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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2009年11月04日

ナビスコ決勝 FC東京×川崎@国立

foot!
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「あの辺が1つの狙いではあった」(川崎・関塚隆監督)「ここで失点しなくてよかった」(FC東京・城福浩監督)。19分の攻防。両指揮官もポイントに挙げたシーン。結果、この成否が試合の行方を大きく左右することになりました。紙テープが乱れ飛ぶFC東京ゴール裏。水色と黒の中心に大きな星を浮かび上がらせた川崎ゴール裏。最高のシチュエーションを両サポーターが創り出し、キックオフを迎えたナビスコファイナル。双方慎重にゲームへ入っていく中、まず勢いを見せたのは川崎。攻撃的な中盤に入った中村とレナチーニョが、サイドで中でと積極的にボールへ関与。11分にはレナチーニョが米本からボールを奪うと、中村からのリターンを受けたレナチーニョが権田のファインセーブに阻まれるも惜しいミドル。17分にもレナチーニョを基点に、チョン・テセ、ジュニーニョと繋いでチョン・テセがボレー。当たり損ねて枠には飛ばなかったものの、ペースを掴みます。やや押し込まれた東京は、ドイスボランチに入った梶山と米本が単純なミスを連発。パス回しにリズムが出ず、中盤で劣勢になり、なかなか攻撃の手を繰り出せません。そんな中で迎えたのが19分。横山のクサビをチョン・テセが落とし、ジュニーニョがダイレクトで裏へ送ると、走り込んでいたのはボランチの谷口。「二列目から出てくる高さは警戒していたが、二列目から追い越してスルーパスに飛び出してきたのに付いていけなかった」と城福監督が振り返ったように、東京のDFラインが無警戒だった谷口のラインブレイク。完全にGKと1対1。谷口がやや右に流れると、権田もうまく対応してシュートブロック。しかしこぼれたボールは谷口の下へ。中央ジュニーニョへラストパス、直後、川崎ゴール裏に広がったのは大きな溜息。2度の決定機は共に失敗。あまりにうまく決まった形だっただけに、「数多くはできないのでしっかりモノにしたかった」(関塚監督)「これ以降は警戒して簡単にはやらせなかった」(城福監督)と両監督。ここを切り抜けた側が3分後、歓喜を享受します。22分、米本は縦の平山へ。リターンを受けると25m近い距離から躊躇なくミドル。「無回転。落ちてブレた」と語った川島は弾き切れず、ボールはサイドネット内側へ。前日、ニューヒーロー賞に選出された18歳が大仕事。ピンチ一転、先制点は東京に記録されました。これでようやく落ち着きを取り戻したか、東京も「なるべく相手にボールを触らせない、相手の攻撃を一つでも減らすような守備」(FC東京・羽生直剛)も機能し始め、得点以降、前半終了までインプレーから川崎に許したシュートは2本。「あの一発で流れが変わった」とGKの権田も振り返ったように、相手の決定機を凌ぎ、そして決して決定機とは言えないような場面から飛び出したゴールが、東京に流れを大きく引き寄せる格好になりました。後半は50分に赤嶺がヘディングで枠内に飛ばすなど、最初の5分間は東京がラッシュに出ましたが、すぐに追い付きたい川崎が反攻。「サイドからえぐることによってセットプレーが増える」(関塚監督)と森も上がる回数が増えるなど、執拗にサイドを突き、CKを数多く獲得。強烈な圧力から同点ゴールを奪いに行きます。59分にはレナチーニョのクロスを権田がパンチングするも、今野に当たり、あわやというシーンが。嫌な形でCKを与えると、中村のキック、中央は東京もクリアできず混戦。空中戦が続く中、平山が掻き出すと拾ったのは羽生。攻守反転、カウンター。羽生は左へ。受けた鈴木は中に入りかけて、ルックアップすると一度左に持ち出し、ファーへクロス。待っていたのは掻き出してから約70mを「早く達也くんのラインに追い付けるように」全速力で駆け抜けた平山。ヘディング一閃。相手のお株を奪う、最高のカウンターが炸裂。筑波大でも2トップを組んでいた2人のコンビネーションで東京がリードを2点に広げました。60分、赤嶺OUT長友IN。「決して守備的ではなく、前掛かりになってくる所を飛び出ていく期待と、森がかなり上がり気味だったのでそこを押さえたかった」と城福監督。実際、74分には椋原のフィードから長友が抜け出し、GKもかわしてシュート。谷口が執念のブロックで防ぎ、鈴木のエリア外シュートも右ポストを直撃。3点目とはいきませんでしたが「守りながらもいつでもカウンターを狙える」(羽生)脅威を、しっかりと相手に突き付けます。さらにこの直後には、羽生OUT平松IN。残り15分、「戦況で相手の選手を見てクローズしにいくための交替」(城福監督)も実行。ビッチにはDF登録の選手が6人並ぶ格好になりました。追い込まれた川崎も79分に黒津を投入して、3-4-3で勝負に。80分以降は怒濤の総攻撃を仕掛けます。それでも「もっとシンプルにサイドから動かせばいいのに、強引なプレーが目立ってしまった」と関塚監督。どうしても中、中へとボールを集めてしまい、堅いブロックを切り崩せないままに時間が経過。「みんな集中してマークも外れなかったので、ピンチは続いていたけど大丈夫だと思っていた」とは権田。85分、ジュニーニョのクロスに合わせたチョン・テセのヘディングはクロスバー。88分、再度ジュニーニョのクロスにチョン・テセのヘディングはわずかに枠外へ。2-0、「戦前の予想では厳しいだろうと言われていた」(城福監督)東京に凱歌。完勝と言って差し支えないゲームで、5年ぶりの栄冠に輝きました。川崎は、やはり19分の逸機が痛恨。ある程度守備的なアプローチの相手に先制され、ブロックを作られた時の攻略は決して得意分野ではなかっただけに、「自分たちのサッカーがいかに90分できるかというところで、我々の弱点が出てしまった」(関塚監督)感は否めません。またもタイトルには一歩及びませんでした。勝った東京は、立ち上がりこそ苦しんだものの、先制後は「前に急ぎたくなる所を繋ぎ直してやり直す」(城福監督)冷静さも披露し、耐えながらカウンターでの一刺し。石川、そして「ブルーノが電話して、言葉は通じなかったけど話したら喜んでくれた」(羽生)カボレと2人の役者を失いながら堂々の優勝。「まさに全員で勝ち取った勝利」(城福監督)に心から拍手を贈りたいと思います。   AD土屋




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