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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2009年11月29日

J1第33節 大宮×柏@NACK5

foot!
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「興奮し過ぎてもダメだし、冷静になり過ぎてもダメだし、非常に難しい心境」(大宮・藤本主税)。15位大宮が37pts。16位柏が33pts。残り2試合という最終盤で迎えた、残留争い直接対決。勝利しか生き残る道はない柏にあって、サポーターはゲーム前から“YMCA”→“柏バカ一代”の合唱と、自らの流儀を貫き、アウェイゴール裏を黄色に染め上げます。引き分け以上で残留が確定する大宮も、メインやバックにまでオレンジカラーが波及。天国か地獄か、大一番は17時4分、柏のキックオフでスタートしました。お互いに先制点だけは許したくない立ち上がり。まずは9分に大宮、ラファエルが得意な左サイドから突破して折り返し、石原のシュートは橋本和が体でブロック。10分も大宮、近藤のミスパスから青木の右クロスを石原が頭で合わせるも、ヒットせず。最初の15分は大宮の攻勢となりました。そんな中、「相手のボールに対する気合いが違った」(藤本)「凄い勢いで来た」(大宮・橋本早十)と2人が声を揃えたように、柏の気迫が少しずつ表出。また、序盤は前線で完全に孤立していたフランサが、中盤まで下りてきてボールに触り出したことでリズムが生まれ、「引いた相手に対して攻撃の形が創れなかった」(柏・菅野孝憲)ことで、縦へと急ぐ形の多かった展開が変容していきます。25分は柏の決定機。栗澤のCK、パク・ドンヒョクのヘディングは枠に飛びましたが、なんとかGK江角がキャッチ。29分、橋本和のパスを受けた大津がフィニッシュと、チャンスは創出します。守備面でも相手が多用する縦へのフィードを睨んで、DFラインも高めに設定して対応。ラファエルへのボールを遮断することに成功すると、「中盤の選手が後ろに下がってしまって、あまり前に出て行けなかった」と藤本。前半追加タイムには、橋本早十のCKを石原がヘディングで狙うも、枠のわずかに左側。スコアレスで45分は推移しました。後半も柏のペースが続きますが、両者の差として挙げられるのはドイスボランチの機能性。柏は前半から栗澤のボールタッチが多く、セカンド奪取もやはり目立つのは栗澤。「ビルドアップ時に、大谷に下りてリベロ的になって回せと指示を出した。そうすると栗澤の回りにスペースができる」とはネルシーニョ監督。大谷が支え、栗澤が出る形で、中盤を支配していきます。一方の大宮は青木と橋本の頭上をボールが越えていくシーンが多い中で、自然と位置取りも低くなり、攻守でなかなかゲームに関与できません。58分、60分とフランサが惜しいシーンを創ると、ネルシーニョ監督の決断は67分。左SBの橋本和に替えて北嶋を投入。村上が左SBへ、澤が右SHへスライド。攻勢の時間帯で勝負に出ます。しかし74分、沸騰したのは黄色ではなくオレンジのサポーター。石原のフィード、ラファエルが胸で落とすと、上がってきていたのは守備に忙殺されていた橋本早十。「右足のトラップがうまくいったので持ち変えて」得意の左足で右スミにグサリ。苦しい中で飛び出した、「今までのゴールの中で一番気持ちいいゴール」(橋本)。大宮があまりに大きな先制ゴールを奪いました。ところが2分後、魔術師降臨。パクのフィード、大津が頭に当ててこぼれたボール、フランサが躊躇なく右足を一振り。すると、凄まじいスピードで江角のニアサイドを破壊。柏は死なず。1-1、スコアはタイに戻りました。直後、ネルシーニョ監督は2枚替え。村上と大谷OUTで田中と菅沼IN。田中は左SB、菅沼はボランチと超攻撃的布陣でゴールを奪いにいきます。大宮・張外龍監督も石原を左SH、青木をアンカーに置いた4-1-4-1にシフトして守備固め。83分、栗澤の縦パス、フランサはヒール、北嶋が繋いで、菅沼のシュートは江角がなんとかフィスティング。さらに張監督はラファエルに替えて藤田、石原に替えて土岐田をピッチへ。もはや柏は最前線に5枚が張り付き、大宮は青木も最終ラインへ吸収され、空中を行き来するボール。ギリギリの綱渡りとも形容できるような、続く攻防。それでも大宮ゴールに掛けられた鍵は開かず。94分16秒、柏原丈二主審の試合終了を告げるホイッスル。この瞬間、大宮のJ1残留が決定すると同時に、柏のJ2降格が決定しました。2005年の初昇格以降、5年続けてJ1を死守した大宮。G大阪や鹿島を倒しながら一時は4連敗を喫するなど、「例年より好不調が大きかった」(藤本)中でも、一度も降格圏に落ちることなく、残留を果たすことになりました。さて、10節以降は1度も残留圏内に浮上することなく、2005年に続いて2度目の降格となった柏。「最後の数試合はやりたいことをピッチで表現していたが、シーズン通してそういう戦いができないから、降格という結果になった」と大谷。「振り返れば前半戦はツイてないこともあって、そこで選手1人1人が自信を失って結果が付いてこなかった。ただ、挽回する時間はあったので、挽回できなかったのは選手の責任」と菅野。「僕は本当にレイソルが大好きで、どうすればレイソルが良くなるかだけを考えていたし、それは今も一緒。またJ1に上げるしかない」と北嶋。個人的には、選手たちは本当によく頑張ったと思いますが、やはり前任の高橋真一郎監督によるスタイルの変化と、それに伴う崩壊が最後まで響いた印象は拭えません。解任される直前にはサポーターとやり合うなど、監督としての資質を問われる一幕も。今日のゲームを見ている限りは、降格するようなパフォーマンスではなかっただけに、前半戦の迷走は痛恨でした。太陽王の落日。大きなダメージを負って、来季はJ2で戦うことになります。   AD土屋




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