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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2010年01月09日

高校選手権準決勝 矢板中央×山梨学院大附@聖地国立

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この四半世紀に限って考えると、関東勢の中では最も結果を出せていなかった県同士のゲームが準決勝第1試合のカード。「目標は1試合勝とうという所」(高橋健二監督)から、あれよあれよと作陽、広島観音と中国の難敵を連破し、ベスト4まで勝ち抜いてきた、栃木県代表の矢板中央。「振り返ったらたまたま私の記録が後ろにあった」と語る横森巧監督が率いていた26年前の韮崎以来となる、山梨県勢ベスト4を成し遂げた山梨学院大附。舞台は聖地国立。ここでもう1試合プレーする権利を得るための一戦は快晴の中、12時5分にキックオフを迎えました。立ち上がりはなかなかボールを繋げない山梨に対して、ボールアプローチも速く、前へ出ていく姿勢の強かった矢板が攻勢。7分、中田充樹(2年・真岡中)の落としから、拾った堀越龍也(2年・足利両毛ユナイテッドFC)のシュートはわずかに枠の右へ。12分にも中田のポストプレーを起点に、積極性の目立った堀越が枠内へミドル。序盤の主導権を奪取します。なかなかリズムを創れない上に、ファウルが多く、セットプレーの脅威にもさらされる山梨は、まず個が躍動。15分、平塚拓真(3年・FC東京U-15むさし)が右サイドを切り裂いてチャンスを創り、20分には碓井鉄平(3年・FC東京U-15むさし)のパスから、最後は佐野敬祐(3年・名古屋グランパスエイト三好FC)がミドル。少しずつチャンスの萌芽は見られたものの、それでもいつものスタイルを取り戻すまでには到りません。ただ、押され気味の苦しい展開にも、「立ち上がりをこらえて耐え切れれば、30分過ぎには必ずチャンスがあると思っていた」と横森監督。すると名将ズバリ。31分はカウンター、縦パスを佐野が収めると碓井は左足アウトでスルーパス、鈴木峻太(3年・FC ASA FUTURO)のシュートは矢板GK三浦拓(2年・スプレッドイーグルFC函館)のファインセーブに阻まれますが、直後の平塚が蹴ったCKに宮本龍(2年・宇治FCJY)が飛び込むとシュートはわずかにクロスバーの上へ。一気に流れを引き寄せた山梨が34分に迎えた歓喜。右サイドからのスローイン、伊東拓弥(3年・レイソルSS青梅)が巧みに繋ぎ、受けた碓井のシュート、三浦が防いだこぼれ球に走り込んだ鈴木のシュートは劣勢を覆す先制弾に。矢板からすると「ゾーンをかいくぐられて、ゴール前も体張っていたが、不運にもGKの股の下を通ってしまった」(高橋監督)悔しい失点。山梨が自分たちの波にしっかりと乗っかり、リードを奪って前半を終えました。後半に入ると、「中盤が下がり過ぎて間が空いてしまい、繋ぐことができなかった」(横森監督)山梨を尻目に、矢板が再びペースを掴みます。52分には、長いボールから堀越が左へ送ると、待っていた益子直樹(3年・那珂川馬頭中)が振り抜く左足。まるで準々決勝のデジャヴは、山梨GK松田ラン(3年・ARTあきる野FC)がキャッチ。55分、渡辺裕紀(2年・今市FCアルシオーネU-15)のCKにキャプテンの須藤貴郁(3年・今市FCアルシオーネU-15)が完璧なヘッドで合わせるも、ボールはゴール右へ。同点とは行きません。山梨も63分に鈴木が三浦にセーブを強いる枠内シュートを放ちましたが、「ボールをキープした時に慌てて裏へ裏への苦しいパスが多くなってしまった」と指揮官。いつもの流麗なスタイルは、時間が進んでもなかなか出せず。中田を下げて、スーパーサブコンビの石井涼斗(1年・AS栃木ボン・ディ・ボーラ大田原)と渡辺光(2年・静岡学園高)を投入した矢板はさらに勢い。74分、益子義崇(3年・FC大田原ガナドール)の右クロス、堀越のヘディングはジャストミートも立ちはだかったクロスバー。78分、渡辺裕のCKを完全にフリーとなった堀越がヘディングもヒットせず。追い付けません。そんな中で訪れた85分は山梨のチャンス、矢板GK三浦のキックをDFが頭で直接前へ。拾った伊東がキープから右へ。「あんなシュート打ったことない」という碓井のエリア外ミドルは、一直線にゴール左スミへ飛び込むゴラッソ。なかなか普段のプレーができない中でも、しっかり勘所を押さえて、ゴールを取り切った山梨が「初出場でここまで来れたんだから、思いっきり選手を褒めてやろうかな」と横森監督も目を細める決勝進出を果たしました。敗れた矢板中央。赤く目を腫らして会見場に現れた高橋監督は「最後まで矢板中央らしいサッカーをやってくれた。正直国立に来れるとは夢にも思っていなかった。日に日に彼らが大人になっていく姿を見させてもらった」と選手を讃えました。関東プリンスでは12チーム中11位で2部降格、インターハイの県予選でもベスト8で早々と敗退。「自信もなくして、正直チームはバラバラになった」(高橋監督)時もあったそうです。3年生も夏で大半が引退し、ゼロからのスタートだったというこの選手権。県大会も準々決勝以降は苦戦の連続で、決勝後には「本当に辛く苦しい1年間だった」と高橋監督は心情を明かしてくれました。そんなチームが集大成の大会で一戦一戦逞しさを身に付け、国立にまで駆け上がる大躍進。「一歩一歩チームが成長してくれた」(高橋監督)という矢板中央に、大きな拍手を送りたいと思います。   AD土屋


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