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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

その他の試合 2009年11月14日

高校選手権栃木決勝 宇都宮白楊×矢板中央@栃木グリーン

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インターハイ予選はベスト8で宇都宮短大附属に敗れた宇都宮白楊と、同じくベスト8で國學院栃木の前にPK戦の末、涙を飲んだ矢板中央。栃木の覇権を争うファイナルは、2年続けての同一カード。昨年は富山貴光(現・早稲田大)を擁し、全国でも上位進出が期待された矢板中央を宇都宮白楊が破って、全国切符を獲得しました。返り討ちか、それともリベンジか。会場は栃木グリーンスタジアムです。序盤から攻勢を仕掛けたのは赤黒のユニフォームを纏った矢板中央。丁寧に最終ラインでボールを回しながら、隙あらばCBのキャプテン須藤貴郁(3年・今市FCアルシオーネ)が縦にフィードを送る形と、「前の選手は前半で潰れる覚悟で行った」と語る、SHの益子直樹(3年・那珂川馬頭中)を絡めた左からのサイドアタックで、相手を押し込みます。ただ、なかなか決定機までは創れずにいると、苦しい時間帯が続いていた宇都宮白楊が先に一吠え。23分、右サイドで得たFKをクイックで繋ぎ、最後は渡邊陽太(3年・宇都宮一条中)。矢板GK三浦拓(2年・スプレッド・イーグルFC函館)の好セーブに遭いますが、鋭い反撃を披露しました。そんな中で迎えた29分が1つのターニングポイント。矢板のCK、益子直樹のキック、GKのパンチングが小さくなり、拾った須藤が倒されると、主審は白楊のファウルを宣告。矢板は願ってもない先制のチャンスを掴みます。キッカーはFWの清水瑞翔(3年・足立第六中)。しかしキックは左、白楊GK中田亮(3年・宇都宮チェルトFC)も左。ゴールネットは揺れず。スコアボードも動きません。37分にも中田充樹(2年・真岡中)がループ気味にミドルを放つも、中田亮がファインセーブ。我慢する中で、守備のリズムが構築された白楊が無失点で乗り切り、40分は経過しました。後半開始から両チーム共に動きます。白楊の只木章広監督はやや劣勢だった右サイドに「あんまり考えずに思いっきりやれると思って」、1年生の神村秀斗(今市FCアルシオーネ)をSBとして投入。一方、矢板の高橋健二監督は「後半途中から出すつもりだったが厳しい状況だったので」、負傷上がりのこちらも1年生、国体代表・石井涼斗(AS栃木)を清水に替えてFWに起用。さらに渡辺光(2年・那須塩原東那須野中)も右SHに送り込み、攻撃の活性化を図ります。開始早々の40分には、白楊がFKから森口裕成(3年・さくら氏家中)のクロスに渡邊のヘッド。47分にも白楊、替わった神村の縦パスは裏へ走った小田切南斗(2年・宇都宮雀宮中)にはわずかに届きませんでしたが、惜しいシーンが見られ始めます。矢板は187センチの中田充樹、183センチの石井と前に明確なターゲットができ、ある程度そこに収まることから、ややフィードが多くなる格好に。それでも長峯滉希(3年・宇都宮チェルトFC)とキャプテン小菅佑紀(3年・さくら氏家中)のCBコンビを中心にしっかり跳ね返す白楊。すると「相手も疲れてきてチャンスがあった」と只木監督。「みんな足つってたっぽかった」とは矢板の益子直樹。落ちない運動量でセカンドボールも支配し始めた白楊が、逆にジワジワと反撃を繰り出していきます。そして68分にビッグチャンスが到来。臼倉翔大(3年・宇都宮星ケ丘中)が右へはたき、関がシュート。GKが弾いたボールは渡邊の目の前に。無人のゴール。浮いたボールをボレー。ところが枠を捉え切れずにバーの上へ。ゴールを奪えません。その後も足の止まった矢板を攻め立てる白楊。73分にも関がDFラインとの駆け引きから抜け出して枠内シュート。「カウンターでいつ取られてもおかしくない状態」と高橋監督。流れは明らかに白楊が掴んでいました。ですが、幕引きは唐突に。78分、後方から放り込まれたボールは白楊ゴール前で混戦に。懸命に掻き出そうとする白楊DF。ボールは「シュートを打とうと振りかぶった」中田充樹より、一瞬速くDFがクリア。直後、歓喜が訪れたのは矢板。「相手のクリアが自分の足に当たった」(中田充樹)ボールがGKの二アサイドを破る、まさかの1発は決勝弾。最後の最後で「今大会は5試合中、3試合が後半の最後に決まったゴール」(高橋監督)という粘り強さと執念を発揮した矢板中央が土壇場で勝ち切り、2年ぶりの全国へと駒を進めることになりました。敗れた白楊は80分間の大半で相手に主導権を握られながら、衰えることのない運動量を見せ、終盤は完全に“いける”流れでしたが、不運な形で涙を飲みました。ゲームに出場したのは2人を除いて全員が3年生。矢板中央がそうだったように、1年後、先輩たちの雪辱を晴らすための戦いが明日から始まります。そして1年前のリベンジを果たした矢板中央。プリンスは2部降格。インターハイはベスト8敗退と「私にとっても選手にとっても辛く苦しい1年」(高橋監督)の最後には、大きなご褒美が待っていました。監督をして「見てる方はキツいが目に見えない何かを持ってる」と評したチーム。「今まで全国での最高は2回戦なのでそれ以上」(益子直樹)を目指して、全国でも頑張って欲しいと思います。   AD土屋




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