に。40分、古橋のCK、湘南のGK野澤はパンチング、こぼれを拾った古橋は中へ、再び野澤がパンチングすると、なんと味方の田原に当たったボールがゆっくりとゴールに吸い込まれます。確かにペースはやや山形に傾いていたものの、得点に至りそうな形は正直まったくなかったので、まさに「ラッキーなゴール」(小林監督)。意外にも1対1の同点で前半を折り返しました。後半はまたも湘南がやや攻勢で推移し、57分には田原がDFを吹っ飛ばしてのクロスバー直撃ミドル。スタンドを沸かせますが、勝ち越しゴールは奪えず、ゲームは膠着していきます。そんな中、小林監督の決断は62分。「空中戦ばかりになって単調だったのと、長谷川とのバランスが悪かった」(小林監督)田代を諦め、北村を右SHに投入。古橋がトップに上がり、これで昨年のベストメンバーが顔を揃える布陣にシフトします。結果、湘南の運動量低下とのタイミングもマッチして、これが奏功。北村は交替直後にドリブルでCKを奪うと、佐藤も「キタさんが仕掛けてくれて、前に行く意識を高めてくれた」と語ったように、ボールを積極的に呼び込んで、山形の攻撃を牽引します。81分には湘南が途中出場の中村と阿部の連携で決定機を掴むも決め切れずにいると、83分には北村のヒールパスで抜け出した宮本の折り返しを、マイナスで長谷川が、外れたもののダイレクトでシュート。さらに終了間際の93分には北村がやはり右サイドからマイナスのクロス、ニアで古橋ドンピシャヘッドも、ボール1個分枠の左へ。「勝ち点1取れたのでホッとした」(小林監督)「勝ちたかったが勝ち点1は次に繋がる」(反町監督)と両指揮官。痛み分けというよりはもう少しポジティブなドローといった印象のゲームだったように感じました。山形は新戦力の融合に苦慮している様子。キャプテンの宮沢が「田代をもっとうまく使えるコンビネーションを高めていきたい」と語り、田代本人も「やることがハッキリしていない。全然満足していない」と渋い顔を浮かべるなど、実際に長谷川との2トップは機能せず。交替後にチャンスが増えたのは何とも皮肉です。増田やルーキー伊東俊の登場も90分以降。チーム力のアップを考えるなら彼らの融合は欠かせないだけに、小林監督の腕の見せ所ですね。湘南は、正直チームの完成度で言えば山形の数段上。懸念された田村不在のアンカーに起用された永田も、攻撃の起点にもなるなど機能したと思います。あとは、坂本と寺川がどのくらい攻撃に出ていけるかは1つのポイント。中盤3枚のチームもいくつかはありますが、大半は枚数のミスマッチが起こる訳で、昨年同様にそのギャップを突いて主導権を奪えれば、かなり攻撃面では面白いスタイルを打ち出せそうな雰囲気は感じました。いやー、しかしとうとう開幕しましたねえ。ホント嬉しいですわ。   AD土屋




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